ホアンと稲垣夫婦のホームステイ日記

7月11日(水曜日)無事生還
朝近所のおくさんが心配して来て下さる。
なんだか恥ずかしかったが、いちおう一部始終を報告する。
夕べは一応病院へ一泊した主人、パジャマ姿のままタクシーで会社に
帰って来た。第一声は「タクシーに金払っといてくれ!」である。

きのう大騒ぎした主人であったが、病院で看護婦さんが
「あなたはほんとに生き運の強い方ですねー」と言われたそうである。
良くテレビで『九死に一生』という番組を見ることがあるが、今回の件は
主人も自分で本当に運が良かったと思う・・・と言っている。

それはまず第一に、市内の耳鼻咽喉科の病院の当番医がたまたま居なかった事。
第二に”広大救急病院”に運ばれた事。

そして広大医学部のICUで全身麻酔で異物の除去をして下さった事。
もし耳鼻咽喉科医院でで、異物の除去の為、鼻や口から器具を使っていつまでも
つつかれたり、吸引方法でやられたりしていたら、うまくいかないで、
多分自分は生きていなかったかもしれない・・・と言う。
広大に行ったお陰で、最悪異物が気管へ落ちて行っても、喉の切開手術で
なんとか命だけは取り留めるだろうと・・・とそんな事が考えていたそうである。
ともかく今はこうして、いつもと変わりなく仕事をしている事はラッキーである。

昨日救急車で病院に行った為、今日は車一台だ。
夕方一緒に家に帰ると、ホアンがニコニコして迎えに出る。
「おとさん おかえりなさーい」 主人「しんぱい かけたね・・・」と言葉を交わす。

今日の夕食は柔らかいイカのお刺身にした。

ホアンに主人が「びょういんのせんせいの言われたこと、わかりましたか?」と
聞くと「ハイ」と答えるホアン。
「おとさん、きゅうきゅうしゃ!きゅうきゅうしゃ!」「でもおかさん ほんとう?」と
私がすぐ本気にしなかったことを、またまた鋭く追及するホアンであった。う〜ん・・・!

   

今日はジョーとスターバックスコーヒー行きました。とホアン。
クラスでスターバックスの話が出て、ジョーが知らなかったので
彼を案内して行ったそうだ。
な〜んだ、私がお稽古の為早く帰っても、ホアン居なかったので
空手の稽古をして帰ったとばかり思っていたのに・・・・。
一体空手の稽古、どうする積りなんだろう・・・!


7月12日(木曜日)
今年は町内会の班長になっているので、近所の幹事さんのところへ
集めた会費を持っていかなければならない。
幹事さんは、竹を割ったような性格の方で、ずばずばと意見を言われる。
この度の1件も、救急車が来た時、「最初はどこかねー??と言っていたけど、
お宅へ救急車が入って行ったので、『ああーまた、稲垣さんじゃー!』って言ったんよ。
前もあんな事あったよねーと言われてしまった。
でも救急車呼んだのは正解だったよー・・・と言って下さった。
「もう、お肉は食べさせさんな!ミンチ!ミンチ!」と笑われてしまった。

学校から帰ったホアン「今日は疲れたー!」と言って、台所の食卓の下に
もぐってしまった。
そして、顔の上に椅子が来る格好ですやすや・・・。
「ホアン!そこに寝ないの!電動椅子に横になりなさい!」と言うと
「つよしがー!」とさっきまで、夜勤前の息子が座っていたので、
遠慮したのだろう、そういうホアンである。
「もう出かけたわ」と言うと、やおら起き出して、電動の椅子に座る。
そうこうしていると、コスタリカ出身のエリックから電話だ。
20分位、ホアンと話をすると、「おかさん!」と言って私に代わるので話しをする。
エリックがおかさんのホームページのアドレス聞いてるよ・・・とホアン。
「今、すぐにといってもわからない!」と言ってメールアドレスだけ伝えた。
私のホームページにはエリックも度々登場しているので、
見て楽しんでくれるとうれしい。

今日は主人は大阪から仕事先の方が来られたので、夕ご飯は
私とホアンの二人だけ。
ホアンの好きな、スーパー銭湯に行こうと思っていたが、私の帰宅が
遅かったので、「明日にしようね!」とホアンを説得。

夕食を終えて下手な私相手に五目並べをしていると、主人の帰宅。
喜んだホアンは早速主人相手に囲碁を始めた。

もう11時だから、はやくホアン寝かせてね!と主人に頼む。
ほっとけば、いつまででも、囲碁に興じている二人である。

明日は朝練出るのね!と聞くと、「ハイ!」と元気に答えるホアン。
じゃー6時にアラームかけて、ちゃんと起きなさい!
7月13日(金曜日)『ホアン足首捻挫』
ホアンは6歳の頃、木から飛び降りた時、足首をゴキッとひねって折ってしまったらしい。
石膏で固めた状態の後、完治するまで2ヶ月かかったと言っていた。
それ以来、折った足首を常にかばうようになり、ちょっとした段差などでも
いつもコキッとなって、捻挫しやすいらしい。
空手クラブに入る前に、コロンビアから足のプロテクターが届くのを
ずっと待っていた。
ホアンは身長の割に、下半身が特別長いらしい。それは自他共に認めるところだ。
そんな事で、お医者さんに依ると、彼の足の筋は少し弱い傾向だと
言われるそうだ。
だから、ホアンにとって足のプロテクターは必需品だ。

今朝は久しぶりに朝練参加すると言って、7時には出かけて行った。
やれやれ、ホアンもいくらか空手はする気があるんだー!とホッとする。
せっかく日本にきたのに、かこちゃんに「朝練出なさい!」と言われても
なかなか積極的に参加しないホアンに私達は少々いらいらしている。
先日も「かこちゃんとプロミス」なんてうれしそうに言っておきながら
参加したのかと思えば、少し遅れたので朝練には出なかったと言う軟弱な
ホアンである。
「かこちゃん、ホアンの事ビシバシ教育してやってちょうだい!お願い!!」

久しぶりに朝練に参加したホアンだったが、夕方帰ったホアン、
「おかさん!きょうホアン足これ!」と言って、歩きながらびっこをひいて見せる。
「どうしたの〜?!」と聞くと、ホアンが言うには、朝練が終わって、
1時間目の物理の教室に移動する時、階段で足をひねってしまい、転んだそうだ
その時に足首を少し捻挫したらしい。
びっこはひいているが、足首はそれほどひどく腫れているようにはみえなかったので、
とりあえず安心する。
主人が度々使うので、冷蔵庫には山ほど湿布が置いてある。
ホアンの足首に貼り、しばらく安静
にする事にした。

昨日スーパー銭湯に行こう!と言っていたが、充分入りたいホアンには時間が少し
遅かったので、「明日行こうね!」と言っておいた。
ホアンはそれを良く覚えていて「おかさん、今日お風呂行く約束!」と言って
お風呂へ行きたがる。
ところが、ホアンのこの足首の捻挫が問題だ。
医学書を読むと、捻挫の後はあまり温めないほうが良いと書いてある
主人は「今日はお風呂止めといたほうがいいぞー!」と言う。
医学書を読みながらホアンに説明したので、ホアンも神妙な顔をして素直に
お風呂諦める。

せっかく朝練に参加し出したのに、これでまたしばらく、空手の練習は出来ないね〜!!
ホアンに言わせると、「だいじょうぶ!来週には出来る!」・・・と。
幸い明日は土曜日で学校は休みだ。ゆっくり寝せてやろう。
                                         
7月14日(土曜日)
今日もむしむしと暑く、ちょっと動いただけでも、汗がにじみ出てくる。
今朝は近所の方達と、溝掃除の日。
主人は一昨日の”肉喉つまり事件”の顛末を近所の皆さんに説明している。

特にストレッチャーに馬乗りになり、口は半開きの状態で運ばれた様子を再現すると、
みなさんも何となく可笑しいやら、そうかといって、まかり間違えば
葬式沙汰だった訳で、にこにこしながらも、真剣に聞いて下さっている。
この団地の人も、随分御歳の方が多い。やれやれ他人事では無いわ!
と、主人の1件で身につまされる思いの様子である。
そうは言っても、ステレッチャーに馬乗り状態の再現は、本人は、少しでも
動けば、肉が気管に落ち込んでしまう訳で、横になる事も出来ず
想像すれば、やっぱり可笑しく、大いに受けていた。

溝掃除も終わったので、「わしは行くでー!」と元気に神の倉へと出かけて行った。
もう私はホアンのお守役と公認したのか、「一緒に行こう・・・」とは誘ってくれない。
この暑さだ、涼しい家で掃除などしていた方がまだ、ましだ。
そう思いながら、ホアンの起きないうちに・・・と掃除・洗濯を済ませる。
息子も夜勤明けでくたびれ果てて曝睡中だ。

夕べ2時頃まで主人と囲碁を楽しんだので、ホアンはまだいい子で寝ている。
がいささか既に2時過ぎだ。やおら起きて来たホアン。

丁度同じ頃、近くに住む松代玲子さんがいっちゃんを連れて遊びに来た。

10日程前に来た時、いっちゃんはホアンを見て、まだ慣れないので
お母さんの後ろに隠れてしまった。
今日は既にホアンはいっちゃんの頭の中にインプットされていて、少しホアンとの
距離が近くなっている。
ホアンは当然の事だが、こんなちっちゃな子供の場合、どう対処していいか
わからず、ただにこにこと笑顔を返している。
いっちゃんもホアンの事が気になって仕方無い様子。
付かず離れずで、次第次第に距離を縮めているようだ。

                                        

ホアンがギターを弾くと、これまた気になり、じーと見ている。
そして自分も弾いてみようとする。
アイスクリームをたべたり、ゲームをしたりして時を過ごし、いっちゃんと
お母さんは5時頃帰って行った。

夕方主人も目いっぱい飛んで、くたくたになって帰って来た。
暑いだけでも随分疲れるだろうに、中毒患者というものはどうしようもないものだ。

ホアンの足も大丈夫そうなので、今日はホアン念願のスーパー銭湯に行く事にした。
夕飯を食べて、8時頃から出かける。
ホアンは目いっぱい11時まで、入っている。
ホアンはお風呂中毒患者かな??
我が家に来て下さるお友達を、このスーパー銭湯に連れて行くのが
ホアンの自慢のひとつになっている。
ホアンはここでも、すでにお風呂仲間を作っていて、なんだかイタリアの人で
良く話をする人がいらっしゃるらしい。そして安芸府の空手の先輩の人とも
時々このお風呂で会うらしい。
ほんとに人なつっこいホアンである。

7月15日(日曜日)『映画に行く』
お仕事の仲間であり、家族ぐるみでお付き合い頂いている、Oさんが
映画に誘って下さった。

ホアンは火曜日にクラスが終わって海に行く事になっているので
海水パンツを買いたいと言っている。映画を見て、それから海パンを買って
帰ろうという事にした。
午後1時に福屋のところで待ち合わせをしているので、ホアンを11時半に起こし
支度をさせる。今日は充分寝たのでご機嫌だ。
福屋で上映しているA.I」とかいうスティーブン・スピルバーグの作品だ。
チケット売り場は前評判が高いせいか並んで買っている。

一時半開始で2時間半位の上映時間だ。あまり待つ事なく、会場に入り
すぐ座る事が出来た。

「ハンカチ無くしては見れない作品!」とか言って前評判はすこぶる良かったらしいが、
見終わっての感想は、ホアンも私も一緒に行ったOさん姉妹も「いまいちねー」と
満足度30%の感じだ。
ホアンも特撮はすごかったけど、ちょっとちょとね・・・・という。



終わってOさん達とは別れ、私とホアンはデパートに海水用品を見に行く。
ホアンはその売り場で、どれもこれも皆気にって、全部goodね・・とすっかり
ほしいものだらけの様子。
コロンビアに帰る時、また買い物に来ると言って、今日はとりあえず必要な
海水パンツとTシャツを買って、時間も程よくなったので家路に着く。

「今日は午後から雨になるから、朝練だ」と言って、早めに出かけて行った主人。
広島市内では、一滴も降らなかったので、思う存分飛べたかな?と思ったが
神の倉のある向原地区は雨の通り道に成っているので、いつもうつすような雨が降る。
今日も夕立にあったらしい。
週末に沖縄に行くので、少しでも飛んでならしておこうと思うらしいが
今日はぶっ飛びに終わったようだ。

「帰ったらおとさんに見せてあげるのよ」と言っておいたので、ホアンは
夕飯の支度が出来た頃を見計らって、ナイキのマーク入りの海水パンツにポッキリの
T−シャツを着て、肩には一番気に入って買ったバッグを提げてさっそうとお出ましだ・・・。
主人もそれを見て「ほー!!」と誉めてやっている。
ホアンは自分の好きな色がはっきりしている。
『赤』 『黒』 『ブルー』 『白』 の4色、時々グレー。
あまりけばけばしい色は着ない。外国人にしては質素な子だと思ったのが
私の彼と最初に会った時の印象でもある。

当のホアンは、クラスメートと海へ行く予定の火曜日が、待ち遠しくて仕方無い様子。
「海・・・ああ海〜海〜!!」と叫んでいる。
日本に来て始めての海だ。天気良くなるといいね〜!!ホアン。

                                          

                          
7月16日(月曜日)『校内球技大会』
今日・明日と学校では球技大会とスケジュール表に書いてある。
ホアンはどんな事をするのか、わからないが、とにかく「授業が無いんだ!」
と言って喜んでいる。
暑いし、球技大会ではさぞかし飲み物も沢山いるだろう。
水筒2本と、氷の中にタオルを絞り入れておく。

今日の夕方はホアンが夏休みの間にやってみたいという、習い事の稽古場を
主人と見に行く約束をした。
「学校が終わって自転車で会社まで来なさい」と昨日伝えておいた。

球技大会が何時頃終わるのか、まったくわからないが、まあ仕事が終わる頃には
来るだろう・・・と主人も事務所で待っていた。
ところが、5時になっても6時になってもホアンは来ない。
「私はとりあえず家に帰ってみるから・・・」と5時半頃事務所を出る。
ホアンは人と約束をしても、ほとんど守らない・・・というか、しつこい程言わないと
ポーとすぐ忘れてしまう。
コロンビアでは、約束という事の重要性は余りないのかもしれない。

私が家に帰って、台所に立った6時半頃頃、ホアンは帰って来た。
「ホアン、おとさん待ってるよ!」と玄関で待ち受けて私はきつい顔でホアンに言った。
一瞬、ホアンは「おおー!!」と思い出したのだろう、”しまった!”と言う顔をする。
「でも・・・きようは・・・・」と球技大会で疲れ果て、汗びっしょになって帰っているので
今から行くなんて・・・という表情だ。
「とにかくおとさんに電話しなさい!」とホアンに言う。
主人に謝った後、おかさん・・と言って受話器を私に渡す。
今日でないといけない話ではないし、ホアン自身の事なのだから、別におとさんは
困らない事だから・・・とホアンの好きなようにさせなさいと主人。

今日の球技大会はベースボールの試合だったらしい。
「きょう、勝ちました!」とうれしそうに報告するホアン。
3回試合をして、2回勝ちました。あす、ファイナルです・・・。
おんなのこも、バレーボール勝ちました。
ホアン、バーン!と打って、走って、ボールも飛び上がって上手にキャッチ!
とパフォーマンス交えて実況報告だ。
「良かったね!」と私。でも水筒こわれました!
見ると、ホアンが買って来て、毎日学校へ持って行っている愛用の水筒の吸い口が
こわれてしまっている。みんなでふざけていて、何処かへぶっつけたのだろう。
「ちょっと待って!」と手で払いのけた時に、水筒の口が手のひらにあたり
3センチばかりざっくりと切れていた。多分沢山の血が出ただろう・・・。
医務室へ行って治療をしてもらったと言っている。

炎天下での球技大会に少し疲れた様子のホアン、今日は早々に
2階へと上がって行った。

7月17日(火曜日)『海!あ〜ぁ海!!』
今朝起きると外はザーザーと雨の音。
でも少し降ったと思えば、止み、そして又ザーと沢山降る。
あ〜ぁ!今日は球技大会の後、楽しい事が待っているのに・・・。
今日は中止かなぁ〜?と外を見る。
ホアンが出かける時間も雨は止まず、すっかり諦めたホアンは、海の準備はせず
球技大会も無いかもねー・・と言いながら、出かけて行った。
別に沢山の荷物ではないのだから、ついでにリュックに入れて行けば
いいのに〜!!といらいらする私。




ところがお昼にかけて、次第に天気は回復してきた。良かった!
良かったはいいのだが、肝心の今日のお楽しみの準備をして行ってないホアン。
私はとりあえず、会社にはホアンの海パンやTシャツ等は準備して持って来ておいた。
10頃だった、会社に「おかさんー!」とホアンの電話だ。
「みんな海行くと言ってる・・・・」と悲しそうな声。
「それ見たことか!!」と思いながら「おかさん、ホアンの海パン、海道具持って来たよ!」と
言うと、とたんに元気な声のホアン。
11時に門の所ね!と約束して、ホアンに届けてやる事にした。

学校に11時少し前に着いたが、あいにくまたポチポチと雨、そしてざーざーと
本格的に降りだす。
校庭で球技大会真っ最中の生徒達に、「急いで教室に入って下さい」とアナウンスが流される。
11時を少し過ぎた時、校庭の向こうからホアンが走ってくる。
その後ろをジョー君も走ってくる。「ハーイ!!ジョー!」とニコニコと顔見合わせる。
そして、私の大好きなおーちゃんも!ユウヤ君もだ!うれしい!
「おーちゃんもゆうやも、夏休みの間に絶対泊まりにおいでね!」と言うと、
「うん!絶対行くよ!!」と約束してくれた。
「おかさん、ありがとう・・ありがとう」とホアンはうれしそうに私に微笑みかけた。
「じゃー、たのしんでおいでね!」とホアンを見送る。



梅雨末期で大気不安定。今日は午後から天気予報は80%の雨だった。
でもうれしい事にどうにか昼からも、雨は降らなかった。
夕方、帰宅時間になっても帰らないという事は、ホアン達一行は海へ行けたのだろう。

ホアンがいないとなぜか抜けたような感じだ。
息子のアルバイト先の様子等を聞きながら、3人で夕食を済ませる。

時計は10時半を回っている。なかなか帰らないな〜・・・。
バスがなくなりはしまいかと、心配になってくる。
私はホアンの帰りを待ちながら、週末に沖縄にパラに出かける主人の
準備を部屋でしていた」
11時小走りに我が家に向う足音だ。「あ!帰って来た」

どんなだったろう?と話を聞きに降りる。
「楽しかった!!楽しかった!」と繰り返すホアン。
あ〜ぁ、又行きたい・・・と目を、うるうるさせて言う。
泳いだり、花火をしたり、砂遊びしたりと目一杯楽しんだ様子。
夏休みの間に、外国に留学する女の子もいる、ジョーも8月始めには
帰国する、ショートステイで20名近くのクラスメート達がイギリスとか
オーストラリアに外国へ出かける。
女の子達はもうすぐ夏休みになってしまうので、別れを惜しむべく
目一杯楽しみ、感極まって涙・涙だったそうだ。

「これ!!」と言ってT−シャツをめくりあげ、最近少々ふとリ気味で
前に突き出て来たお腹を見せる。
”何と!人面腹だ!”マジックで目、鼻、口を上手に書いてもらっている。
ホアンがお腹をプーと膨らませたり、波打たせたりすると
たちまち人面腹は表情豊かに笑ったり、しかめっ面したりする。
私は気持ちわる〜い!と言いながらも、それを見て笑い転げる。
主人も”ビデオ!ビデオ”と早速ビデオに納め、これ!コロンビア行きね!と笑う。
ほんとに可笑しい!!
日焼けして真っ赤な顔になったホアンはいまだハイテンション!

   これ!砂ちゃんに書いてもらいました〜!ホホホッツ・・   ホアン君 腹が出すぎだぞ〜!!

学校も明日とあさってで終りだ。いよいよ夏休みだね、ホアン。

早く寝なさい!


                           
7月19日(木曜日)『終業式』
さあ、今日で学校も一学期が終わりだ!生徒達はそれぞれに
長い夏休みをどう過ごそうか?期待に胸膨らませ、終業式を迎えている。
ホアン達2年2組のクラスメート達も海へ山へ、そして海外留学を目前に
控えた生徒達、また補習授業のある子とさまざまである。

ホアンのように夏休暇殆んどクラブの稽古がある子もいるだろう・・・。
思いっきり夏休暇をエンジョイしてほしいものだ。
ホアンも沢山の仲良しクラスメートが出来たので、大好きな海への計画も
沢山有る様だ。

明日は、私達の山仲間、温泉仲間の方からお誘い頂いて、”山口きらら博”
行く予定になっている。
朝8時頃広島を出て、車で山口まで走る。きらら博は夜のショーもきれいらしい。

メンバーは山仲間であるから、おのずから、年配のおじ様おば様族である。
そんな中に若者が3人だ。ホアンと大の友達越君、由也君だ。
越君は住まいが廿日市の方なので、今晩から我が家に泊まってもらう事にした。
由也君は海田なので、当日朝一番で我が家に来てくれる。

夕方ホアンが越君を伴って8時過ぎ帰って来た。
終業式を終えて、皆でクラスメートのなつきちゃんのところへ寄っていたらしい。

このところ毎日うだるような暑さ。二人共よれよれだ。
シャワー浴びておいで!と越君を、お風呂へ。

今日から主人は念願の沖縄パラ三昧の旅行に出かけた。
広島〜沖縄格安チケットが手に入り、勇んで出かけて行った。
沖縄の紺碧の海を眼下に見ながら、延々何時間もソワリング出来るらしい。
それなら私達は”きらら博だ”と言うことになった。

ホアン・越君・息子そして私とで、夕食を済ませる。
ホアンは越君を例のスーパー銭湯に連れて行きたいらしい。
彼らの帰りが少し遅かったので、あまりゆっくり入っている事は出来ないが
早々に支度をさせて、家から5分の所にあるそのお風呂に連れて行く。
「おかさんも・・・」とホアン言うが、「ノーノー、おかさん、そんな暇ないの!」と
二人を銭湯の前で降ろし、明日の準備もあるので、急いで引き返す。

帰ってもぐずぐずしてはいられない。今晩の二人の寝る部屋の支度、
明日の朝食の支度、自分の明日の支度・・・といくらでもする事が有る。
そしてまた、二人を11時40分の約束の時間に迎えに行く。
「あ〜ぁ・・・気持ち良かったぁ〜・・・・」とホアンも越君も風呂上り美男子で
暖簾をくぐって出て来た。
越君も、近くにこんな銭湯が無いので、いつか行きたいと思っていたらしい。
楽しかった・・・と満足そう!文字通り裸の付き合い!である。

帰って涼しい居間で五目並べをしているあいだに、私はお風呂に入る。
「さあさ!寝ましょう!早く寝ないとホアン起きないから!!」と二人を二階に追いやる。
結局だいたいの支度を終えて私が寝たのは2時前だった。
越君はホアンと違って朝はちゃんと起きれる・・・と聞いて私は大安心する。
ホアンを朝起こすのは、至難の業なのだから・・・!
「越君頼むね!!」とおおいに越君をたよりにする私。
「わかりました!!」と力強く答えてくれる。
7月20日(金曜日)『山口キララ博へ!』
早朝5時過ぎに起きだし、朝ご飯の支度に取り掛かる。
今日も暑そうだ!

8時半に皆さんと待ち合わせている三篠町まで、行かなければならない。
すくなくとも、8時10分には家を出発だ。
7時に越君起きて来る。「シャワーを使っていいよ」とまず越君一番。
息子もアルバイトなので、丁度同じ時間帯にシャワーを浴びて出かける。
お風呂は大忙しだ。

そうこうしていると、”バリバリバリ・・・・・!!”とオートバイの音。
”あっ!由也が来た!”玄関に出てみると、なんと茶髪の青年、砂田君が由也を送って来た。
「ちょと時間あるから、あがって!あがって!」と居間に誘う。
「いいん?」と聞く。「いいよ・・・いいよ・・」「ご飯は食べたん?」「まだ!」と由也。
「じゃー、食べんちゃい!」とご飯と味噌汁をついで出す。
砂田君も未だの様だ。もう一人分追加!
ついに、一緒に食べていた息子は遠慮して、「譲るよ」と言って流しの方で立って食べ始めた。
「ごめんね!」と私。

  由也を送ってきましたぁ〜!イエー!    ちょいと 朝ご飯いただきまーす!!

砂田君は由也の大の友達。先日海へ行った時のホアンのお腹に上手に顔を書いたのは
彼だそうだ!
「あれ、とっても上手に書けてたね〜!!」と言うと、にこにこっと笑って
「ほんと言うと、僕は絵描きを目指した事もあったんだ」と言う。どおりで上手いはずだ!
ホアンも彼の事とっても、「いいやつだ!」と言っていたので、急いでホアンを起こす。

皆、台所に集まって、台所はごったがえしている。
「さあさ、急いで、急いで!」とせかしながら、朝ご飯を食べさせる。
食器を洗い機に突っ込んで、出かける準備をする。
砂田君も帰り支度。「また来てね!」と見送る。
さあ、私達も遅れてはいけないので、砂田君の後を追っかけるように、車を飛ばす。
「おばちゃん、シューマッハ!!」と3人はやしたてる。
何とか三篠に35分には着いた。すでに皆さん揃って待っていて下さる。
すぐに出発。
五日市の方で一人乗られ、ボンゴ車2台計15人のメンバーだ

時々サービスエリアで休憩をとりながら、山口へ入る。
真っ直ぐキララ博かと思えば、そこは人生ベテランのおじ様達。
瑠璃光寺により、サビエル記念聖堂を見て、おまけに県立美術館でモネの絵画展まで見て、
すっかり昼食時間も過ぎている。
瑠璃光寺では、地元ボランティアのお歳よりが、懇切丁寧にガイドをして下さり
3人の若者はすっかり疲れ果て、お仕舞いには、「ここで待っています」と
木陰でへたりこんでしまった。
由也はまっすぐキララ博に行くものと思い、準備万端海水パンツをしっかり着こんで
来ているので、半ズボンの下はもうむれむれ状態である。
「おばちゃん、正直言ってお腹空いた〜!!」と根を上げている。
それでも、おじ様方はゆずらず、しっかりモネ展も行き、サビエル記念館の資料見物も
させられてしまった。
湯田温泉界隈のおそば屋さんで、お昼にやっとありつけた。

お蕎麦好きのホアンは由也君達と食べ比べをして、お腹もやっと
落ち着いた様だ。そうこうしてやっとキララ博に着いたのは4時過ぎだった。

   瑠璃光寺、サビエル祈念聖堂行きました!くたくたでーす。   おじさん達にはついていけねーよなぁ〜!!

しかし、これはしっかり練られた計画で、キララ博は夜のライトアップが綺麗なので、
これに焦点を絞っての行動だった。
3人の若者達は「ずーと海で泳いでいたい」と言うので、待ち合わせ時間を決めて
会場に入ってすぐ分かれる。
私達老年組はそれぞれ、見たいゾーンやお店等を散策し、
山本寛斎の「やまぐち元気伝説」というスーパーライブショーを見る事にした。
時間的にも、あまり待つほどでもなく、入場も、事細かく配されたスタッフにより
まったくごった返すことなく、整然と入場し、見ごたえのあるショーだった。
それぞれ見て回れば、いっぱい魅力的なテーマ館があるのだろうが
暑さで、2〜3館に絞らないと、とても全部を見る事は出来ない。
ショーは1時間程あった。もうひとつの見ものであるきらら「スターライトハンタジー」
これはフランスのイヴ・ペバンという、演出家による、ウォータースクリーンと巨大な
球体へ投影される映像、レーザー光線、花火などを駆使したショーである。

小高い芝生のある丘に、それぞれ観客は陣取り、思い思いに横になったり、
すわったりしてショーを楽しむ。

由也君と連絡とったら、彼らはすでにその会場に行き、このショーを見る為
陣取っていた。ここで合流する。
8時開演の20分間のショーであった。迫力もあり、その技術は素晴らしく
ホアンは口をポカンと開けて、驚きの連続だった。
コロンビアでは”ネバーnever!素晴らしい!と首を振っていた。

   ようやくキララ博に着いたぜー!!   暑くてもうくたくた!今からレーザー光線ショーだよ!

   ”山口元気伝説”マスコットだよー!   う〜ん! なかなか見ごたえありましたぁ〜!!

   こんなレーザーショーは初めて見ました。素晴らしい!   ホアンも終始口あんぐり!状態でした。

「さあ終わったので、帰ろう!」とおじ様達は若者を促す。
このキララ博でびっくりした事は、整備が素晴らしく行き届いて、沢山のスタッフが
持ち場に配属され、車1台の駐車にしても、4〜5人のスタッフが整然と駐車させ
少しの混乱も無く、会場には殆んどゴミの散乱も無い!
トイレ等も沢山の個所に設けられ、延々と並ぶという光景は殆んどなかった。
全ての面にきめ細かく配慮されていて、感激してしまった。
このレーザーショーは本日が最高の大入りだったらしい。
山口キララ博への意気込みが感じられた。
この博覧会へは、皇太子様や秋篠宮様も近くお越しになるらしい。

私達は一路広島への帰路に向う。途中佐波川で夕食を済ませる。
広島へ着いたのは11時半頃になってしまった。
その足で、由也君を自宅まで送り、ホアン・越君を連れて、我が家へと急ぐ。
明日は休みだし、ホアンも越君もゆっくり休めば良い。
何と言っても暑い一日であった。でも3人共とても楽しかったと喜んでくれた。