スーちゃんと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                              愛子 記

2008年 9月
9月2日(火曜日)
今週もまた学校が始まり、通学にも慣れて元気に出かけて行くスーちゃん。
「今日は沢山授業があるよ」と言って、重そうなかばんを持ち出かけて行った。
今日はリズム体操の稽古日。それが終わると歯医者さん。
「スーちゃん!お稽古が終わって、歯医者さんに行くと、5時過ぎだけど、すーちゃん一緒に帰る?」と言うと、
「え!おかあさんと?帰る!帰る!」とうれしそう。「それでは学校の前で5時20分頃ね」と約束する。
高校の門の前はバス通り。少し車寄せが出来るスペースがあり、門から出てくるスーちゃんを待った。
5時20分頃バス停の方へ歩いてくるスーちゃんを見つける。スーちゃんもすぐに私の車に気づき走って来た。
今日一日の話をしながら、家路に着く。
9月3日(水曜日)
毎朝、私は6時に携帯目覚ましをかけ飛び起きる。
目覚まし時計だとつい手を伸ばして止めてしまい、また寝込んでしまい悲惨な事になる。
携帯なら大きな音楽で起こしてくれるので絶対だ。夜遅いのでスーちゃんも私も目覚まし無しでは起きられない。
スリランカでスーちゃんは、夜10時半に寝て、朝5時頃起き、勉強をするのだと言っていた。
それがどうだろう、このところ毎日12時前まで勉強だ。
12月にある日本語能力試験に絶対パスしないとスリランカに帰れないと言う、危機感があるのだ。
山のように送られた試験問題集を、とにかくしらみつぶしにやるつもりらしい。
なので、私もそれに付き合って、スーちゃんの解答の正誤をチェックしてやっている。
それをスーちゃんは朝早く起きて、覚えるようだ。
学校へ行って、ちゃんと授業中聞いているのだろうか??
今日は茶道のクラブがあるから、遅いよと言って出かけて行った。
瀬戸内高校に茶道部が無いので、スーちゃんは近くの「桜ヶ丘高校」まで、歩いて出かけていっている。
終われば再び瀬戸内高校へ戻り、下校するらしい。”近くの”と言っても、20〜30分かかると言う。
日が短くなってきたので、茶道が終わる頃は
薄暗くなり、我家に着く頃は、日もどっぷり暮れている。
今日もすっかり疲れた顔で我家に帰宅した。
9月4日(木曜日)
今日は留学生会館で佐藤先生に日本語を教えて頂く日だ。
放課後歩いて留学生会館に行き、6時半頃まで勉強して帰るので、帰宅は7時過ぎるだろう。
私はお稽古が夜あり、スーちゃんが戻り、主人と二人で食べるように伝えておいた。
8時半ころ稽古を終えて帰ると、夕食を終え、リラックスしていた。
9月6日(土曜日)
今日はスーちゃんは同じ瀬戸内高校の留学生、ジョナサンと学校で会い、留学生会館まで案内するとの事なので、
一緒に家を出て、瀬戸内高校の門の所でスーちゃんを降ろす。ところがジョナサンの姿が見えない。
スーちゃんは「おかあさん、ここに居て、ちょっと行って来る」と言って、門の中に入った。
しばらくすると、スーちゃんと男の子が私のほうに近づいてくる。どうやらジョナサンらしい。
「おかあさん、これ!」と言って、何やら紙きれを見せた。
それには、ジョナサンのホストファミリーの方が、ジョナサンの担任の先生に宛てたお手紙で、
月曜日に役所に寄って学校に行かせるので、遅くなる旨記してあった。
月曜日の事なので、今日担任の先生に渡しなさいと言ったのだが、担任の先生は昼食に出かけておられるらしいので、
どなたか他の先生に頼んで、渡してもらいなさいと言うと、また二人で先生のおられる教員室の方へと歩いていった。
こうなったら、私が一緒に留学生会館に連れて行くしかないなと思い、用事を済ませて出てくる二人を待ち、車に乗せる。
クラスが始まる2時までまだ30分以上ある。
Bicカメラに車をとめ、お昼を一緒に食べる事に。ジョナサンはせっかくホストのお母さんが作って下さったお弁当を忘れたと言う。
どうしてお弁当を忘れる状況になったのか、理解に苦しむが、とにかく「弁当忘れた」と訴えるジョン君。
夕方まで長いので、とにかく何か食べることにした。Bicカメラの中のカレー店に入る。
カツカレーに加えコロッケ2個を頼んだジョン君はカツカレーの上にコロッケを置き、美味しそうにぺロット平らげてしまった。
2時近くなったので急いで留学生会館に行く。
スーちゃんのクラス、中級はすでに学習者さんと佐藤先生の授業が始まっていた。
私の属する入門クラスは、学習者がこのところ少ない。
今日も3〜4人しか来ていない。ジョン君も加わって授業が始まる。
先生と生徒との距離も近いので、皆さん真剣に学習している。
スーちゃんはクラスが終わって私と一緒に帰ろうと、下のフロアーで自習しながら待っている。
日本語クラスが終わると私はもう一クラス別の習い事があるのだが、辛抱して待っていてくれた。
7時半ようやく全て終了し、スーちゃんを連れて我家に帰宅。
長い一日が終わった。明日は主人のパラグライダーの友人、河原さん一家が我家に赤ちゃんを連れて来る事になっている。
赤ちゃんの大好きなスーちゃんは、幸多君に会うのをとっても楽しみにしている。
きっとにぎやかな一日になることだろう。
9月7日(日曜日)赤ちゃん大好きのスーちゃん
今日は主人のパラグライダー仲間の河原さん一家が来られる予定だ。今年の4月に生れた長男幸多君を連れて。
スーちゃんは日本で始めて本物の赤ちゃんを見るんだと言って、楽しみな様子だ。
日本の赤ちゃんは、ほっぺがポチャッとして、それがとても可愛いという。
主人は早朝、パラグライダーエリアの草刈作業があると言って、6時半に出かけて行った。
河原さん一家の為にうどんを打つので早く作業を済ませて帰るのだと言う。
スーちゃんは日曜日にもかかわらず、8時半には起きて降りて来た。
お父さんの姿が無いので「おとうさんは?」と眠気眼で聞く。
二人で朝食を済ませ、家事をしていると、作業を済ませた主人が帰宅した。

早速、うどんを打つ準備だ。スーちゃんに手伝わせながら一緒に準備する。材料は水と粉だけだが、分量が微妙なのだ。
スーちゃんはどうも数学に弱いようで、スーちゃんに量らせた粉の分量がどうもおかしいと言う。
「私は数学全然出来ない!!」と大声で言っている。私にも出来る簡単な計算が出来ないと言う。
頭の良いスーちゃんなのに、信じられない。けれど、何度やらせてみてもパニくってしまい、考えようとしない。
頭の良いスーちゃんにも弱点はあるんだなぁ・・・・。
主人が不足分の粉を加えて、もう一度こねる。それから寝かせてしばらく待つ。
そして少し膨らんで、つやが出てくるとナイロンの袋に入れて、足で踏みつける。これを見てスーちゃん、目を白黒。
「えーっ!!これを食べるの??」と気持ち悪そうに顔をゆがめる。「そうだよ、ちゃんと踏みつけろ!!」と指図する主人。
コネの作業が終わるとまたしばらくこれを寝かせておく。30分位すると、生地はつややかになり、いよいようどん状に細く切っていく。
包丁では同じように切れないので、スパゲッティを作るための機械、パスタ機を使う。
ぐるぐる廻して細長いうどんが出来上がってくる。我家特性長い長いうどんである。

 へえ〜、うどんってこんなにして作るんだー!! 「私、数学苦手なの!」 「スーちゃんには計らせられんなぁ・・・」 「伸びる!伸びる!!」

12時過ぎ河原さん一家到着。5ヶ月の幸多君はお母さんに抱かれてご機嫌の様子。
幸多君を見るなり、「かわいい〜いっ!!」を連発。ほほ摺りしたり、ほっぺをさわったりしている。本当に赤ちゃんが好きな様子だ。
主人はキッチンでうどんを湯がきはじめる。幸多君がご機嫌な間に皆で昼食にする。
幸多君はまだ5ヶ月なので、人見知りには早いし、違う場所に来ているという意識もなさそうだ。
そうは言ってもやはりお母さんは分かるようだ。目はおかあさんの姿を追っている。
ようやくスーちゃんが抱かせてもらえるようだ。いま幸多君はkgくらいある。しばらく抱いていると腕もだるくなる。
「かわいいね!うーん!!幸ちゃん!!」等と言いながら顔を近づけたり、ほおずりしたりしている。
面白いことに、幸ちゃんをあやすとき、ちゃんと赤ちゃん言葉で言っている。
「かわいいでちゅね〜!!」「かわいいお手手でちゅね〜!!」などと言っている。
赤ちゃんに赤ちゃん言葉を使うのは世界共通の事なのかな?でも日本語をそれを言っているスーちゃんは面白いな。
河原さんの実家は、我家から直ぐ近くの所なので、実家でも幸ちゃんを首を長〜くして待っておられるので、
3人は実家へと急いで帰って行った。

 「スーちゃんの打ったうどん、食べれるかしらー!」 「私、うどんより幸多君のほうがいい!もちもちだぁ!」 「私がママでちゅよ!!」  幸多「違わい!!」

 「ママはあっち!!」 すー「よくわかりまちゅね〜!!」 「今からおむつ替えますねー。撮らないでね!」 「まあ!何年ぶりかしら?赤ちゃんの抱っこ!」
9月9日(火曜日)コンサートへ行く
今日は主人の謡の仲間の方からコンサートのチケットを頂いていたので、行くことに。
夕方6時半からなので、スーちゃんも学校が終わって一緒に行ける。
丁度私のお稽古が終わる4時半頃、瀬戸内高校前のバス停にスーちゃんを迎えに行く。
バス停ではもうスーちゃんが待っていた。紙を見つめては何かを暗記している様子。
寸暇を惜しんで日本語能力試験の勉強をしているようだ。
私が来るまで近くに行っても気づかないようだ。窓を開け「スーちゃん!!」とよぶ。
「あ!おかあさん!」とうれしそうな顔をし車に走ってきた。

5時半に我家を出れば国際会議場には6時過ぎには行ける。
夕飯はコンサートの後で食べる事にしたので、軽く何かお腹に入れて行こう。
スーちゃんも学生服から、あでやかなピンクのシャツに着替えて降りてきた。
スーちゃんは体格が良いので、高校の制服を脱ぎ私服に着替えるととたんに17歳から24,5歳の色っぽい女性に変身する。
ハートフルコンサートは毎年行われているコンサートで、なかなか素晴しい。
弦楽4重奏で、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの演奏だ。
文教女子大付属高校の女子高生の合唱もあり、大いに喜ぶスーちゃんだった。
2時間くらいのコンサートだった。楽しいコンサートだった。

 「ヴァイオリンの素晴しい音色にうっとり・・・」 「へえーハートフルコンサートかぁ・・・」 「二人とも寝るなよ!」

帰りには、とんかつの店 「浜勝」で夕食を食べて帰る。
「浜勝」は社長の方針でトイレ掃除をして、社員教育の為の精神修養をしたと聞いた。
接客態度は気持ちよく、行き届いた気配りがあった。しかし、ここ2年くらい行く機会がなかったのだが、今日食事に行った時、
以前の接客の気持ち良さは全く感じられない。
食べ物商売にもかかわらず、店員の髪は長く、ぼそぼそ。三角巾をかぶっているが、長いのであまり意味なさそうだ。
制服も着ているが、なんとなくだらしなさを感じる。オーダーを聞きに来たけれど、何を言っているのか分からない
そして、お皿を持ってきて置くその態度などなど・・以前の接客の素晴しさはどこへ行ってしまったのだろう。
世のたぶんにもれず、この社員たちも派遣社員なのか??
なんだか「浜勝」のファンだった一人として寂しい、悲しい気持ちになった。
自宅にもどり、お風呂にはいり、またスーちゃんと少し勉強する。

 「ゴマをするスーちゃん」 「ゴマととんかつってけっこう美味しいわ!」
9月10日(水曜日)
昨夜少し早く寝たので、今朝はすっきりした顔で起きて来た。
今日は放課後茶道のクラブがあるので、近くの桜ヶ丘高校へ行く。今朝も重そうなカバンを肩に賭出かけていった。
私は朝方窓を開けていたせいか鼻水たらたらで、くしゃみもでる。
鼻炎の薬を飲んだらめちゃくちゃ眠たくなり、家事が手につかない。お洗濯だけ済ませ横になる。
午後も気分も悪いし、ずっと横になっていた。
3時頃ようやく薬が切れていつもの調子になってきたので、遅い昼ごはんを食べ、家事をする。
主人は今日は謡のお稽古日なので、6時半に家を出る。スーちゃんも茶道なので、遅いだろう。
庭の草取りをし、洗濯を片付け、一日やりそびれた家事を片付ける。
そうしていると、なんと7時すぎスーちゃんが帰ってきた。
「お父さんは謡だから遅いよ。待つ?」と言うと、「いいよ、おかあさん待つよ」と
言うので、その間、日本語試験の勉強をする。
9時帰宅した主人の夕ご飯。アジのフライと、栗ご飯、とうがんを炊いたのを食べる。
帰宅してすぐにお風呂に入ったスーちゃんに食事の後片付けを頼み、私もお風呂に。
食事の後も日本語試験のプリントをやる。あくびばかりするスーちゃんだった。
今日はもう早く寝なさいと休ませる。それでも11時過ぎだ。
みんな風邪を引きそうなので、早く(11時半)寝る。
スーちゃんが修学旅行の調査プリントを持って降りてきた。
来月13日から5日間、スーちゃんはなんと北海道へ修学旅行だ。
なので、病気があるか、車酔いするかなどの調査書らしい。
健康体のスーちゃんは何も書くことが無かった。
9月12日(金曜日)
スーちゃんの待ちに待った金曜日。花金である。
今朝私はうっかり寝坊してしまった。携帯目覚ましを6時にかけておいたのに、
ちゃっかり止めてまた寝てしまった。
階段をとんとんと降りる音にしまった!!と飛び起きた。6時半だった。
スーちゃんは5時半頃起きて,日本語試験の練習問題を勉強したらしい。
私がまだ起きていない事に気が付かなかったのか、気が付いていてもそっとしておいて
くれたのか分からないが、どうにか間に合うように目は覚めた。
顔も洗わず朝ごはん、お弁当の準備に取りかかった。
以前お弁当に入れてやったいなり寿司が、スーちゃんに大いに気に入ったようなので
下準備だけはしていたので、すぐにお弁当は準備出来た。
味噌汁の苦手なスーちゃんには毎朝スープを用意している。
今朝は手っ取り早く温めるだけのパンプキンスープにした。これなら3分で食卓に。
後は揚げ物で誤魔化す。何とかスーちゃんが降りてくるまでに朝ごはんの準備は整った。
今日は放課後何も無いので、久々に早く帰れると喜んで出かけていった。

午前中、主人は刑務所の受刑者に謡を教えに行く日だ。
もちろん希望者だけだが、これが結構喜んで一生懸命習っているらしい。
謡仲間の方達3人くらいが月に一度刑務所に行き、普段大きな声を出す機会の少ない受刑者の人達は、
お腹から力いっぱい声を出すこの謡はきっと気持ちがいいに違いない。

私は午後から「絵てがみ」だ。府中の方へ行っている。
たいして上手でもないのだがなんとなく書いているとほっとする。気の置けない方達とわいわい言いながら仕上げていく。
これも楽しい。今日は千日紅とみょうがを描いた。

夕方スーちゃんは7時過ぎに帰宅。6時頃かなと思っていたので、少し心配したがまたいつもの様に、
先生方に捕まって何かと聞かれたり、勉強をみてもらったりしていたのかな?と思う。
帰宅したスーちゃんはすっかり疲れきった様子。毎日重いカバンを提げていくのも大変そうだ。
今日は家庭科で、刺繍をしたそうだ。これは布に自分の好きなデザインを描き、ステッチしていく。
期日までに仕上げなければならないそうで、時間の中でみんな必死に仕上げていく。
スーちゃんに言わせると、女の子は早いよ、簡単なステッチして、すぐ仕上げるの。
でも男の子はとっても丁寧に、きれいに仕上げるよ!と。
どうやら、ここでも男女逆転の兆しが現れているようだ。
夜はしばらくスーちゃんを勉強から解放してやろうと、「魔女の宅急便」を見せる。
9月13日(土曜日)
今日は留学生会館に行く日だ。
学校は休みなのだが特別に日本史と数学の先生が彼女だけに時間をとって教えてくださるらしい。
10時に学校へ行かなければならないといって弁当持参で出かけて行った。
午後はいつもの留学生会館で日本語の勉強だ。
私も留学生会館で中国人の生徒黄さんと待ち合わせているので、12時に我家を出る。
留学生会館に着くと、すでに黄さんは来て勉強をしていた。
彼女は12月の日本語能力試験で3級を受けるように勧めたので、今一生懸命頑張っている。
程なく瀬戸内高校で同じクラスのアメリカからの留学生、ジョン君も来た。ジョンと黄さんとで会話をさせる。
ジョン君は両親がミャンマー人なので、中国人に少し興味を示し、たどたどしい日本語でいろいろ質問をしている。
とにかく頑張って日本語を使おうとしているジョン君だ。きっとあっという間に会話が出来るようになるに違いない。

2時からクラスが始まり終了するとミーティング。スーちゃんはフロアーの片隅で自習しながら私が終わるのを待っていた。
私が全て終了するのは7時半。退屈したのでは?と思ったが、今日はゆっくり勉強出来たと喜ぶスーちゃんだった。
夕ご飯の後、近所の松代一家が子供を連れてくる。
スーちゃんの為に宮崎駿のアニメーションのビデオを貸してほしいと頼んだら持ってきてくれた。
松代一家とスーちゃんは初対面だ。でも子供というものは、なれるのも早い。何の違和感も無く、すーちゃんと打ち解けている。
スーちゃんも子供大好きなので、かわいいいっちゃんや直ちゃんを目を細めてほほずりしたり、抱き寄せたりしている。
夜遅くなり、お母さんが帰るといったが、二人とも我家に泊まると言い出した。
それではスーちゃんと一緒に寝ようと二階にお布団を3枚敷く。お母さんは心配しながらも、お願いしますと言って帰って行った。
二人とも興奮して、夜12時頃まで起きていたが、さすが眠くなったのか、おにいちゃんの
いっちゃんが上がると、直ちゃんも寝るーと言って後を追って上がっていった。
スーちゃんも心配しながら、2階へ上がっていく。
興奮もピークに達し、さすが疲れたか、直ぐに寝入った様子であった。
もちろん寝つきの良いスーちゃんも・・・・。

 パジャマ姿で遊びに来たいっちゃんと直ちゃん。 スーちゃんともすぐに意気投合。 今晩はすーねえちゃんとねるの〜?
9月15日(月曜日)秋分の日
今日は秋分の日でお休みだ。スーちゃんはしっかり勉強できると喜んでいる。
お休みといってもスーちゃんの起床時間は8時頃。朝には強いようだ。
「早く起きたね?」と言うと「えぇっ!!早い??」と言う。
自分ではずいぶん寝坊したように思うらしい。一緒に朝ごはんを食べ、さっそく勉強開始。
昨夜、お風呂場にある体重計の電池が無くなったので、入れ替えていると、スーちゃん「何それ?」と興味を持った。
「体重計よ」と言うと、早速自分の体重を測ってみる。61Kg.「ええっ!!」と叫ぶ。
なんと、瀬戸内高校で7月に体重測定したときは、56Kgだったらしい。
という事は・・・・2ヶ月で5Kgも増えたことになる。「うっそ〜!!」と
何度も何度も体重計に乗るスーちゃん。何度測っても61Kgは変わらない。
私も体重計がおかしいのかな?と自分の体重を量ってみるが正しい数値を示している。
5kg太ったと言うのだが、本人にはまったくその自覚がないらしい。
5kgはどこへ行ったの?と大きな目をくりくりさせるスーちゃんだ。
「スーちゃん、ゴムのスカートはいてて分からないんじゃないの?」とからかう。
「そういえば、瀬戸内高校の先生が夏休み終わって行った時「スーちゃん太ったわね」と言われたけど・・・
と心当たりがありそうだが、そうにしてもまったく太ったと自分では思えないという。若いからかな???
昨夜はスーちゃんの体重をめぐって大笑いをした。
そんなわけで、今日から我家はダイエット食に切り替えるか?と話し合う。
といいながら、「お休みなのでチョコレートケーキを作る事に・・・。
ただ本人は少なからずショックだったようで、ご飯をよそうときは今までの半分くらいを自分でよそっている。
いつまでつづくやら・・・・。
9月20日(土曜日)
スーちゃんはスピーチ大会の原稿の最終チェックと数学の先生がスーちゃんの為に特別に授業してくださる。
午後2時から4時までAFS行事が有り、留学生会館近くのホテルに行かなければならない。
先生との約束は10時に学校なので、いつものように制服を着て元気に出かけていった。

今日は私も留学生会館での日本語クラスがあるので夕方スーちゃんと会う約束した。
このところ留学生会館もいろいろな行事があるようで、私達の日本語クラスもいつも使う2階の教室が使えず、
一階のフロアーでの授業になっている。
フロアーでの授業はホワイトボードも使えない事から、それなりの授業を組み立てねばならない。
今日の入門クラスでは、いろいろな絵カードを使い、ものの名前や単語を覚えてもらうような授業をされた。
今日の学習者は私のクラス、入門は6名であった。他のクラスの学習者もそれぞれ10名位来てくれる。
5時半過ぎ日本語クラスのミーティングが終わるのを待ってくれているスーちゃん。
フロアーのパソコンをしながら待っている。
今日は私の属しているお料理グループにスーちゃんも連れて行く予定だ。
途中でミーティングを失礼して、スーちゃんを連れてそちらに向かう。
5時半からすでにスペイン人の講師を招いての料理実習は始まっていた。
30人あまりのグループで、今月の料理はスペイン料理。
なるほどグループのメンバーの娘さんが結婚されて、スペインのマジョルカ島に住んでおられ、
ご主人と里帰りされたのを機にお料理をお願いした。
ピンチョスという前菜とケーキを焼く実演だった。
朝からずっと出っ放しのスーちゃんも少し疲れた様子だったが、皆さんがいろいろ声をかけてくださるし、
愉しく料理をし、食べて帰宅した。
主人は既に帰宅し、マッサージ機に横たわり熟睡していた。
9月21日(日曜日)
今日はうれしい日曜日。昨夜が1時頃であったので、ゆっくりと起きてきた。と言っても8時過ぎだが。
気分的にリラックスしているスーちゃんだ。
主人は先日うどんをふるまった幸多君のお父さん河原さん一家の引越しの手伝いに行った。
朝から雷がゴロゴロと鳴り、外は土砂降り。だが、すでにトラックを借り準備されているらしく、雨天決行との事なので、
カッパ、軍手、タオルと準備万端で出かけて行った。
主人が早く出かけて行ったので、スーちゃんとゆっくり朝ごはんを食べる。
今日私は用事があり、午後出かける予定。スーちゃんをどうしよう?と考えたが
一人家に残しておくことにした。
昼迄時間があるので、スーちゃんと日本語検定試験の問題集に取り組む。
このところ、体重が2ヶ月で6kgも増えてショックに陥っているスーちゃん!
昨日のAFS集会でも、久しぶりに会ったオーストラリアの友達にふくよかになったスーちゃんに
ショックの言葉が浴びせられたようで、やっぱり言われてしまったと落ち込んでいた。
「私もうご飯食べない!」と叫んでいる。なので、私も協力することに。
朝はパンと野菜中心に、そしてお肉や揚げ物は極力少なくすることに。
今朝もお茶碗半分くらいのご飯を自分でついでいた。トマトの薄切りにジャガイモの加工品。
カロリー抑え目のメニューにした。二人で仲良く朝食を済ませお勉強だ。
昨夜の残りのケーキを昼前に食べ、私は出かける準備。
私が出かけたら、鍵をかけて、電話も留守電だから大丈夫よと言っておく。
「大丈夫私寝てるから」となんの不安もなさそうだったが、私が玄関を出るとすぐに
間髪居れずにガチャっと鍵をかけるスーちゃんであった。
私が用事を済ませ3時半過ぎに帰宅すると、まちあぐねていたのか、玄関口に出てすぐに鍵を開けてくれた。
「お帰りなさーい」とうれしそうに出迎えてくれた。
9月23日(火曜日)秋分の日
今日は秋分の日で祭日だ。やっと一日ゆっくり出来るのかな?と思いきや、今日も午後から学校だ。
月末までに出さなければならないスピーチコンテストの原稿を仕上げると言う。その為先生も出てこられる。

今日は私のインドの友達、ママタさんと息子ダルシャン君、そして近所の友達松代さん一家が来る。
ママタさんもなかなか日本で心からの友達が出来ずらいようで、松代さんの息子二人とダルシャン君を遊ばせたいということで、
今日は我が家でカレーを食べたり、チーズケーキを作って一日過ごす予定だ。
10時頃彼女の家に迎えに行く。スーちゃんも学校は午後から行くので私と一緒に車に乗り込む。
スーちゃんは誰にでも直ぐに溶け込んでいく。インドとスリランカは私たちにとっては同じ民族に見える。
しかし宗教も違う、言葉も違う、食べ物についてはママタさん達は牛肉は絶対食べないが、スーちゃんは何でも食べる。

二人の共通語は英語だ。インドのママタさんの母国語はカンナダ語、スーちゃんはシンハラ語である。
とはいっても、そこはすぐお隣の国、そしてスリランカへはインドから流れた人々で出来た国だ。
いろいろ共通の話題があり、学校のこと、食べ物のことなどつぎつぎに会話だすすんでいた。
我家に着くと、玲子さんはまだ来ていないが、11時過ぎには来るとの事。
ママタさんが用意してきたチャパティを丸めて、めん棒で丸く伸ばし、フライパンで焼きカレーと一緒に食べる。
ママタさんの作るカレーはとっても美味しい。こくがあって主人もとても気に入っている。
今日のカレーはひよこまめを使ったマメカレーを持って来て下さった。
玲子さん一家も揃い、みんなで昼食。スーちゃんはお昼を食べると早々に学校へと出かけて行った。
ダッシャン君と松代さんの息子達は意気投合。楽しくカードやおもちゃで遊んでいた。
私達はママタさんが折り紙がとても上手なので、この間福山のバラ祭りで習った、バラを皆で折った。
一枚の折り紙を全然切ったり、貼ったりせずこんなにきれいなバラが出来るというのは本当に不思議であり
日本の折り紙は賞賛に値すると思う。
午後からチーズケーキを作り3時のおやつで食べていると、丁度そこへスーちゃんが戻ってきた。
ところがチーズケーキは跡形もなく食べつくされていた。ごめんネスーちゃん。
9月27日(土曜日)
今朝スーちゃんは稲刈り体験に行った。朝8時半駅前集合のため、7時半過ぎに出かけて行った。
スリランカは2期作で、もちろんスーちゃんの家にも田んぼを作っているらしい。
両親が働いておられるため、人に頼んで作ってもらい食べるためのお米だけもらうと言っていた。
田んぼに関わってスーちゃんのやる仕事は、米をついばみにくる鳥を追っ払う事だそうだ。
朝とんでくる鳥に大きな声で追い払う。日が高くなり暑くなってくるともう鳥もこない。
近所の子供たちや妹たちが遊びながら田んぼの周りを走って追い払う姿が想像される。
今日はAFS沖田さんのお宅の田んぼで稲刈りが行われそうだ。
ソーメン流しも計画されているとの事で楽しみにして出かけて行った。
おまけに沖田さんのお家に泊まらせてもらうということで、ちいさなスーツケースに着替えなど入れて、
鼻歌交じりに出かけて行った。
沖田家には、ベトナムの留学生、チャンがホームステイしているので、彼女に会うのも楽しみの様だ。

今日は私も留学生会館の日本語クラスの日だ。今日は私の担当なので、いろいろ授業の準備が忙しい。
私たちの日本語クラスは初級クラスに相当する入門、中程度の初級クラス、日本語は支障なく理解、
会話が出来る中級と3つのクラスに分けている。
私は入門なので、殆ど日本語が出来ない留学生や広島に滞在している外国人を対象にして授業を行っている。
日本語が殆ど分からない為、視覚に訴える授業を行うので、いろいろ教材の準備が必要。
絵カードや、小道具、文字カードなどなどいろいろの教材を使って授業を行う。

スーちゃんは日本語も良く理解できるので、一番上のクラス中級で勉強している。
このところAFSの行事などがあってこの授業に出られない。
12月にある能力試験に向けて頑張っているので、少々いらいら気味だが・・・。
今日はお天気も良く、まさに秋晴れの稲刈りにはもってこいの天候だ。
今日は良い息抜きになることだろう。