2004年今年はクロカン仲間が増えるぞ〜

2004年 6 月   
6月5日(土曜日) トップラン
先週は飛べなかったので期待を持って神の倉へ。
朝6時過ぎ、河原さんから大佐へ行ってみようかと電話あったが人数集まらず神の倉へ。
10時に到着。岡本号で荒谷山へ上がる。
期待大であったので、すぐにはテイクオフしないで様子見とする。
プレジャークラブがテイクオフし、沖でステイ出来ている。
私もテイクオフし、左ボールを探る。
先程ボール奥まで葉っぱが揺れていたので突っ込んで行く。
せいぜい+20m位なので粘るのを止め、すぐにトップランした。

山本さんテイクオフし、正面尾根の最後で粘って上げ始めた。
小脇さんテイクオフし、左尾根を攻めてトップアウト。
二人が合流し、+300m上げている。
もう一度私もテイクオフしたが、粘りきれないので児島さんが行った
左の尾根を廻り込むもリフト無し。サブランへぶっ飛んでしまった。

14時、3本目。
10機ばかり上空に居る。正面2m位で風が入っている。
すぐにトップアウトしたがサーマルが繋がっていない。
+10m位でコジツーポイントに移動し、4m/Secのサーマルヒット。
素直なサーマルであったので、+1100mまでいちどもはずす事なく上がった。
少し弱くなったので、少し探ってもう一度サーマル本流に乗り、+1750mまで上がりきった。
安定したのでようやくGPSのスイッチを入れる。

先程2本ぶっ飛びだったので、フライトスーツで汗をかいてしまった。
縁起を担いで今回はフライトスーツを着なかった。
そんな事をするとよく上がるものである。
+1000mを越えると寒くなって来た。
何んとか我慢して飛び続ける。
神の倉へ谷渡り。
サーマルヒットし、一気に1000m上がり、+1700mに上がる。
せっかく高度を稼いだし、どうしようかと考える。
鷹ノ巣山も眼下に見えるし、クロカンの誘惑に駆られる。
出来るだけ動いてみようと北の鉄塔に向けるも、ずっとシンク音ばかり。
しかたなく荒谷山テイクオフへ一直線で帰り、+700mになってしまった。

南の方面に行き、フライト時間も1時間30分過ぎて、寒さとトイレが我慢出来なくなり
ビッグイヤーで高度を下げる。
右ボールでは、サーマルが上がって来てはなかなか高度が下げられない。
トップランしようと近づくも右ボール奥も吹き上げられる。
しかしテイクオフは風向きはコロコロ変わっている。どちらからアプローチするか悩ましい。
東北東が多いので、沖からテイクオフに近づく。吹き上げられるので、−5m位からアプローチ。
少し低すぎて正面傾面を駆け上りながらトップラン。
1時間40分のフライト。

グライダーをはずしてトイレに走る。
ひと心地ついて寒さで疲れてしまい1時間ばかりテントで寝てしまった。
16時30分もう一度テイクオフし、40分フライトし、サブランへ。
今日も20名ばかり+1000mは越えた良いフライトデーだった。
大佐へ行かなくても充分楽しめた。
小脇さんと児島さんは白木山へアウトアンドリターンを果たしたらしい。
GPSはトップランして電源切るのを忘れたので、3時間フライトログになってしまった。
GPSはログページに・・・

6月6日(日曜日) 
朝7時頃は雨が降っていたので安心していた。
10時過ぎには薄日も漏れ始めた。
今日はきっちり雨予報なので行く気は無いのだが、雨が降らないと
だんだん情緒不安定になってくる。
河原さんと福伝さんが荒谷山に居て、石井さんと小田さんが神の倉に向っているらしい。
夕方同期会役員の打ち上げ会が市内で夕方6:00からあるというのに、バカなおやじは
13時30分から、のこのこ神の倉へと急ぐのであった。
2時過ぎに到着して石井さん、小田さんと神の倉に上がる。
地森さんが一人で神の倉テイクオフ駐車場廻りの草刈を済ませたところだ。
男は黙って・・・・という感じで、地森さんは一人でよく草刈をしている。本当に頭が下がる。
学生達も上がってきて、テイクオフして行った。雲が張っているので当然ぶっ飛びだ。
中川さん、小田さん飛んで行った。東風が入りだしてきた。石井さんと利弘さんが車の
回収するというので、飛ばせてもらう事にした。無風になるのを狙って立ち上げる。
目一杯後ろへ下げて石井さんに持ってもらったのだが、がっちりテンションかからない。
一応キャノピー頭上に来たので、振り向くもテンション抜けている感じ。一瞬迷ったが
くるっと振り向きざま走ったが、足がもつれてしまった。膝を着いてしまったのが傾面の
最後だったので、止まり切れないと思い、そのまま体ごとダイビング。
梢が目の前に迫ってきて、ブレークコードをはたいて梢を越える。
北斜面の距離で足がもつれるようでは無風テイクオフは止めないといかん!!!


河原さんのフライトログ

6/5
朝起きたら天気は明日から崩れるようなので、大佐がよさそう。
朝6時半から稲垣さんに電話して、誘ってみる。早朝からすみません。
あんまり参加者が居なさそうなので、止めにした。
んで、二度寝してたら遅くなってしまった。
で、11時にLD着。北東メインで南東に変わるはず。
既にたくさんの人が荒谷に上がっているようだ。
朝の目覚めの一本をサブランへぶっ飛んできた福傳さん、吉岡さん、増山さん。
しっかり日があたっているけど、上がらないみたいで、今日はダメっぽいなあ。
そういえば、予報では上空700hPaの気温が8度程度で結構高かった。
福傳さんを拾って荒谷へ。

(1本目)
シブシブの条件の中、何人かがぶっ飛んでいく。
その中で唯一山本さんが、強いグランドサーマルでサブラン近くの低い位置から
ものすごい勢いでトップアウト。
しかし、+300程度でストップ。今日はあの程度で終わりかなー?
それを見た小脇さん。全体が北風、東風がTOに入ってきたところでTOし、
北東の尾根を目指して行く。
尾根を超えたところで、目論見通りサーマルをゲット。
ブーメランをVメランになるぐらい小さく回して+1000の世界へまっしぐら。
フムフムと出た数人のタイミングは劇渋で、数人の内児島さんだけが生き残って上げていった。
それを見て更に皆さん風待ち。サーマルらしいものが感じられない。
この辺でようやく準備開始、我ながら遅い。こんなんじゃダメだね。
準備できたところで吹き流し見ると、南っぽいのが入ってる。
グライダー広げてたティンを押し出してみる、やっぱり上がる。
崇ちゃんご希望の南風ですぜと言い残し、すかさず追いかけてTO。
南西に流されながらあっというまに+1000へ。
遙か南に小脇さんと児島さんが見える。走るようだ。
山本さんも南に行っていたが、低く帰ってきてる。
悩みながらも南に走ってみるが、-3程度のシンクをくらい続けて800程度
高度を失ったのでやる気を失った。
サブラン上空で藁科さんが上げ直し、山本さんが下に入って回してる。
僕も突っ込んで上がりかけ、行けるか?と思ったのもつかの間。
程なくしてサーマル切れで二人とも終わってしまった。
崇ちゃんもTOから一直線に突っ込んできたが、終わった後だった。
残念!風待ちすぎじゃないですか斬り!

(2本目)
納得いかず再度荒谷へ。
ランディングは南風だったので、コンバージェンスっぽい感じ。
TOに上がって準備出来た頃には風が落ちて出にくい。サーマルっぽい感じもなし。
ちょっと東が入ってきたので、立ち上げてみるとぐいっと上に引き上げられる!
ヤッホーとTO。一直線に上がっていく。
後から追いかけて出てきた増山さん、崇ちゃんはタイミングが悪かったのか上がりきらなかった。
山頂からしばらくは南風、それより上は東風。
(このあたりで白木山アウトアンドリターンの小脇&児島さんが帰ってきていた。)
仕事を早めに切り上げて神の倉の方に出勤された石田さん、小脇さんと+1600程度まで上げきった。
南の方には+1100程度の逆転層がはっきり見える。こんなにはっきり見えたのは始めてだ。
小脇さんと石田さんは早々に神の倉に移動し始めたが、
こんな良いサーマルがあるのなら・・と荒谷に戻る。
が、全然サーマルが無い。仕方なしに石田さんを追いかける。
荒谷付近で+700位あったが-3〜-5のシンクを位続けて、
少々アゲインストで神の倉にたどり着けない。うっそーー!
一直線に神の倉に移動した石田さんは+200程度でたどり着いてあげ直ししてる。うーむ。悔しい。
神の倉TO付近は北東で山頂より低くなった広大ヨッシーは諦めてLDへ向かってる。うーむ、諦めきれん。
急遽神の倉北尾根に進路変更。するとサーマルかローターか?あやしい動き。
おそるおそるリフトに近づいては離れてを繰り返し、トップアウト。
山頂の東側を探るが何にもない。おっかしいなあ。
垂れたので西側に移動すると、東風なのになぜか山の東側でサーマル発見。
+500程度まで復活。上空ではティンがまだ飛んでいる。
べっぴーも北へ移動し沈んでないので着いていく。
しかし、途中からまたシンクにつかまり北の鉄塔をとったところでTOレベル。
べっぴーはもう少し高かったので反対の尾根づたいに帰ってきてる。
北東ならこのあたりでサーマルあたっても良いのになあーとぐずぐず言いながら、
クロカンラインの集会所横にLD。またもやシンクに苦しめられたのであった。
グライダーを下ろしたところにたき火の跡があって、驚いたーー。
まだ火がついてたらグライダー燃えちゃってました。
県道に出てヒッチハイクをやってみるかーとチャレンジするが捕まらない。
場所が悪いのかな?と(人相が悪いという噂もあるが)移動していると、
広大ジョン&ドリが登場し、回収してもらえた。
ありがとうねー。

ML上を見ると福傳さんがまだ飛んでる。
福傳さんって更に上手くなったなあ、、と児島さんの土産を食べる。
うげ、朝鮮人参って青臭いー、マンゴーみたいなのオイシー
〜そして3分後〜
なぜか福傳さん、MLと緊急ランの間の山頂+50にいる。程なくして山の向こうへ消えていった。
神の倉から緊急ランへ降りる人を初めてみた。

(3本目)
福傳さんと車回収しようかー?と3度目の荒谷へ。
ところがどっこい条件が良くなったみたいでみんな浮いてる・・が一気に渋くなってきた。
サブランに同時進入しそうな勢いだ。
そんな中、生き残ったのは3人が広大ぐっちょん、広大コータ君、崇ちゃん。
グランドで上げ直してトップアウトしていた。
ぐっちょんは南風に流され加減だったけど、最近の上達ぶりはすごいなあと思いました。
べっぴーの誘導どおりLDに戻った後、上げながら山に寄せることができてれば、
コータ君や崇ちゃんみたく少し遊べたかもよ。

んで、浮くのならばと車回収を他の方にお任せしてTOしてみたけど、渋め。
TOは東風だったけど全体的には南東だったので、磨けば粘れる状態。
上の二人はそそくさとMLに移動してしまった。(荒れていたとか)
べっぴーが続いてTO。二人で斜面を磨いて、帰ろうかな?・・べっぴーが良いサーマルを見つけてる。
負けるわけにはいかん・・仕方ない。下に入るか・・・小さく回してトップは頂く。
二人でMLを目指すが、、べっぴーはギリギリっぽい。
べっぴーは振り向いてサブランを目指し始めたが、そっちも届かない高度っぽい。
念のため、僕もサブランへ向かうことにした、、が、べっぴー低ーい。川の中を飛んでるぞー。
結局、サブラン近くの中州へランディングしていた。
で、僕は南風でファイナルアプローチ・・ん?伸びるな?速い?げ、微フォロー北風じゃん!
石垣さけてストールランディング。
前転してしまった。ハズカシイ。

・ティンは3時間コース
・白木山アウトアンドリターンが二人
 小脇さんのコメント:児島君、高圧電線のそばをよくあんな低く超えていけるよなあ
 児島さんのコメント:小脇さん、高圧電線の上をよくあんな低くセンタリングできるよなあ
 ・・・・・二人とも一緒ですから!!
・2時間コースは多数。

今年は良いコンディションが続きますねー。梅雨に入ったけど平日が晴天だったせいでしょうか?

夜は小脇邸で宴会して、ホタル狩り。
崇ちゃんは本当に狩ってました。
10時から参加のうのっちは自転車を直しては壊してました。

5/6
うのっちは修理中に新品チューブをパンクさせたので、チューブを2本買いに帰って行った。
天気予報では雨。
実際は曇でたまーに晴れ間がのぞく。朝方雨が降っていたのでほとんど人が来てない。
福傳さん、小脇さん、三穂さんと荒谷に上がるが晴れ間が荒谷の上に来ない。
小一時間経ったところで、しびれを切らしてTO。かぶりの中のぶっとび。
福傳さんは晴れ間を待ってTOしたけど、やはり浮かない。
晴れ間を見て来たのか、結局稲垣さん他ジャンキーな方々20名程が今日もご出勤。
無風+クロスで、小田さんの見事なTOが印象的でした。
夕方には、修理した自転車を見せびらかせに帰って来たうのっち、
八木のお好み焼き屋楓まで自転車で移動することに。
小脇さん、三穂さん、うのっち、徳ちゃんで夕食となりました。
6月13日(日曜日) 
台風一過(といっても消滅)快晴である。
しかし、風は強そうである。そのうち落ちる事を期待して9:30神の倉LDに。
草のシーズン中は各人月一回程度、都合の良い時に草刈作業をする事になった。
草刈り機も6〜7台しかないので、丁度良いローテーションになると思う。
草刈機が全部出払ったので、芝刈り機のでかいので、MLの草刈りを河原さんと交代でする。
いつまで経っても6〜7mの風は納まりそうに無いので、荒槙牧場に移動。
総勢30名ばかり集まっていた。
学生達の新人体験会も行われていた様だ。
神の倉よりは弱いのだが、左右45°位くるくると変わって安定しない。
今日はビデオカメラを持参したので、撮影に徹する事に!

荒槙の斜面での立上げ稽古は非常に大切だと私は思っている。
平地では皆さんと立上げ稽古は良くしているが、
斜面での立上げ稽古は荒槙に行かないと出来ない。
テイクオフの稽古でなく、斜面での立上げ稽古が重要だと思っている。
クロスで立上げ、頭上安定させ、前に振り向きもう一度頭上安定させ、テイクオフしないで
もう一度後ろを振り向き、また前を向き、前後左右に移動しながら安定させる。
これが出来れば落ち着いたテイクオフが出来る様になる。
テイクオフする時は、アタックアングル変えず、ブレークをゆるめ、グライダーと一緒に動き
テイクオフするのが理想だ。
当然風の強弱で状況は違ってくるが・・・・。
平地での立上げは落ちついてやっているがテイクオフに立つととたんに、余裕がなくなり
あたふたと振り返りざまテイクオフする人もよく見かける。
荒槙での斜面における立上げ稽古が一番練習になると思うのだが・・・・

それにしても神の倉の人は他のエリアと比べて抜群にテイクオフは上手いと思う。
余程練習しないと西斜面でのクロス立上げしてのテイクオフは難しい。
B級なりたてでクロス立上げがバリバリというのは神の倉だけか??
時々ブローが入り、ハッとする事もあったが、にぎやかな荒槙であった。
1時間ばかりビデオ撮影をしたので、見たい人はテープ貸します。

テージャスランチの奥さんから、『井上さんが来てますよ〜!!』と告げられた。
すぐに分からなかったが、「たわけ仙人ですか?」と聞き返す。
テージャスランチを出てすぐに見つかった。声をかけ、挨拶する。
奥さんも来ておられ、今日は娘さんと子供(孫)も同行しておられた。
子供に「パラグライダーがあそこで飛んでいるよ!」と教えてあげる。
河原さんから「そろそろ神の倉に帰りましょう」と電話あり。
井上さんとの話もそこそこに神の倉に向う。

4時半頃帰って来たが、まだランディングの風は6m位吹き、山腹の木の葉は裏返って白く見える。
ハングは神の倉に上がっていた。5時頃小脇さんの「上がって見ようか?」の一言で、小脇さん
足刈さん、石田さん、徳ちゃん、・・・私の6名で上がる。
上がってみると、ハングがぼちぼちテイクオフして行った。
ハングですら、翻弄されているバンピーな風である。
足刈さん、小脇さん、石田さんがテイクオフし、鉄塔下を廻り込んで行った。
何んだかバンピーな動きをしている。
徳チャン一人を残して、テイクオフするわけに行かないので、彼女のテイクオフを見届けて
私もテイクオフ。東かぶりの風なので、上から押さえられて只々シンク音の中
ぶっ飛びであった。
車の回収に河原号を出してもらい、中川さんが、福伝さんの「インフィニティ」を
試乗すると張り切って同行。神の倉は安定東風に変わっていて本日終了。
雑  感
先ごろの女児殺人事件がよく話題にのぼる。
どんな精神状態で人を殺してしまたのか、私にはちょっと想像出来かねる。
子供が残忍な殺人を犯してしまうというのは、私の子供時代には無かったように思う。
生命(いのち)を奪うという事がどういうことか実感しないまま、実行するのだろう。
学校や家庭で生命の大切さを教えるといってもなかなか難しいと思う。
生命の実感が非常に希薄では教えてもわからないと思う。

私の子供時代の悪ガキは、トンボの羽をむしったり、かえるのお尻に麦わらを突っ込んで
腹を膨らませて、女の子に渡したりして、恐がらせたり、泣かせたりしていた。
私は、そんな無益な殺生はしなかったが、じっと見ていて、トンボやかえるの断末魔の叫びを想像した。

私が5〜6歳の頃、お袋は家族に卵を食べさせようと、鶏を飼っていた。
55年前の当時、卵の値段は10円もしたのである。米糠と野草を混ぜて鶏に食べさせていた。
アサリの貝殻もハンマーで砕いて食べさせていた。ミミズを掘って与えると、大喜びで食べていた。
私もよく餌やりを手伝わされたものである。鶏は4年目頃から卵を産まなくなる。
そうなると鶏は哀しい運命をたどる事になる。鶏肉となり果てるのである。
近所の農家では当たり前の様に殺(し)めていたのだが、サラリーマンの妻であるおふくろには
初めての経験だったようだ。 必死の形相で首を絞めるのだが、死なない。
もう一度首をひねって動かなくなるのを待って羽をむしる。又動き回る。
ひと思いに死なせてやる為になたで首を落とした。
首の無くなった鶏は、黙って10mばかり走ってばったり倒れた。
8歳の頃の私は一部始終を固まったまま見ていた。

夕食は鶏肉のすき焼きだった。
首なし鶏が走る姿が目に焼きついている私にはとても食べられなかった。
親父は「食べろ!」と叱った。そして「食べてやれ!」と諭した。
お袋の必死の思いで殺(し)めた労苦と、鶏の生命を考えて食べろと強要した。
仕方なく食べたが、いつもとは違い味がまったく感じられなかった事を強烈に覚えている。
肉料理など、正月と祭りと運動会くらいしか、食べる事の出来なかった時代の事である。

食事の時手を合わせて「頂きます!」という事が、「命を頂きますという事だ」
子供心にもはっきりと実感できた事件だった。
中国や東南アジアでの市場で、生きたままの食材を売っているのを、テレビでよく見る。
主婦が買って帰り、自宅で殺(し)めて料理しているのだろう。
アグネスチャンが丸々と肥えたネズミやハトを見て、「あら、美味しそう!」と言ってたのを
思い出した。

55年前の私の子供時代は、動物性たんぱく質が非常に不足していた。
人間不足すると体が勝手に欲求するらしい。
足長蜂の巣を取って蜂の子を生で食べたものである。
少し生っぽいのだが、トロッと甘い感じもした。
イナゴやタニシの佃煮もお袋は年に2〜3度作ってくれた。
”川にな”はよく食べたものである。塩茹でにして、マッチ針で身を取り出して家族でもくもくと食べた。
池や川で釣ったふなや鯉は必ず持って帰り、料理して食べたものだ。
蝿取り瓶に糠を入れ、川に沈めておくと、面白いようにハヤが取れたものだ。
ハヤは”から揚げ”が美味かった。

生物にとって食べるという事は非常に残虐な行為である。他の生命を食べているのである。
「食物連鎖の頂点に立つのが人間である」と理科の授業で教えてもらっても、実感が湧かないと思う。
動物性蛋白質が、発泡スチロールにラップされて売っている高度に分業化された日本で
どのように子供達に理解させるか?
「頂きます」が生命を頂いているのだと子供に実感させるには、どうすればよいか、戸惑ってしまうが・・・。
しかし、基本的なことなので、どのように教育するか、社会全体で取り組む必要があると思う。

カッターナイフを学校に持参している子供が何割いるかテレビでやっていたが・・・。
私の子供時代は、鉛筆を削るのに肥後守(折りたたみナイフ)は筆箱に入っていたものだ。
ナイフを使っていて、ついでに指まで切って、背中がぞくぞくっとして、2〜3分してズキンズキンと
痛かったこと。そんな事は私の世代は100%経験したのだが・・・
そんな経験もなければ、他人の首を切ったらどんなに痛いか?大変なことか?想像できない
子供が育ってしまうのであろうか?

カッターナイフを学校に持って来させない教育をするのが、生命を大切にする教育
と思っているなら、本末転倒もはなはだしい!。
カッターナイフは道具なだけである。
家庭でも学校でも、ナイフで物を削る事くらい積極的に教えるべきと思っているのだが・・・。
ナイフで指先を切って怪我をしたと学校に怒鳴り込む”ばか親”が子供をダメにし、
学校や社会や国をダメにしている事に皆が気が付かねばならない。
マスメディアの論調にもそれを感じるので、余計腹が立つ。

私が最後の最後にしてやれる事は、孫達に自分の臨終を見せてやる事かな?と考えている。
朝起きて来ないので、起こしに行ったら、亡くなっていたというのが、理想形ではあるが
なかなかそうはいかないだろう。
せめて、息を引き取る時は、気高く、凛として、最後を迎えたいと思っているのだが・・・。
せめて、自分は死につつあるのだなぁ〜・・・・という意識に中で最後を迎えたい。
いっぱいチューブに繋がれ、麻酔薬を点滴に仕込まれるのはやめて欲しい。
死の間際は脳内麻酔が働いて恍惚の状態で死んでいけるものと私は信じているのだが・・・・。
私は変であろうか???

6月19日(土曜日) 晴れ
台風6号が沖縄に近づいている。
午前中は晴れの予報であったので、早めに神の倉へ。
9:45に到着して、すぐに河原さん、増山さん、神谷さん、向井さんの5人で荒谷山へ上がる。
南東2mばかりの風が入って来るのだが、いまいちリフト成分が無さそう。
河原さんが一番手でテイクオフし、正面小山沖でサーマルヒット。
私もテイクオフし、結構力強く上げてくれるのだが、何か不安定な上がり方をする。
全員テイクオフして来た。+300mで河原さんに追いついた。もう一度サーマルヒット。
はずすとばさばさくるので、ハイバンクで廻す。
コアーを捕らえたので一気に+600mまで上がったのだがだいぶ吉田町方面に流されてしまった。
大和重工の河川敷に降ろすかな?とチラッと思う。
とりあえず荒谷山を目指す。さほどシンクにも会わず帰る事が「出来た。
荒谷山上空はまだリフトがある。誰も居なくなっており私一人なので、トップランを決意。
小脇さんがテイクオフの準備して、キャノピーを拡げている。テイクオフに近づくと吹き上げられる。
3度ばかりチャレンジするも吹き上げられる。
小脇さんテイクオフし、右ボール奥に突っ込んで来たので、私は交替する様に駐車場奥から
トップランアプローチし、ふんわりランディングとなった。1時間のフライトであった。

小脇さん、リッジで粘っていたが、+500m位まで上げて行った。
しかし、霧雨が降り出してサブランへ。
とりあえずMLに全員で車で下山。MLの倉庫からシート巻物を出し整理する。
ツリーラン脱出訓練のクッション材にするそうだ。

雨雲がとれて薄日が差しているので、もう一度荒谷山へ上がる。山本さんと足刈さんが
テイクオフし、+300m位上がった様だが、私は寝ていたので気が付かなかった。
目が覚め、二人トップアウトしているので、すぐに用意し、テイクオフ。
東北東の風なので、テイクオフ近くは左尾根の影響でローター気味だ。
少し沖に出すとリフトがあり、上がるのだがどうも荒れている。
山本さんが沖で大シンクにはまって下がっている。
私は強いリフトで直進しながら、+3mで上がる。
強風の感じになっている様だし、廻すと後ろへ流されるはずなので、我慢して直進する。
しかし、このリフト帯を抜けると、シンクの嵐が来るのはわかっているが、我慢して直進する。
果たしてシンク帯にはまる。キャノピーはアコーディオンの動きを始める。何とか潰されないように
サブランに向う。フランドサーマルもあり、5度ばかり八の字で高度処理をしてようやく降ろす。
私がテイクオフして、しばらくしてTOは6mの風となったと石井さんから聞いた。
どおりで口がカラカラに渇いたはずだ。
今日はちょい飛びトップランを含めて3本も飛んでしまった。

6月20日(日曜日) 曇り
大型の台風が種子島近くを通っている。
当然パラは休みと思っていたのだが、朝8時頃になって日が差してきた。
風も4m前後のようである。とりあえず神の倉の空気を吸いに行こうかと、河原さんと話をする。
午後から風が強くなるであろうから、午前中に1本と思い9時半頃到着。
低層の雲は昨日と同じくらいの早さだ。
河原さん、神谷さん、小田さんm西沢さんと5名で荒谷山TOに上がる。
TOは南南西2〜3mで、出来なくは無いが、上げると一気に吉田方面へ流されそうだ。
河原さんテイクオフし、正面沖で上げ始めた。+200mまで廻して三篠園上空に流されている。

私もテイクオフし、すぐに右奥ボールに突っ込む。
リッジ風をもらい、+30m上げ、右ボール上空でステイ。
しっかり晴れているので強めサーマルは上がって来る。
+100m位で廻すのを止め直進する。
当然サーマルを抜けるとシンク帯でグラグラする。

河原さん、小田さん、西沢さんは30分位フライトして、サブランに降ろした。
サブラン地上100mは南風強いらしく、止まっている。高度が下がると前進し始めた。

40分ばかり飛んだし、余り楽しくも無いので翼端折ってトップラン狙う。
トップランアプローチかけるのだが、リッジ風が強く何度もスルー。
吹き流し少し弱めになったので、駐車場+10mばかりをホバーリング気味でアプローチ。
地上1mでちょっと持ち上げられたが、ソフトランディング。
持ち上げられたのを見ていたのでランディングするや否や神谷さんが私に飛びついて
押さえ込んでくれたのはいいが、二人共絡み合って転んでしまった。
キャノピーたたんで皆さん上がって来るのを待っていると、足刈さん、石井さん、神田さんも
上がって来た。石井さんはお日様が顔を出して、おいでおいでするものだから、庭木の手入れを
放り出して駆けつけて来た様だ。

2本目テイクオフしたが、リフトがあるにはあるのだが、どうも「台風」という二文字が頭から離れず
本気で廻す気にならない。  当たり前か!!
20分位でサブランに降ろす。
もう一度、TOに上がってキャノピー拡げたのだが、息継ぎのある風で、右奥ボール斜面での
リッジが期待出来そうにないのでキャノピーたたむ。小田さん、西沢さんテイクオフした。
西沢さんは沖で遊んでさっさっとサブランへ。小田さんは+200mばかりで遊んでいる。
何だか雲の吸い上げもある様だ。5〜6mの風になったので、キャノピーたたんで下山。

お腹空いたので、八木町で讃岐うどんを食べようと河原さん神谷さんと3人で行くも、
14時から18時まではお休み。近くの”楓”というお好み焼き屋で食べる。
お金を払おうと、尻のポケットに手をかけると、”ない!!!”
どうも先程ボンゴの運転席から滑るように降りた時、財布が飛び出してしまったのだろう。
あわててあちこち捜すも見当たらない。運転免許証やフライヤー・無線の各種の免許証や
各種のカードと、現金も数万円入っていた。クレジットカードを持たない主義なので、いくらか
気は楽だが、でもすっかり気分はブルー。

とりあえず、どこに連絡しようかと、携帯でおもわず「110番」とまわしてしまった。
「事故ですか?事件ですか?!」とせっぱつまった声がした。
「すみません!110番はまずいと思うのですが、落し物です・・・・」とだんだん声が小さくなる。
親切に北署の電話番号を教えてくれた。
一応北署へ電話入れる。100%出て来る事は無いと確信しつつも・・・。

最近は財布を拾っても「ラッキー!!」とばかり軽い気持ちでネコババしてしまうのであろうなぁ〜・・・・。
私が青少年の頃は、7〜8割は届けられていたものだが・・・・。
50年前は、正義が純粋に生きていた時代だったのかなぁ〜と思う。
青少年の正義感だけでなく、社会にも正義感は生きていた様に思う。
今は”正義”等という言葉を吐いただけで、馬鹿にされそうな時代である。
社会が複雑になりすぎて、何が正義か論じるときりがなくなるが・・・・。
人として愚直な正義は死ぬまで持ち続けたいと思っている。
6月26日(土曜日) 雨
6月27日(日曜日) 雨