ホアンと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                                   愛子 記

5月3日(月曜日)[連休予備日]
今日からゴールデンウイークの連休が始まった。
主人の腰の様子もだいぶ良さそうだ。事実今日は腰をさすりさすり
神の倉へと出かけて行った。
ホアンはいつもの如く死んだように眠っている。
明日から九州方面へホアンを連れて旅行に出かける予定がたった。
ホアンに何処に行きたい?と尋ねたところ、『京都!』と言っていた。
最初はそちらを計画していたが、今話題の”ユニバーサル スタジオ”
出来たばかりで、きっと交通網も大混雑が予想されるので、今回はやめよう。
京都は秋の紅葉が綺麗なので、またその時に計画しようと言う事になった。
”海と山の四国””温泉とボケーノの九州”どちらを選ぶ?とホアンに聞く。
勿論温泉が良い!火山も見たい!と言う。
じゃー九州にしようかー!ということで、九州に決定した。
私は午前中美容院に行ったり、買い物をする為、熟睡中のホアンをほっといて
出かけた。
2時頃帰ってみると、まだ良くお休みだ!もう私もめんどうになってきて、ホアンは無視!

綺麗だった藤の花が散り始め、毎日掃除が必要。庭の草も伸びてきた。
主人は「ホアンが起きたら、脚立を出して藤の花の房を切ってもらえ」と言って
自分はさっさと出かけて行った。
人に頼むより自分でした方が手っ取り早いわ!と思いながら、ごそごそ脚立を
出して準備していた。3時ようやくホアンのお目覚め!
藤蔓を見上げている私の後ろに立って、「おはよござまーす」と言う。
そしてまたまた「散歩行って来ます」である。
「帰ったら、これ切ってちょうだい!」と言うと「イエース」と言って出かけて行った。
人間人生の半分は睡眠時間に相当するらしいが、ホアンは人生の8割は寝て
過ごすのだろうか??彼に関しては『眠り病』か『コロンビア時間が抜けないか』
『成長期における単なる眠たい時期!』なのか何なんだろう??。

ホアンが帰って来た。脚立に上がって藤の房を1本、1本切ってもらう。
かれこれ30〜40分かかったろうか、ようやく切り終えた。
そしてまたまた散歩に出かけて行った。
ホアンのお陰で、私はもくもくと庭の草を抜き、すっきりと綺麗になった。
これで心置きなく旅行に出かけられる・・・・。
夕方ご機嫌良く主人も戻り、明日の予定を話ながら夕食だ。
「明日は5時起きの6時出発だぞ!」と主人。
どうぜホアンに起きられるはずは無いし、「起こしてもらえる・・・」と
安心しているホアンである。

明日は早い!とわかっていても、気分はやはりリラックスムード。
風呂上りに、主人は百科事典を引っ張り出して柔道の技をホアンに
教えてやろうと張り切っている。
百科事典には空手に通じる柔道の技が沢山イラストで紹介されている。
ホアンも興味津々の真剣な目つきで見ている。

「息子が使っていた柔道着が有ったはずだ」というので、押し込みに頭を
突っ込み、衣装缶を引っ張り出して探してみたが無い。
とりあえず主人も作務衣を着ているので、それで間に合わす事に・・・。
技だけだから・・・・と組む格好をしているが、力が思わず入ってしまって
”アイタタタタ!!・・・・・”ホアンも思わず”オウ!ーノー!!”だ。
今日はこれまで!!

       

それぞれ早めに床に着く・・・・。
5月4(金曜日)[九州へ出発!]
今朝は6時出発と決めていたので、私は5時過ぎに起きる。
朝ご飯は昨日ホアンとお昼に食べようと思って買っていたが
食べそびれた握り寿司があったので、それを片付ける事にした。
5時40分頃ホアンを起こす。頭の片隅には旅行の事もあるのだろう
一応起きてきた。3人で朝食を食べ、出かける用意をする。
上に上がって行ったホアンはまたベッドで寝っころがっている。
6時に出発って言ったでしょう!とホアンを促す。
ようやく車中の人となり、出発だ!2〜3分走らせて、「ホアン!カメラは」と聞くと
忘れた・・・・と言う。又引き返し取りに帰る。
「枕持って来ていい?」と聞くので、「いいわよ」というと、いつも使っている
長いクッションの枕を抱えて降りて来た。
そして安心して、また横になって寝てしまった。
高速を走る事3時間、下関で一休み。
「コーヒーでも飲もう」と言う主人。「ここは海の流れが特殊だから
ホアンに見せてやろう。起こして来い」と言うので、車のホアンに声を掛ける。
「僕、何も要らない・・・寝ていますzzz・・」の調子に、私もうんざり!
もういいわ!とそのままにしておく。
途中は少し混んではいて少し予定オーバーであったが、何とか熊本入りする。
阿蘇では、外輪山を車で巡り、火口を見る為にロ−プウエイに乗る事にした。
皆さん切符を買うため並んでいる。列に加わり待って、ようやく目の前というところで
”有毒ガス発生の為、ロープウエイは発車しません”というアナウンス。
えー!!そんな!既に買い求めた人も、払い戻しを受け、諦めて下に降りて行く。
「仕方ないねー!」私達も諦めて、明日に望みを掛ける。
草千里を走り、以前パラグライダーでお世話になった夜峰のエリアを訪ねてみる。
「ああー!やってる、やってる」
きびしい事では天下一品の松本先生が相変わらず激を飛ばしておられる。
しばらく様子を見ていた夫は、先生の「今丁度アーベント状態です。飛ばれませんか?」
の言葉に”にやにや・・・・”として、飛びたい様子。
ホアンと私はここでビデオ撮ってあげるから、上がって来たら?と私も勧める。
ところが主人はちゃっかり病み上がり腰痛を良い事に、ホアンに機体をしっかり
担がせて、200m山頂のテイクオフを目指して上がって行った。
ビデオを撮っていた私だったが、丁度バッテリーが切れて車に取りに行っている間に
あっという間にテイクオフしてしまっていた。ほんとにチョロQおやじだ!!
でも、あえなくぶっ飛びに終わってしまった主人、あえぎあえぎ、下からキャノピー担いで
上がって来た。ホアンも機体のバッグを肩に掛け、降りて来た。

   よいしょ、よいしょ・・・   あえなく、ぶっ飛びで〜す

今晩は阿蘇一ノ宮町の民宿”つかさ”さんに宿泊予定。
あまり遅くなると、他の宿泊の方にも迷惑をかけるので、夜峰はこれでお暇。

ラッキーな事に前の日に電話したところ、「丁度10人のキャンセルが出まして・・・」
と言われ、幸いこの民宿に3人の宿泊予約が取れた。
ガソリンも心細くなってきたので、出光を探しながら、一ノ宮町を目指す。
”民宿つかさ”に入ったのは、夕方早い6時頃だった。
阿蘇はパラグライダーを始めた頃、たびたび来ていたし、民宿もあちこちに泊まった。
”つかさ”さんは3年位前に泊まった事のある別の民宿の丁度まん前だった。
この当たり一帯は普通の民家が、共同で組合をつくり、阿蘇観光客の為の
宿泊先として宿を提供している。
安いし、心のこもった料理でもてなして下さる。
なんと言っても主人が喜んでいるのは、沢山の種類のお漬物が出される事。

民宿に着いてとりあえず、近くの温泉に入りに行く。これも200円と超安い!
ホアンも一緒に温泉に入りに出かける。
朝は少しにぎりを食べたホアンだったが、後は寝通しで、お昼ご飯も食べていない。
すきっ腹に温泉はこたえただろうか。
一時間の約束でお風呂の入り7時に出てみたが、二人共未だのよう。
10分位して仲良く出てきた。さあ民宿へ帰りましょう。

民宿では、”つかさ”のおばあちゃまが夕ご飯を支度して待っていて下さった。
私達の他に、山口から来られたTさんご夫妻。お二人は新婚1ケ月のアツアツ御夫婦。
鹿児島から来られた熟年ご夫妻。後は泊まりだけで、少し遅く入られるらしい2人。
居間にぐるり長机を並べて、私達3組分の食事が用意されている。
早速頂きま〜す!!
ホアンは散歩に出かけて未だ帰って来ない。他の方に待って頂くのは申し訳ないので
先の頂く事にした。
しばらくして帰って来たホアン、あまり食がすすまない!それもそのはず
「どうしたの?」と聞くと、やおらポケットからポテトチップスの袋を取り出した。
見ると8割がた食べてしまっている。
余程お腹が空いたのだろうが・・・・なにも食事前に食べる事ないでしょ!!
ホアンには日本の食事より、こんなポテトチップスのようなスナック菓子を
身体が要求するのだろうなー・・・。ああ悲しい!

今日の食卓には、おはぎがお皿に2個づつ。山菜料理、地鶏の水炊き、
やまめの塩焼き、しゃけのお刺身、たけのこの煮物、お吸い物、ステーキ

こんなに沢山の献立でおもてなし頂いた。
食卓に着くと、おばあちゃま初め、こちらのお嬢さん二人が座られ、ご挨拶。
お嬢さんは大学生さんとホアンと同じ歳の高校生のお二人。
今は観光シーズンなので、おばあちゃんのお手伝いに帰られているようだ。
山口から来られたTさんが、食事の後でウノというゲームをしましょう!と
誘って頂いた。それじゃーお嬢さん達もご一緒にどうですか?と
この宿のお嬢さんにも声を掛ける。

   はじめてのウノに挑戦。ホアンはすぐに覚えた   民宿のお孫さんたち。大学生と高校生

   新婚ほやほやの(先月)のTさん夫婦   朝出かけに、記念写真をパチリ

5月5日(土曜日)[阿蘇火口・温泉三昧!]
昨夜遅くまでTさんご夫妻や、民宿つかさのお嬢さん達とカードゲームの
ウノやトランプ、かるたを楽しんだ。延々3時頃まで・・・・。
ここでもホアンは物覚えの良さを発揮した。
かるたを読み札も取り札もごちゃごちゃにしてテーブルの上に置き
神経衰弱をした。
夜も遅く私達の記憶力は鈍くなり、さっき取った札も忘れる始末。
ところがホアンは次から次へと合わせていく。これには皆さんビックリ!
でも久しぶりに楽しい時間を過ごした。
朝山口のTさんご夫妻と民宿の前で記念写真を撮りお別れする。
Tさん達は今日は草千里の方へ行かれるとの事。
私達も昨日見そびれた阿蘇の火口へ行ってみる事にする。
念のために、民宿から確認の電話を入れる。大丈夫!今日は火口へ行ける。
夕べ遅かったので、ホアンは朝ご飯に一応降りて来たが、食べずに又上がって
寝てしまった。ほんとに寝たろうだ・・・。
昨日はロープウエイを待ったが、今日は上で車を駐車し、火口の周りを歩く。
ホアンもこれは珍しそうに真剣な顔つきで見ていた。
露天商が記念のメダルを売っている。
『今日は5月5日で男の子の節句です!記念にひとついかが?』の声に
ついほだされ、ホアンにオリンピックの金メダル位の大きさのメダルを
記念に買った。うれしそうなホアンの顔。「ありがとう!」とホアン。

   阿蘇火口にて   二人共作務衣姿で・・・

   阿蘇の火口はコバルトブルーの煮えたぎるお湯が・・・   大観峰では模型グライダーを飛ばせていた

山口のTさんご夫妻にもしかして会えるかな?と思いつつ
きょろきょろしながら草千里を走り大観峰へ着く。
さすが行楽シーズン、ここでも沢山の人人々々・・・。
大観峰では、模型グライダー飛行機を飛ばしていた。そしてここでもパラグライダーを広げている。
主人早速近づいて行き話を聞いている。
ここではP証(パイロット保有の人)でないと飛ばせてもらえないそうだ。
基本的にはトップランと言ってテイクオフしたところへ戻ってこなければ
いけないらしい。わたしなんか到底無理だ!

大観峰に立ち、阿蘇がどういう地形(外輪山)かを、ホアンに説明する主人だが、
果たして理解出来ただろうか??
大観峰を後にし、しばらく車を走らせる。

温泉三昧も九州旅行の目的だった。今日は別府に向いながら、途中
温泉に入ろう!まずは黒川温泉を目指す。
ここは数多くの温泉旅館が軒を並べている事で有名だ。
一番有名な洞窟の湯にホアンを入れてやろう・・・・。
黒川温泉では入湯手形を買うと、この温泉の露天風呂3ケ所を巡る事が出来る。
全部で2十数か所も有るそうだ。いかに言っても2ケ処入ればいいところ、
湯わたりしてしまいそう!
私達は手形は買わずにとりあえずこの洞窟の湯に入る事にした。
以前想像していたより、狭く浅かったので、私は早めに上がり二人を待っていた。
あまり長く入ると、血圧も低いし、のぼせそう!
二人はきっちり約束の一時間後に仲良く出て来た。ホアンは大満足の様子。
早く出た私はもう一ヶ所入りたかったけど、二人共”もう結構!”
「じゃー途中でまた何箇所も有るから、もう少し後で入ろう」と主人。
黒川温泉を後にし、車を走らせる事一時間。以前入った事の有る
大きな露天風呂を見つけた。
ここは300円。安い代わりに何にも無い!石鹸なし、タオル無し、
洗い場も無ければ、水道も無い。兎に角露天風呂に浸るだけ。
すこしミルクがかった色の湯で、まわりを木々が囲み、雰囲気は最高
30分程湯を楽しむ。 さあ、別府へ向おう!
温泉の湯に浸かり、すっかり疲れたチョロQおじさん、「運転代わってくれ!」
「じゃーホアンがナビゲーターね!」
今度は後部座席で主人が熟睡だ。
しばらく走らせると、やっぱりホアンも助手席でナビ片手にコックリ!コックリ!。
ここで私がコックリ!コックリとなったら大変!気を引き締めて運転する。
『でも、温泉効果で、ちょっぴり睡魔に襲われた・・・・』

夕方無事5時半頃別府到着。さあ旅館はどこだ〜??
別府市内の白雲山荘だ。
皆んな目を覚まして一緒に探す。
「ホアン!こんな字見つけたら言ってネ」とパンフレットを見せる。
ホアンもパンフレットの地図を見ながら、あっちだ、こっちだと言ってくれる。
私はからっきし方向、地図に関してはホアンの信用ゼロ!なので
ホアンは真剣になって探してくれている。

   あった!あった!   はあ〜結構老舗なんだ〜

”ああーあそこだ”走りながら、やっとそれらしきホテルが見えて来た。
やはりこの当たりは温泉街で大きなホテル、旅館が立ち並んでいる。
部屋に案内されくつろぐ。
お風呂を済ませてから食事にして貰う事にした。
大きなホテルなので、お風呂も大浴場だ!そして露天風呂も木々に囲まれ
ゆったりと落ち着いた雰囲気で、ホアンもこれならきっと気に入るだろうなーと感じた。
お風呂を済ませ、部屋でくつろいでいると、夕食の準備の、お膳をかかえ
二人の仲居さんが入って来られた。
その内の一人の女性は台湾からの留学生で、夜はこうしてアルバイトに
来てもらっているそうだ。
こちらは結構アジアからの観光客の方が多いので、中国語は彼女が通訳を
してくれるので大いに助かりますと言っておられた。
机の上に並びきらないほどの器が並べられ、「ごゆっくりどうぞ・・・」とさがって行かれた。
「では、いただきます!」

ホアンは出された物は何でも食べる。お肉は勿論、お魚も野菜類も・・・
机に並びきれず下に置いてあったふぐのお刺身、「ホアンこれも」と目の前に置くと
「僕もうお腹一杯!」と言う。
すかさず主人「何言っとるんだ!この中で一番高級料理だぞ!」
「じゃー食べます」と言いながら箸を付ける。
「これ何?」と聞くホアン。高級の魚で卵巣と血液の中に毒が有るんだよ。
これをさばく人はライセンスが要るんだ。と説明すると、”毒”の有る魚?
すぐ頭に浮かんだのだろう、口一杯に空気を含みふぐの格好をした。
「ああー、ふぐ知ってるんだね」と二人で顔を見合わせる。
彼の国ではお肉は日常ご飯代わりに食べる位豊富だが、お魚はやはり
海が無い国なのでとても高い!と言っていた。
ほとんど食べたところで、「あ!またビデオ撮り忘れてしまった!」と主人。
お腹が空いていて、ビデオに気がまわらなかった。
お腹一杯になったホアン「コーク買って散歩してきまーす」と出かけて行った。
何処へ行っても、散歩が趣味のホアンである。


   食べ終わった頃、写真に気付くのでテーブルはからっぽ   着物をビシッと決めてみよう

   無念無想・・黙想!!   ふぐのさしみ?ポイズンだいじょぶ〜!!

   おとさんと・・・   おかさんと・・・・
寝る前にもう一回お風呂に入る積りが、二人共お腹は一杯、満足!満足で
仲居さんの敷いて下さった蒲団で横になると、すやすや寝てしまった。
散歩から帰ったホアンも同じく”バタン キュー!。
明日は地獄巡りをして、一路広島へ・・・・です。
それでは私も”おやすみなさーい”

5月6日(日曜日)[地獄巡り]
露天風呂は朝6時から10時位まで入れるので、朝食までに入る事にした。
ホアンはまだ眠っている。
主人は私よりずっと早く入って来て、また蒲団にもぐっている。
朝食は8時なので、ホアンを起こし階下の食堂に向う。
朝は味噌汁・湯とうふ・少々のおかずと質素。ホアンも今朝は一緒に朝ご飯を頂いた。
部屋に帰り、主人は、また朝風呂に入って来ると言う。
ホアンもコーラを買っておとさんのお風呂へ後から行くと約束していた。
30分程で上がって来たので、出かける準備をする。
今日は別府の地獄巡りをする。
ぼこぼこと湧き上がる熱湯。池の端からしゅーしゅー!と吹き出す熱湯。
20分間隔で噴水のように吹き上げる熱湯。ワニの養殖場等・・・見て回ったが
ホアンが一番喜んだのは動物園のコンドルとワニ園のワニだった。
コンドルの檻の前では、しばしたたずんで見ていた。
またリャマが数頭いる檻では、ホアンは何かつばを吐きかける格好をして
私に何か説明している。
檻の前の立て札に「この動物は突然、つばをプシューと吐きかけますので、
注意して下さい!」
と注意書きがしてある。
『ああー!この事を言ってるんだ』とようやく理解。
身近でよく見かける事があるのだろう、よく知っている。
コロンビアが懐かしかっただろう・・。
地獄巡りを終え車に帰り、しばらくどういうルートで帰るか相談する。
車の中でしばらく仮眠をとり、それから出発する事にした。
かれこれ一時間ねたろうか、車内が暑くなり目を覚ます。
とにかく出発しましょう!一路帰途に向う。

   地獄の2丁目・・かまど地獄   赤坊主

   かわいい鬼だね   坊主地獄

   ホアンは成分なにか考えている様子   ホアン、カバにえさの、じゃがいもをやる

   本当に綺麗なピンクね   ピンクの競艶

   ホアンの頭、閻魔さんみたいよ   やれ、一休み

   30分まってようやく間欠泉を見た   もう、帰路のコースを考えているの?

帰りもさほどの渋滞もなく、お互い暴走族なので、フルスピードで飛ばし
夕方7時過ぎには我が家へ無事帰り着いた。
主人は漬物が食べたいというし、ホアンは車の中では、ほとんど眠っていて
起こすのも可愛そうだったので、夕食は我が家で有り合わせで済ませる事にした。
明日からホアンはまた学校だ、「この間約束したように、絶対起きるんですよ!
私たちは手助けしませんよ」ときつく言い渡してみんな床につく。
5月7日(月曜日)[ホアン 寝過ごす]
朝いつものように私は弁当作りや朝ご飯の支度に忙しいので
5時過ぎに起きる。
洗濯等を済ませ時計を見ると、6時半前だ。
ホアンは起きて来ない。
朝に弱いホアンを何とか一人で起きれるようにしてやりたい!と願い、
何があってもホアン一人で起きるようになるまで”ほっとこう”
という事になった。勿論ホアンも「起きます!」と約束してくれた。
でも!今朝は起きない!
私は「まあ、一日、ニ日くらいは寝過ごしてしまうだろう・・・」と思っている。
私は心を鬼にして会社に出かけた。ホアンは起こさないと2時・3時くらいまでは
寝る子だ。今日もこのままだったら、2時頃目を覚まして後はどうするか・・・・?
学校だけは、担任の先生に事情を話し、もしかしたら休むと思いますと
伝えておいた。

                                           

夕方ホアンがどう報告するか、家に急いだ。
帰ってみると、あら!東広島で司法書士をしている私の弟が来ているではないか。
そして二人で真剣な顔つきで五目並べをしている。
私を見て、ホアンはニコニコとして、「おかさん、今日学校休んだ」と言う。
どうしたの?と一日の顛末を聞くと・・・
僕が起きたのは2時!部屋を出て、おとさん?おかさん?
ああー!誰も居ない!下に降りると弁当が包んでおいてある。
やっと寝過ごした事を自覚したホアンは、カバンを背負い、バス停に急ぐ。
朝3分置きに来るバスだが、日中は待てども、待てどもバスは来ない。
今からバスに乗って下温品まで行き、自転車で30分かかり学校へ着いたら
学校はもう終わっている。そう考えたホアンは諦めて家に帰った・・・そうである。
家に帰って、僕は郵便局に自分の小包を出すのに行ったんだ。
そしたら、帰る途中大きなヘビがいてね、そばを小学生が何人か歩いていたんだ。
かれらが通り過ぎるのを待って、ヘビを捕まえようと思って手をのばしたけど
逃げちゃった。・・・・な〜あんちゃって、実にノー天気なホアンである。
ひと通り説明をして、また弟と囲碁に興じていた。

田舎でホアンに負けた私の弟は、今日は汚名挽回とばかりに真剣そのもの。
今から西条へ帰らないといけないので”4回勝負だ!”
結果は、3:1で弟が何とか面目を保てたようだった。
後でホアン「もう何回か勝負してたら、僕が勝っていたのにー・・」と悔しがっていた。

こんな感じで、あまり朝寝坊の事も気にかけてない様子のホアン。
明日はどうなる事やら・・・・。

5月8日(火曜日)[ホアン今日も 寝過ごす]
今朝もホアンは起きて来ない。
心は痛むけれども、何とか自分の力で起きれる様にしてやりたいと思い、
今朝も声を掛けないでおいた。
起きたら、学校へ電話をするようにと、メッセージを置いて会社に出かける。

11時頃、担任の先生から「ホアン君、今日も来ていないんですよー。
今朝も起きられなかったのでしょうかー??」と言われる。
このような状態が続く事を考えると、他の生徒へのしめしもつきませんので
家庭の方でも、少し協力をしてやってみて下さいませんか・・・との事だった。
それに、今日は午後からLPの方も来られる事になっておりますし・・・・。
と困惑のご様子であった。
『学校や他の方に迷惑が及ぶようでは、少し考えなければいけないなー』

夜、この事について、一時間程ホアンと話をする。
彼は九州旅行で、夜と昼のバランスが崩れて、明け方4時頃まで眠られず、
どうしても朝起きられなかった。
何とか、今までのリズムを取り戻すよう努力しますと言うホアンである。
『起きたら兎に角担任の先生に電話するよう』と出かける時私が書いたメモを見た
ホアンは、一応学校へもちゃんと連絡は入れ、担任の先生にも、同じ説明をした
そうである。
あれこれ、話す間に、ホアンも私たちの思いは理解してくれ、
今週なんとか頑張ってみるので少しだけ、手助けをして欲しいと
私に協力を求めてきた。

お国柄、本人の体質、環境等いろいろ考えると、ホアンに起きろ起きろと
無理強いするのは、不可能なのかもしれない。
思いは山ほど有るけれど、いましばらく様子をみる事に落ち着いた。

とにかく夜もう少し早く寝るようにしましょうね・・・・と
ベッドに急がせた。
5月9日(水曜日)[ずっこけ ホアン]
今朝はホアンご機嫌良く起きる。少しだけ私の手助けで・・・・。
コロンビアから、まちかねていた足のプロテクターが届いた。
これでやっと、空手クラブにも参加出来そうだ。
「プロテクター 持った?」と聞くと「ノー・・・」である。
どうしたの?と聞くと、『見つからないんだ』と言う。
だいたいずぼらなホアンなので、”さもあらん”と思ったが、今朝はもう
捜している時間が無い。
ホアンが出かけてた後、部屋を見ると、ベッドと勉強机の間に
落ちていた。
「ホアン、お布団の下や、床に落ちてないか、もう一度よく捜してごらん」と
メッッセージを置いて出かける。

夕方仕事から帰ってみると、ベッドで横になっている。
「どうしたの?」と声を掛けると、今朝バスに乗って駐輪場まで行き
やれ自転車に乗ろうとすると、いつも制服のポケットに入れているはずなのに
カギが無い!あれー!しまった、カギ忘れた!!と思い仕方無くいつも自転車で
通うはずの道中を、一心不乱に走って学校へ行ったそうである。
汗びっしょになり走る事40分、、何とか始業時間の5分前に到着。


                                        

そして何時間目かの柔道の時間。制服を脱ぎ柔道着に着替えていた時だ
ポケットからチャラン・・・落ちたのはカギ!
「ありゃー!!別のポケットに入れてたんだ・・・」とへなへなと力の抜けるホアン。
勿論帰りは自転車が無い!再び歩く事1時間。
今日は僕疲れちゃったー!と言って、今日のエクササイズはお休み!
まったくどこか抜けているホアン君である。
なんだか想像すると、おかしさが込み上げて来る。ふふふ・・・・。