ホアンと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                                   愛子 記

9月11日(火曜日)『K−1練習日ejercicio lucha cuerpo』
先日ホアンの帰宅時間について話し合ったのが、功を奏してか、昨日は珍しく
7時半過ぎ帰って来た。
学校が終わって真っ直ぐ帰って来たのだろう。
さてさていつまで続く事やら・・・・やっぱり心配な私たちである。

今日の様にK−1の稽古だとわかっていれば、安心して夕食も待ってやれるのだが・・・。
先日、「水曜日はカラオケにクラスメートみんなで行くんだ」と言っていたホアンだったが
アンケートを取った結果、明日行けない人が多くて、22日という事になったらしい。
ホアンの語る2年2組の生徒は結束が固く、みんなとっても仲良しらしい。
夏休みにホアン達がカラオケに行ったり、花火をした写真を皆が見て、行かなかったクラスメート達が口々に
「行きたい!行きたい!」というので、クラスメートほぼ全員の行ける22日という事になったらしい。

海に行って、花火をして、カラオケに行くと言っている。もう秋なのに、海??花火??
カナダのスチュアート君や、留学から帰ったクラスメート等、皆行くそうである。
「みんな、みんな会いたいんだ」と言うので、「クラスで毎日会ってるでしょうに・・・・」と言うと
クラスの外で皆楽しみたいんだ・・・・と言う。
ホアンが上西先生も呼ぼう!と言ったら、『ホアン!それ ダメダメ!!』と止められたそうである。
『どうしてー??コロンビアでは、教室を出たら、先生も肩組んだり、ビール一緒に飲んだりするんだよ!』と
先生も仲間に引きずり込みたいホアンである。

LPの方から電話がかかる。
今度の日曜日16日にYMCAでホアン達留学生は自分jの国について、スピーチをしなければならない。
ちゃんと、準備しておきなさい・・と言われている。
『僕、学校でもスピーチがある・・・・どうしよう』当惑のホアンだ。
3分〜5分なんて、長いよー!!
[ぼーくーのーなーま−えーは、ほーーあーーんーーでーーす」って、ゆっくりゆっくり言おうかな〜??と
おどけている。冗談を言ってる場合じゃーないよ、ホアン!!。
YMCAのいスピーチは結構沢山の方が聞きに来られるかもしれない。
ホアンのクラスメート、越君や由也君達も着てくれるといいのにな〜!!

高校では、『安芸府のスクールライフ』について、
YMCAでは『自分の国について』がテーマなので
それぞれに考えなければならない。またまた爪を噛むホアンである。
(彼はナーバスな状態の時はいつも、指を口に持っていっている。爪を噛む癖があるホアン??)

                                                  

日本に来た当初、お風呂上りのホアンの指を何気なく見ると、全部の指先がまるで、水虫になったように
皮がむけて真っ白だった。私はびっくりして『その指はどうしたの?水虫なの??』って聞いた事がある。
ホアンが何も言わなかったので、てっきり水虫と思い込んでいたのだが・・・・。
どうやら、これは彼の癖で、不安な時とか、何か神経質に物事を考え込んでいる時、
指の皮を歯でむしる癖が有る様だ。
そんな意味で、根っから明るそうに見えるが、反面、線の細い感じもするホアンである。

今日も久しぶりに話がはずんで、11時半を過ぎている。
ホアンも2学期からは、自分でもつとめて早く寝るようにしている。
朝起こすのに、てこずらなくなったのもそのせいだろう。
とはいっても、ちょっと遅れそうになると、「おかさん!車で一緒に行きたい・・・」と
恨めしそうな目で私をみつめるホアンである。
9月12日(水曜日)『カラオケへ』
『水曜日に空手に来なさい』とK-1の松本先生から言ってもらったホアン。
水曜日は主人は謡、私はリズム体操の稽古なので、ホアンも空手で遅くなれば、
みんな10時頃の帰宅となる。

帰ってリズム体操に出かける前に、夕飯の支度を急いでいると、7時過ぎホアンから電話だ。
「おかさん、今ホアン、カラオケ」と言っている。
という事は、今日の空手の稽古はどうなったんだろう・・・?行っていないんだな〜・・・。
ちょっと、気持ち悲しくなったけれど、『わかった、おかさんリズムの稽古だから、もしホアンと
一緒に帰れるようなら、バス停の所に10時頃おいで、一緒に帰りましょう・・・』と伝えて
電話を切る。

ホアンは私の携帯をもっているので、また電話してくるだろう・・・。

リズムの稽古が終わったので、主人の携帯を私が持って来ているので
電話してみる。「まだ、カラオケ」と言っている。
「おかさん、先に帰るから、最終バスの乗り遅れないように、帰りなさい」と伝えておく。

家に帰り、主人に「ホアン、空手行ってないみたい。カラオケよ」と言うと、
「ふ〜ん・・・」と彼もガッカリした様子。
というのも。先日K-1の松本先生から『水曜日の空手の稽古も来なさい』と好意で言って頂いた
最初の水曜日なのに、カラオケに行ってしまって、教室はすっぽかしてしまった。
その事が少し悲しかった。主人は『もう言うな、ホアンがそうしたいんだから、後は本人の気持ちだ』
言っている。ホアンだって、カラオケと空手どっちかといえば、友達と楽しくカラオケの方を
選んだ気持ちはよくわかる。
先に食べよう!と遅い夕食を2人で食べる。

私がお風呂に入っている間、ホアンが電話して来たらしい。
いまからバスに乗って帰ります・・・と言ったそうだ。今は10時半だ。
主人は『先に寝る!』と言って二階へ上がってしまった。

片付け物をしたり、洗濯をしてホアンを待つ。外に出てみると、小雨が降っている。
ホアンの帰りそうな時間をみはからって、傘を片手に迎えに出てみる。
歩いて歩いて、10分位。家とバス停の半分位の所に来た時、ホアンが早足に歩いて
こっちに向って来る。『あ!おかさん・・・』と立ち止まる。
傘が赤いので、よく見えなかったらしい。
2人で歩いて家路を急ぐ。
「おとさん、もう寝ちゃった・・」と言うと、悪そうな顔をするホアンである。

「お腹空いた〜!!」の一言。おかずを温めて夕ご飯を食べさせる。
空手に行かなかった事については、もう何も言わずにおいた。
ホアンも友達と目いっぱい遊びたいのだ。

それにしても、今ホアンはとっても学校を楽しんでいる。(Juan disfrutare de le colegio)
友達と話したり、歌ったり,特にホアンはカラオケ大好き!楽しくて仕方が無い様子だ。
安芸府に行って良かったね、ホアン。

反面、カナダから来たスチュアート君は(un alumno viene de Canada)今とっても国へ帰りたがっているそうだ。
彼の住んでいる所は、大変田舎だそうで、鳥の鳴き声、自然が沢山、のんびりしたところらしい。
日本の様に、扉を開ければ隣の窓!・・・と言った状況は耐えられないらしい。
ホアンも、今になって心の内を明かしてくれたけれど、
2〜3ヶ月位まで、とっても帰りたかった・・・』そうである。
コロンビアの友達が電話して来てくれた時も、そんな気持ちは一杯だったけれど、
『僕は絶対に帰りたいという言葉は一言も言わなかった!』と打ち明けてくれた。
スチュアート君も頑張って欲しいと思う

9月14日(金曜日)『ポリープ除去』
今日は朝から主人は記念病院に大腸ポリープ検査の為出かけた。
一昨年の検査で癌化寸前のポリープを3ケ内視鏡で除去した。
その時、「まだまだ予備軍が次々に出来ている」と言われ、その後半年に一度
検査をしては、熟していると、切除してもらっている。
今回も検査で『まだ、切らなくていいでしょう』と言われれば、切除は見送り、
『切りましょう!』と言われれば、一日病院泊まりとなる。
どちらにしても、一日前から、食事制限をして、当日までにはお腹を空っぽに
しておかなければならない。

朝少し寝過ごしたので、朝ホアンと一緒に安芸府高校まで行く。
『おとさん、ポリープの検査。一日入院かもしれない・・』と言うと
「え〜??じゃー明日パラグライダーは??」とホアンは面白くなって来たパラが
気になって仕方ないようだ。
「おとさん、飛べないけど、たぶんホアンと一緒に練習はして下さるわよ」と言うと
安心した様子だ。

夕方に近くなったころ、『やっぱり切られた!』とポリープを内視鏡で除去したので
病院どまりだと、主人より電話ある。
「じゃー帰りに、パジャマや必要なものがあれば持って行くから・・」と言っておく。

今日は金曜日なので、ホアンはK-1の練習がある。
夕方はゆっくり出来るので、仕事を終えて、7時過ぎに記念病院に行く。
担当の先生が、「切らん積りだったのに、切ってしまってすみませんね〜・・・」と
言われたよと主人。「もうこれで後は無いん??」と聞くと、ポリープの出来やすい体質らしく
まだ予備軍があるらしい・・と言っている。「やれやれ、やっかいな事ねー・・・とあわれむ私。

ホアンが稽古が終わるのが、9時なので、病院を出て広島駅近くにあるホアンのK-1道場に寄る。
道場の前で9時まで待って出てくるのを待ったが、5分過ぎたのに出てこない。
”またカラオケにでも行ったのかしら??!”と稽古場まで行って聞いてみる。
ところが「ここではありませんよー」と言われてしまった。
あわてて、教えて貰った近くの道場に向う。教室に上がって見ると、居た居た!!先生がホアンに
稽古を終えて何か話しかけておられた。
先生にご挨拶をすると、『なかなか熱心に頑張っておられますよ。コロンビアに帰っても
役にたてばいいですね・・・』とホアンに期待されている様子でうれしくなる。
背中越しだったホアンが私を見て、「あっ!おかさん!」とにこにこっとする。

『おっす!!』の言葉で皆さんに挨拶をして、道場を後にする。
「おかさん、病院の帰り。おとさん手術済んだ。今晩ワンステイよ」と伝える。
車にセットしたラテンの音楽を聴きながら家に急ぐ。

ホアンとニューヨークトレイディングセンタービル爆破テロのニュースを見ながら
買って来たにぎり寿司で夕食を食べる。
ホアンはK-1道場に行く前に時間があるので、道場近くのインターネットカフェに行って
コロンビアから来る家族や友達からのメールチェックをしている。
彼の親友で、兄弟同然に育ったヨルダン出身のアムジャから、メールが入っていて
彼は今ワシントンの大学に通っているが、今回の爆破テロの影響で、彼がヨルダン出身という事で
外に出ることが出来ないのだそうである。

やはり何処の人間世界でも同じなのか、”坊主憎くけりゃ袈裟まで・・・・”で彼に危害が及ぶ事を
避ける為、学校側の配慮らしい。
それにしても、あのビル爆破の瞬間の映像は瞼を閉じていてもはっきりと頭の中に浮かんでくる。
まるで映画そのもののシーンで現実とは想像し難いものである。
テロというものがこの世から無くなるという事は考えられないのだろうか・・・・。

私の習っているお花の教室の外人クラスの生徒さんの中にも、あのトレーディングセンタービルで
”自分の娘が働いていて、まだ何の音沙汰も無いのだ”と、途方にくれている方がおられる。
その心中は察するにあまりあり、言葉のかけようが無い程悲しくて、テロに対しものすごい憤りを感じる。

テレビを見ていたが、K-1で疲れ果てたのだろう、うつらうつら転寝をするホアン。
外は雨模様。天気予報は晴れということだが、主人の帰りもそう早くはないだろう・・・。
明日は少しゆっくり寝れる。「ホアン、おやすみなさーい!!」

9月15日(土曜日)『荒槙で立ち上げ稽古』
朝方4時頃ちょっと目が覚めた。外はざぶざぶ雨の音だ。
沢山降ってる・・・と思いながら、うつらうつらと又寝てしまった。

電話のベルで目が覚める。「松代玲子さんが、ホアンのハーネス使って下さい」と言って
電話してきてくれる。
時計を見ると「あらっ!もう10時過ぎている。ちょっと寝すぎちゃった」とあわてて起き上がる。
あれほど、じゃぶじゃぶ降っていた雨もあがったようだ。日が射しはじめ、すこし蒸し暑い。

洗濯をしたり、掃除をして、近くの家に回覧板を廻しに出かける。
帰ってみると、主人の車が帰っている。『ありゃー!もう帰って来た!!』
居間では、パラに行こうと支度をしている主人。病み上がりだというのに、どうだろ!!
「今行っても、荒槙は足元ぐじぐじでダメよ。もう少し遅くてもいいんじゃーない??」となだめすかす。
もうお昼だし、ホアン起こして昼食食べてから出かける事にする。

チャーハンを作ってホアンを起こす。
ホアンも手術しだての主人がパラ指導してくれるとあって、性根が入っている。
勇んで荒槙へと向う。
途中神の倉に寄ってみるが、誰も居ない。沢山雨が降ったし、風も強そうなので
パラキチの皆さん見合わせているのだろうか??

荒槙でも誰一人居ない。草むらも夕べの雨でまだ乾ききっていない。
足元の良さそうな場所を見つけて、立ち上げ稽古を始める。
ホアンひとりやらせるのも、可愛そうなので私も付き合う。
風はすごく強い。場所によっては吹き飛ばされそうである。

   ヒャッホ〜!!浮いた、浮いたぁ〜!!volar!!    ほら!ホアンの足どろだらけー!fangoso sa lodo!

ホアンはこの強風を楽しんでいる様だ。走っては少し浮かぶ、走っては浮かぶを繰り返し
奇声を発している。キャノピーが片方潰れると、ポンピングを2回繰り返しちゃんと直している。
すばらしい!!どこで覚えたのだろう?さすがホアン・・と感心するばかり。
もう足元の心配なんかしちゃーいられない。スニーカーもズボンも泥もぐれである。

   おかさんと僕どっちが上手〜?Cual le bueno, la madre o el Juan?    ほら!ほら!うまい、うまい!!Bueno!!

   ホアンったら!おかさんまで引っ張っていかないでー!!Hoy hace mucho viento!    ひょいっと!どうだ!!vigoroso Juan!!

   う〜ん!風にひっぱられちゃっうよー!!fracaso a veces.    おとさん!風とダンスね!bailar con viento!

ホアンも時々強い風にあおられ引きずられている。遂には私まで巻き込んで引きずられてしまった。
ホアンはきゃっ!きゃっと笑い転げ楽しくて仕方無い様子。
どんな風ももう怖くない!っといった様子。やっぱり力があるし、たいしたものだ!
”楽しい!楽しい!”を繰り返している。

   ほら!自由自在だよ!perfecto!!    見よ!”ホアンの真剣な顔・・・。ejercicio en serio!

   やっぱり、おかさんよりホアンの方が上手!!bien formado!    やったね!泥まみれね・・・。esta sudando!!

一時間半風と遊んだ。そろそろ帰ろうか!!泥もぐれのホアン、今度はスーパー銭湯が楽しみなのだ。
荒槙から帰る途中、神の倉に寄ると、倉田さん、児島さんがおられた。
どなたかが、スタチンして回収をされていたそうだ。
今日の神の倉はあまり風は良くなかったと言われていた。それでも1本は飛ばれたとか・・・。

さあ、スーパー銭湯へ寄って帰りましょう・・・。
手術後の主人は「お風呂の長湯はしないで下さい!」と病院から術後の注意書きをもらって来ている。
夕食をそこで済ませ、”今日は1時間だぞ!”と言いながら、2人共お風呂に消えて行った。

明日はホアンはAFSの行事で市内YMCAでコロンビアについてスピーチをする予定だ。
平和教育の時の感想文を書く時も同じだが、ホアンはエンピツを持たない。
書くホアンを見た事が無い。おしりに火が付いてもまだ、うじうじと言っている。
明日のスピーチも全く考えていない様だ。だいじょうぶ?ホアン。
何とかかなるさ!!って思っているんだろうな〜・・・。

クラスメート女の子や越君由也君呼ぶよ!と言ったら「ちょっと、ちょと・・・」と困った顔をするホアン。
さてさてどうなる事やら・・・。
9月16日(日曜日)『AFSのスピーチ hablar de Colombia』
今日は市内YMCAでAFSの行事、『留学体験発表会』 がある。hacer publilico de la ectudia
午後一時半開始だが、一時間前の12時半にYMCAに行かなければならない。
ぐずるホアンをなだめすかして起こす。
主人はとっくにパラグライダーに行ってしまった。ホアンもおとさんに付いて行きたがったが
そう言うわけにはいかない。スピーチが無事終了したら、連れて行くと約束する。

決して書く事はしないが
頭の中では、何を言うかは考えているはずだ。・・・と私は思いたかったのだが、
当のホアンはどうも不安そうである。
お昼ご飯を食べさせて、おっとりしているホアンをせきたてて出かける。
急がないと、もう12時15分だ。
いつもの如くシューマッハの私はぶっ飛ばしてYMCAに向う。家から飛ばせば20分位で着く。

やれやれ、どうにか12時半過ぎには到着出来た。
一階フロアーにマレーシアのポークーンやラトビアのアグネッセが座っている。
支部長の堤さん夫妻もおられ、ほっとする。

ホアンは前に留学生会館で日本語の勉強を一緒にしようねとポークン達に誘われたのを
すっぽかした為、彼女達はかんかんに怒っており、冷たくあしらわれている。
行くと言ってすっぽかしたのか?、私には『学校が何時に終わるかわからないので、
行けるかどうか分からない』と僕は言ったんだと説明していたけれど、ここまで2人に冷たく
されているのをみれば、どうやら行くと言いながらすっぽかしてしまったのかもしれない。

   約束すっぽかしたので、ホアン嫌われちゃった!!las amigas AFS    ラトビア アグネセとマレーシア ポークーンです。Malaysia y Ratobia

   おかさん 若いね!Con Madre de Juan    ホアン君 ちょっと太ったんじゃない?Jefe de Fukuoka

今日はホアン達留学生が自国についてスピーチをする他、留学を終えて帰国した3人の
体験談も発表される。
さらに、これから留学を予定している人や、すでに試験にもうかり、留学が決定している生徒も
おられるそうだ。
福岡支部の大山所長さんのご挨拶と司会進行で進められる。
留学を終えて帰国した3人の女性の体験発表は楽しかった。
まず、タイに留学されていた藤澤のり子んとフィンランドへ行かれた池田かおりさんの体験談を聞く。
最後にボリビアへの留学経験を話される高味すこやかさん。
彼女達の話は聞いているだけでも、楽しくすごい経験をされたんだーと興味深く聞いた。

   AFS福岡事務所の大山所長・・・。    私はタイへ一年間学留学しました・・・。ella habla de Thailand

   私はホアン君の居る中南米 ボリビアに行っていました。Yo hablaremos de Bolibia    私は超マイナーな国 フィンランドへ留学しました・・・。Yo fui Finlandia.

3人の話が終り、しばらく休憩の後、いよいよホアン達のお国自慢スピーチが始まった。
まずマレーシアのポークーンからだ。
彼女はまずハンカチの大型版にマレーシアの地図が書いてあるものを広げる。
”マレーシアはここです”と説明。そしてマレーシアの国旗も見せている。
国は一年中暑い暑い!彼女の住んでいるところは首都クアラルンプールから少し入った
     という所。彼女の日本での体験で、自分の家に帰るバスを乗り違えてしまった時
乗ったバスの運転手さんが、終点まで行った後、わざわざ彼女を自分の車でホームステイ先まで
おくって下さった・・・。という話をして、とても感謝しているとスピーチしていた。
そういう体験がひとつでもあると、彼女達の留学経験は豊かなものになり、私たちも嬉しくなる。

ラトビアのアグネッセも自分の国の地図や絵はがき、そして地元の新聞に彼女の日本での
ホームステイの様子や、夏のゆかた姿の写真が掲載されたものを持って来て
お披露目してくれた。

   私の国ラトビアはとってもきれいよ!    これ マレーシアの旗ね!

さあいよいよホアンだ!名指しされ前に進むホアン。こちらの方が緊張してしまった。
まず導入部だ。コロンビアの季節は一年中暑い暑い。どこも一年を通して同じ。
でも首都ボゴタは高地なので、寒い、寒い。
だから服もいつも同じもので良い事。食べ物は毎日お米を食べるけれど、日本と違って
ぱさぱさなので、お箸では掴めない・・・としぐさで表現する。
ホアンは半分は小泉首相ばりにパフォーマンスがどうにいって面白い。
それもスピーチのひとつのテクニックだと思う。みなさんを結構引きつけている。
彼は日頃から身振り手振り豊かに表現するので、板についている。

黒板にコロンビア地図をさらさらっと上手に書く。
週末のパーティ・パーティの話もしている。これもコロンビアでは当たり前の事らしく
それが大変楽しみだと言う事。ダンスをしたり、歌ったり、お酒を飲んで朝まで騒ぐのだ。
だから、日本に来た時、そんな事が全然ないので、毎日退屈してしまったとスピーチする。

そして、自分が日本語が出来るようになったきっかけは夏休みの海のせい!と皆さんを引き込む。
クラスメートと海へ行き、泳いだり、花火をして楽しんだ事、その事が日本語
の上達にすごく役立った事を話す。

ホアンはクラスの人気者なので、みんなホアン!ホアン!と言って彼を誘うのだ。
私たちもホアンが言うように、夏休みを境に家での会話はいつのまにかスムースになり
日本語だけの主人も今では何の支障も無く、日本語でホアンと会話をしている。

今ではクラスメート5人が自分の一番大切な友達である事。
けれどその中のジョー君というアメリカからの留学生が夏休みの間に国へ帰った事。
その事は少し淋しいとスピーチする。
ホアンのスピーチは皆さん引き込み、次にどんな話をするのだろう?と思っていたその時
スピーチは終わってしまった。尻切れトンボになってしまった。

多分聞かれていた皆さんも同じ思いだったのではないだろうか??
ちょっと準備不足のせいで、あと何を言っていいかわからなくなったんだ・・・と言っていた。
ホアンの話は身びいきかもしれないが、話す”間”もよく、皆さんを引きつけていたように思うので
もっと文章構成を踏み込んで考えていてくれたら、すごく楽しいスピーチだったと思った。

僕は地図とか、パンフレット何にも持って行ってなかったから・・・と言ったので
『ああ・・私がもっと気を利かせて持って行けば良かったな〜・・』とホアンに申し訳なく思った。
全くのスピーチだけするのだと思っていたので・・・ホアン、ごめんね。

   コロンビアでは週末は必ずパーティ!パーティ!だよ。? ?Donde esta el Colombia?    日本に来た最初はな〜んにもする事無くて退屈!退屈!ヨ Yo aburrido no tengo guateque...

   でも夏にクラスメートと海行った、花火もしたよ!Yo hice muchos amigos    夏休みの前頃は、ちょとコロンビアへ帰りたかったよ・・・。

   でも、ホアン今はとっても帰りたくない気持ち!!deisfrutar de la vida en Japon    でもここコロンビアでおとさん、おかさん達ちょと淋しいって・・・・。cerca de ecuador

大山所長様から、私のホームページの事をピーアールして下さった。
ホアンとの体験を沢山の方々に知っていただく事はとても嬉しい。
今日は私は始めてこのような場にホアンのお陰で居させて頂いた。
そしてAFSを通して沢山の留学生が行き来している事を改めて知った。
今の社会はグローバル化で若者達の目はどんどん海外に向けられている。
今日のホアンのスピーチも本当はクラスメートの皆さんを沢山呼んでくればよかった・・・と悔んだ。
そうすれば、多分安芸府のホアンのクラスも国際科だし、興味をもってくれる生徒は
必ず沢山いたはずだと少しピーアール不足を残念に思った。

スピーチが終わると、ホアンは早々に『おかさん、帰ろう!帰ろう!』と言う。
「ちょっと待って、おとさんにパラグライダー出来るかどうか聞いてみるから・・・」と携帯にかけてみる。
主人は、風が強いし、今から来てもあまり良くない・・・と言っている。
ホアンに伝え、それじゃー!と駅前のスターバックスコーヒーに行く事にした。
キャラメルカプチーノが私は大好き!ホアンはチョコレート。
ケーキと一緒に食べながら、ホアンは早く家に帰りたがるので、コーヒーカップを
持ち歩きながら帰る事にした。

有料道路をまたまたシューマッハでとばしていると、携帯の電話だ。
主人から「おいでって」ていう電話かな??と思って出てみると、クラスメート
由也の友達で砂田君からだ。
ホアンを訪ねて我が家に来ているらしい。「後5分位で着くからまってて!」と伝え急ぐ。
車のテープレコーダーは砂田君の吹き込んだ『君に会いたい!』と言う曲が
ボリュームアップで流れている。
家の前で、砂ちゃんが原君という友達を連れて待っていた。
「出かけてて、ごめんね、さあ入って!入って!」と招き入れる。
彼はすっかりホアンと意気投合していて、ホアンに沢山の日本語も噛み砕くように教えてくれるそうで、
ホアンもとても砂ちゃんが好きだ。
ホアンも突然の友達の来訪に嬉しそう。

昨日、荒槙牧場で強風の中、パラグライダーの立ち上げ稽古をしてのを見てほしいホアンは
ビデオを入れ、『見て!見て!』と自慢そうに砂田君達に見せつけている。
一緒に話したり、お菓子を食べたり、ギターを弾いたりして時が過ぎる。

外も薄暗くなり始めた頃、主人の帰宅だ。
ホアンはさっと外に出て、主人のキャノピーを持って中に入ってくれる。
彼らとおしゃべりしていたので、夕食の支度は何にも出来ていない。
どこかに食べに行きましょう!と誘うと砂ちゃんはすごく悪そうに遠慮する。
主人のいいから!いいから!の言葉に「じゃー、すみません!」と言い
みんなで府中の方のトンカツ屋さんに出かける。

皆さんお腹も膨らんだので、ここでお別れね。またいらっしゃい!と言葉をかわし別れる。
ホアンのスピーチは自分でもいまいちだったなと思っていたようだ。
ホアンはシャイなので、カラオケに行ってもマイクを持って歌うのは苦手らしい。
今日のスピーチもすこし恥ずかしそうだったが、来週学校でまたスクールライフをテーマに
スピーチすることになっている。今度はきっと上手くいくに違いない。

主人が今日撮ったビデオを見ながら、スピーチの組立は起・承・転・結だぞ!と教えた。
頭のいいホアンはそれがどういうことかを教えると、すぐ考え「お〜!」と言っていた。
9月17日(月曜日)『学校欠席no ir a la escuela
夕べは12時には寝たホアンだったが、朝起こしても起こしても起きない。(Juan levantarse tarde)
何だか、ベッドに磁石が付いているみたいに、全然揺すってもたたいても起きてくれない。
揚句の果てには、「学校休むのね!!」と言うと「こくん!!」とうなずくホアン。
もういいや!私の出かけるまでに声をかけた回数は50回以上。
私は病的なホアンを諦めて、会社に出かけた。3時頃には起きて唖然とすることだろう・・・。

ついこの間までホアンは一生懸命起きるんだ!と言う気持ちが顔に表れていたのに・・・。
少し最近のホアンは変だ。
何か有れば会社に電話してくるだろう・・・とほっておく。

夕方早めに帰ってみると、ホアンはギターを弾いている。
学校に行かなかった事を私は怒っている訳ではないが、私の気分も浮かない。
「ホアン、今日学校いきたかった・・・でも起きられなかった。おかさん怒ってる?」と聞く。
「おかさんはかまわないの・・・これはホアンの問題」と私は一言だけ言った。

最近のホアンは絶対学校休みたくない・・・と思っている。それは空手クラブの件も片付いたし
夏休みを境にクラスメートとぐっと打ち解けて来た。それは日本語がだいぶわかってきた事で
会話をすることが楽しいのだ。

だから今日学校を休んだ事は、本人にとっても残念な事だったようだ。
『やっぱ、水をぶっかけて起こさなければならないの??』
でもそれは絶対私には出来ない。やっぱり私が甘やかしてるのかな〜!!

夕食を終え一休みしていると、クラスメートから『ホアン、どうして学校休んだ!!』と電話ある。
『ずる休みだろう・・・!』って言われている。
ホアンは人気者なので、ホアンが居ないとクラスは火が消えた様な状態らしい。

ホアン明日は絶対起きてよね!!
スピーチも有るしね!
9月18日(火曜日)『K−1で足を!!
今朝は私も性根を入れてホアン起こしにかかる。昨日も事もあり、ホアンも頑張って起きてくれる。
今日はk−1の練習日でもあるので、学校のリュック、K−1のカバンと二つを肩に掛け
出かけて行った。


秋風が吹き、朝晩肌寒くなってきた。ホアンは今の季節大〜好きとウルウルの目で言う。
それでも、私たちにとっては何故〜!!と思う位の気温でもホアンはぶるぶる震える程寒いと言う。
主人と囲碁をしながらでも、裏が毛布生地のジャケットを羽織ったりする。
やれやれこんな事では、真冬はホッカイロを体中に張り巡らせないといけないな!。

ホアンのスピーチの事が気になった。
今日はk−1の練習日なので、ホアンの帰りは10時過ぎだ。

ホアンのスピーチが素晴らしくて、例のエンタティナーぶりで、皆さんに大受けならば
それをホアンに言ってやれる!と思った私は、ホアンの帰りを待っていられなくなった。
越くんに夕方電話して聞いてみる事にした。

すると・・・・「今日ホアンのスピーチ無かったよ!」と言う越君。「どうして??」 

今日は二年一組と二組が国際ホールに集まって、夏休みに何をしたか?を発表したのだそうだ。
ところが、結局時間が足らなくて、ホアンのスピーチまでいかなかったそうだ。
『なあ〜んだ!!』と瞬間私はがっかりする。ホアンもきっと『いつ呼ばれるか?いつ呼ばれるか?』と
思っていただろうし、ちょっとがっかりしただろうな〜・・・・とK−1から帰ってくるホアンの表情に
思いを馳せる。

ホアンの帰りを待って、テレビ等見ていると、『ただいま〜!!』と居間に入って来たホアンは
びっこをひいている。顔が痛そうに引きつっている。
『どうした〜!!』と主人はホアンを見るなり様子を聞く。
ホアンが言うには、稽古の時間もほとんど終りに近い頃、組んだ相手の人に足で蹴りを入れたら、
相手の人が膝でそれをガードし、その膝坊主の骨をホアンの足の甲で思いっきり蹴ってしまったのだそうだ。
その時は痛みを感じなかったそうだが、終わって歩き始めた瞬間激痛が走り、
(それでも、先生やメンバーには、びっこ姿は見せず)段々痛みがひどくなり、
びっこを引きながら帰って来たそうだ。

見ると、足の甲そのものは、貼れたりしてはいないが、結構痛そうにしている。
じーとしていると何とも無いそうだが、立つ瞬間、足に力を入れるので、”あ〜!!痛い””と言う感じらしい。
たちまち、冷蔵庫からシップ薬を出し、足の甲に貼る。
明日にでも一応外科病院でレントゲンを撮ってもらおうと話合う。

夕飯を一緒に食べながら、『今日のスピーチはどうだった?』と主人。
「きょう、スピーチ無かった!」とホアン。
主人は『どうして!!』と目を丸くしてホアンに尋ねる。
夕方越君に聞いて、スピーチの時間が無かった事を聞いていた私は
結果が良かったら一緒に伝えて喜んでやろうと思っていたが、無かったと聞いたので
その事を主人にも伝えなかった。

それでも、ホアンの性格は素晴らしいといつも思うが、面白ろ可笑しく笑い飛ばしている。
「ホアン!」といつ呼ばれるかと思っていたけど、ずーとずーとないので、吉君と「ねましょ!寝ましょ!」と
ずーと下を向いてうたた寝したよ!・・・だそうだ。

スピーチが無くなってほっとしたような、でも、『ああ言おう、こう言おう』とホアンなりに考えていたので
無いとなると、ちょっとがっかりもしたようだ。
「せっかく考えたのにな〜・・・!」と主人が慰めると、「だいじょぶ!だいじょぶ・・」とニコニコするホアンである。

今日は足が痛いだろうから、温めない方がいいよ!とシップを替えて、寝相の悪いホアンなので
しょうしょうでは湿布がはがれないように、包帯で足をぐるぐる巻きにして休ませる。

ホアンも大げさにびっこをひきひき二階へと上がって行った。

9月19日(水曜日)『レントゲン撮影!
今週土曜日は安芸府の体育祭だ。
毎日ホアン達はその練習に明け暮れている。こんな時に・・・足を痛めてしまったホアン!!
皆さんにもきっと迷惑を掛ける事になるのでは・・・・と心配。

それはともかく、今日学校が終わったらレントゲン撮ってもらいましょう・・と話をする。
ホアンに携帯を持たせ、学校が終わったら電話入れるように言っておく。

4時過ぎホアンから「おかさん、遅くなってゴメンなさい。ホアン帰れる・・」と電話ある。
急いで、学校へ迎えに行き、門のところで待つホアンを連れ、昨年主人の入院した事のある
府中のスガタ整形外科を訪ねる。

事情を説明して、レントゲン撮影してもらう。
先生の説明は、『撮影写真をみる限りでは、骨には異常有りません』との事で一安心する。
しばらく無理をしないようにすれば、治るでしょう・・・。との事でそのまま自宅へと帰る。

今日学校で皆が”だいじょうぶ?だいじょうぶ?とホアンの足を心配して、
階段の上り下りでは、クラスメート達がホアンに肩を貸して、支えて皆が助けてくれたんだよと
嬉しそうに話すホアンだ。

「今日は私はリズム体操の稽古だから、夕食の支度をして出かけるわね」とホアンに言うと
『おかさん、今から由也の所行っていいですか?』と聞く。
「おかさん、出かける時、僕連れてって、帰る時迎えに来て・・」ととんでもない事を言い出す。
いくらなんでも、それは許す事は出来ない・・・・と思い、「それはダメ!」と言うと
「でもホアン、おとさん、おかさん帰るまで一人・・・」と下から見上げるような、恨めしい顔で私を見る。
ホアンの為には何でもしてやりたい私だが・・・・こればかりは!
「ホアン、由也の所へ行く事は悪いとは言いません。でもその足でウロウロする事は
私もおとさんに聞いてもダメと言うでしょう・・・」
と言う。
それに時間的にも、由也の所へホアンを連れて行くような暇は無い。
「おとさんも謡から早く帰られるから待ってて頂戴!」と言うと、ホアンは自分の為に主人を
早く帰らせると勘違いしたようだ。「おかさん、もういい!ゴメンなさい。おとさんに電話だめ!!
絶対しないで、もういい!」と平身低頭で謝るホアンである。

こんな足の状態では、こうするのが一番なのだ。ホアンをなだめすかす。

一人で淋しいというホアンに、息子達が小さい時、孫の為にと、おじいちゃん達が買って下さった
天体望遠鏡が組み立てられないまま、タンスの上で眠っている。
そうだ!こんな事の大好きなホアンだ、しばらくいい子して望遠鏡と遊んでくれるだろう・・・と思いつき、
今なら云十万はするだろう大きな天体望遠鏡を引っ張り出してきて、
ホアンに組み立ててくれるように頼む。

私の案は成功。すぐに興味を示し、一生懸命組立始めるホアン。
ホアンは頭がいいので、こんな難しい物を組み立てたり考えたりするのは大好きなのだ。
主人が帰ってくるまで、これをオモチャに遊んでいるだろう・・・と私はリズムに出かける。

リズムの稽古が終わって帰ってみると、主人と仲良く囲碁に興じていた。
レントゲンの結果を主人に報告すると、主人も一応に安心の様子であった。

9月20日(木曜日)『体育祭の予行演習?
今日は勉強はありません・・・というホアン。じゃー体育祭の予行演習なんだろうなーと考える。
ホアンは足を痛めているので、先生に言って見るだけにしたらどう?と言っておく。

ホアンの2年生は集団演技の組体操をするようだ。
ホアンは大きいので、ピラミッド等では、下の土台の位置だから、どうしても踏ん張る必要がある。
やはり足に負担がかかる。
ホアンの出場する種目は他に何がある?なんて聞いても「よくわからない・・・」と何だか
こちらもよく分からない答えである。
走るの?と聞くと、「ノー・・・走るは嫌い」とホアン。走る時顔が、めちゃめちゃの形相になるから
嫌なのだそうだ。何を選ぶか紙が廻って来た時、走るは絶対ダメ!と断ったとか???
いつも美男子で居たいホアンなのか??

それにしてもホアンの走る姿は想像出来ない。多分このような類はにぶいだろうと想像出来る。
パラグライダーでは抜群の運動能力を発揮するホアンなのだが・・・。