パッちゃんと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                              愛子 記

     2005年 7月
7月某日 (Noticias de la vida de Erick )
ホアンと一緒に日本に留学していたエリックの事を覚えていますか?
コスタリカのエリックは福富町の田舎にホームステイしていた。
「見渡す限り田んぼばかり、毎日田んぼと、蛙とばかり会話してるよ〜!!」と少し退屈そうだったエリック。
彼もスペイン語圏という事で、ホアンとすっかり仲良しになって帰国して行った。
我が家にも何度か遊びに来てくれたし、今でもエリックは大切な私の息子同様に連絡を取っている。
彼は大学に通う傍ら、コスタリカのタカ空港で、アルバイトをしていた。そして自分の夢である航空会社に就職して
一日でも早く日本に行きたいという夢を一歩一歩実現しつつある。
その航空会社に就職が内定したと、連絡をくれたのは、今年初め頃だったろうか・・・。
そして、つい先日は、北米、五大湖エリー湖岸の街、Cleveland (クリーブランド)で2週間の研修を受けに行くんだと
喜びの報告をしてくれた。
その時の様子を沢山写真にて送ってきてくれた。
エリックは背も高いし、制服姿はりりしい青年である。

 クリーブランドのSubway?? 何を思うエリック・・・

 将来の夢に向かって!!  クリーブランドのダウンタウンにて・・・。

 素晴らしい友人が出来たよ!!  研修メンバー達と。

 もうすぐ日本に行くからね〜!  研修は大変だけど、楽しいよー!

 女の子だっているんだよ!  やっぱり彼が一番の友達かな・・・。

2週間の研修を終えてコスタリカに戻ったエリック。今は大学に通いながら、日曜日と木曜日に航空会社で働いている。
すこしづつだが、確実に自分の夢を手繰り寄せているようだ。頑張れエリック!!
7月3日はホアンの誕生日である。
つい先日そのエリックが、「おかさん!!僕ホアンの誕生日を一緒に過ごすためコロンビアに行くんだ!!と
又また私をびっくりさせる。「え〜!!!ほんと???」と私。
6月末から4〜5日間、ホアンのいるボゴタに行くという。
それじゃ、しっかりデジカメで写真撮って送ってねと頼んでおいた。
いまからとても待ち遠しい私である。

エリックが研修を受けたのはコンチネンタル航空。
今日新たに沢山の写真を送って来てくれたので是非ご覧下さい。

 con su companeros.  !Quiero volver a Japo'n"

 Hay muchos cursillistas de varis paises.  Erick esta trabajando en serio....

 かっこいい エリック!!  Voy a conquistar este rascacielo!!

送ってくれたエリックの写真から、将来に向かって夢を膨らませる彼をとても頼もしく思え、思わず心から
声援を送りたいと思う。
エリック頑張れ!!と。

7月某日 (Erick visito a Juan en Bogota)
7月3日はホアンの誕生日である。
コスタリカのエリックがホアンの誕生日を彼と一緒に過ごすためにコロンビアを訪れると嬉しそうに私にメールをくれた。
私もその事を知って自分の事のように嬉しく思った。
7月9日(土曜日)  (留学生 パッチャラポーン  レクノイ)
我が家に新しい留学生の女の子パッちゃんが来た。
彼女はタイはバンコクから車で2時間位のところにあるペッチャブリー(Phectchaburi)という町に住んでいる。
お父さんは警察官、お母さんは主婦。そしてお兄さんと弟の3人兄弟。
お兄さんはバンコクで大学、弟は小学生だ。
日本にはすでに3月にAFSの留学生として来ていたので、日本語も40%位は理解してくれる。
幟町の女学院高校に通うとても利発な今時!の女子高生である。
土曜日は私は今、言語研究所に終日行っているため帰りは夕方6時過ぎだ。
でも主人と私二人で彼女を迎えてやりたかったので、我が家にAFS広島支部長さんには6時半頃
彼女を連れて来て頂く様お願いした。

夕方急いで自宅に急いで帰り彼女を待つ。
やがて、6時半過ぎ、堤支部長夫妻が愛息子勇君そしてパッちゃんを伴って到着。
玄関先で出迎えた。彼女は少し顔をこわばらせながら、おもむろに私達の方に近づいてくる。
目の前で少しはにかんで、わずかに微笑むパッちゃんを”よく来たわね!!”と抱きしめる。
居間でくつろぎながら暫く歓談。少しづつ彼女の気持ちもほぐれて来た様だ。

彼女の名前はパッチャラポーンであるけれども、女学院ではルーちゃんと呼ばれているらしかった。
でも我が家では彼女が来る前に愛称を決めてしまっていた。”パッちゃん”である。
「パッちゃんでいい?」と聞くと、ニコっと笑ってOKサインを出した。
タイの友達は”パッ”と呼ぶらしい。そして”おばあちゃん”とからかわれるらしい。
彼女は1月1日生まれなので同級生の中では一番歳が上になるので、”おばあちゃん”らしい。

二階の以前ホアンが使っていた部屋は今では物置と化していたので、パッちゃんの為に片付けて
きれいにしておいた。
そして入り口には主人がWELCOME人形に”パッちゃん”と書いてぶら下げておいた。
「ここがパッちゃんの部屋よ」と言うと、目をパチクリさせて、「えぇッ〜!!!ほんと!きれい!!!」と
心から感歎の声をあげる。そして「うれしい!!!!」というパッちゃん。 あぁ!!良かった。
我が家にパッちゃんを無事送り届けられた堤さん一家は、パッちゃんに分かっても分からなくてもとにかく
注意事項を沢山言って帰って行かれた。
我が家ではホアンに続いて二人目の留学生である。でもパッちゃんは女の子。
その点ではホアンの様に、いくら夜遅く帰ろうがほったらかし状態だった我が家の流儀は通用しない。
きっちりと帰宅時間を決めなければならないし、私達の心構えも変えなければならないなぁ〜・・・!

二階に上がって荷物を片付けて降りて来たパッちゃん。腕の中には抱えきれないほどの缶詰を持って。
そして、「これお父さん達にお土産です」という。見ると、ライチの缶詰、何かスープのタレみたいな缶詰。
なんだか辛そうなルーの入った缶詰など等沢山である。
こんなかぼそい女の子が、こんな重〜い荷物を持ってきたんだなぁ〜!!
とびっくりするやら、感心するやら・・・。
とりあえず今日はパッちゃんをリラックスさせて、タイの家族の事や学校の事など
何気ない雑談をして過ごす。
そして、明日は日曜日なので、パッちゃんの希望を取り入れて宮島に連れて行く事にした。
今夜は早く寝なさいとお風呂に行かせて休ませる。
さてさて明日からパッちゃんとの奮闘記の始まりである。

7月10日(日曜日)パッちゃんと宮島へ。
朝8時半起床。
私が起きてゴソゴソしていると何とパッちゃんが起きてきた。
まだ6時半である。
「どうした?もう起きたの?」と声を掛けると、「おはようございます」と丁寧に挨拶する。
きっとまだ緊張しているのかもしれない。
朝ごはんのお味噌汁を作り、いつもの簡素な我が家の朝食風景で始まった。
パッちゃんも顔をあらい、服を着替えお手伝いをしてくれる。
彼女の好みはまだ分からないが、いつもの我が家の献立である。
お味噌汁はパッちゃん好きなようだが、納豆は例にもれず苦手の様子。

      

    

今日は宮島観光をするのだが、あまり天気が良さそうにない。
しかし主人にとってはパラグライダーへの迷いがないので安心しきっている。
パッちゃんはというと、私達が彼女の希望をさっと取り入れて、宮島に連れて行って
もらえるということで、とてもうれしそうである。
10時過ぎ家を出る。せっかく宮島に行くので、この際岩国にでも足を伸ばして
錦帯橋も行ってみようか・・・・などの道中いろいろ考える。
お昼前には次第に雲行きがあやしくなり、雨がぽつぽつ落ちてきだした。
宮島に着く頃には雨脚もだんだん烈しくなり、ついに本降り状態である。
でもパッちゃんは楽しそうである。
桟橋近くの駐車場に車を置き、乗船。すべてが始めての経験のぱっちゃんにとってもこうして
船に乗る事ひとつをとっても目新しく、心ウキウキするようすである。
持参したデジカメで雨に煙る宮島の鳥居さんを撮ったり、お父さんと並んで記念撮影などを楽しんでいる。
あまりにも雨足が強いので、持ってきた1本の傘では間に合いそうに無い。それぞれに買う事にした。
お店の軒先に一本400円、少し気の聞いた柄模様の傘は500円位で売っている。2本の傘を買い求める。

こんな雨の日でもやはり宮島は観光地だ。
赤ちゃん連れの外国人家族に出会って、パッちゃんがびっくりして挨拶していた。
女学院高校の英語の先生のようだ。
外国人のみならず、日本人の家族連れなども雨の中鹿と戯れたりしながら
表参道を雨を縫って散策している。
つい先日メキシコのアンヘレスと彼女の従兄弟であるパブロを連れて宮島へ来たばかりである。
しかし誰が雨男?雨女なのか2度とも雨にたたられてしまった。
梅雨が明けたばかりのこの季節、じとじとと湿気が肌にまとわりつく。
そんな気持ちとは裏腹にぱっちゃんはこの宮島を楽しんでくれている。
それだけでも救われる思いである。
少し疲れたので、お店で少し休むことに。もみじ饅頭製造直売のお店である。
お店で涼みながら、美味しいお茶を頂きほっと一息つく。
パッちゃんも日本のお茶は好きと見えて、お饅頭もぺろっと食べてしまった。
汗も引き一息ついた。時間も午後3時過ぎを廻っていた。
帰りはおみやげ物屋さんの並んでいる裏どうりを通る。
時折それこそバケツをひっくり返したような雨に観光客はずらりと並んで
お店の軒下で雨脚の弱まるのを待っている。
私の持ってきた傘は、傘をさしていても傘を通して頭の上にポツポツとしずくが落ちてくる。
靴も足元もびしょびしょである。
雨宿りがてら一軒のおみやげ物屋さんに入る。
そのお店には所狭しと観光客の喜びそうなグッズが並べられている。
パッちゃんも目をキラキラさせてお店の中の商品を見ている。
私はぱっちゃんに甚平さんを一着買う事にした。
パッちゃんに買ってあげるからどの色がいいか聞くと、
はにかむように「いいです!それはダメ!」と遠慮する。
いいから、どの色がいい?と聞くと、紫を選ぶ。
セットで下駄も買う。パッちゃんはとてもうれしそうに顔に喜びを満面に表している。
そして、主人がパッちゃんに「これでパッちゃんの好きなお土産を一つ買いなさい」と
お小遣いをに渡す。
思いもかけなかったパッちゃんは主人にもいらないと何度も言っていた。
次第に私達のこころを読み取ったパッちゃんは、子供らしいしぐさで主人からのお小遣いを受け取り、
自分なりに時間をかけてお土産を何にしようかと考えていた。
そして遂に選んだお土産は日本人形であった。
天秤棒のように肩に桶を担いだ(潮汲み)お人形さんを選んでいた。
そんな買い物に時間を費やしている間に、先ほどうつすように降っていた雨も少し小降りになる。
錦帯橋にでもと思ったが、余りにも雨が沢山降るので、又の機会にと・・・家路を急ぐ。
パッちゃんとも一日宮島を散策して、だいぶ気心が知れてきた。
パッちゃんは「おとうさん、おかあさんありがとうございました」とはっきりと感謝の言葉私達に伝える
とてもよい子である。

    私女の子です。お手伝いもちゃんと出来ます。  パッちゃんのつくったタイ料理。辛いかな?どうかな?

  

    伝言板に「お弁当がおいしかった!」とうれしいメッセージ!!!   ふふふ・・・絵も上手なぱっちゃん!


    広島女学院高校に通うパッちゃん。少し不安かな?       おとうさん、おかあさん 行ってきます!!

我が家に来てすぐに女学院に通うルートをバスに乗って練習。
5〜8分あるいたところのバス停からバスに乗ること40分あまり。駅で下車すると歩いて10分くらいで学校だ。
今日は登校日初日。いままでは毎日のように遅刻ぎりぎりだったというので、なるべく早く起こして出かけさせよう。
そんな計画で、私も早めに起き、パッちゃんの朝ごはんとお弁当を作る。
初日はなんとパッちゃん6時過ぎには一人で起きて来た。「おはようございます・・」と可愛く挨拶。
きっとまだ緊張しているのかな?
3人で朝食。パッちゃんは話をしていてもとても楽しい子だ。
いろんな事を話してくれる。ホアンの時も毎日夜遅くまで時を忘れて話をしたことを思い出す。
パッちゃんが学校が始まるのが8時15分なので、余裕をもって7時前には出かけて行った。
「行ってきます」というパッちゃんの後姿を手を振りながら見送る。


7月11日(月曜日)
パッちゃんが来て早々に可愛そうで心が痛むのだが、前々から計画していた旅行がある。
主人のパラグライダーを兼ねたバリ島旅行である。
15日から20日まで6日間家を留守にする事になる。
という事で、パッちゃんはAFS広島支部長さんのお宅に20日まで預かっていただく事に。
14日の夕方、パッちゃんを連れて再び堤さんのお家に伺う。
堤さんのお宅には息子さんの勇人君がいる。私達ののバリ旅行の話しや、夏休みの過ごし方など
いろいろ話をし、明日朝が早いので早々に失礼する。
堤さんはパッちゃんを海水浴に連れて行って下さるとの事だったが
パッちゃんは水着を持ってきていない。
「大丈夫です、私のを貸しますから・・・」と言って下さっていたので、パッちゃんを抱きしめ、
「早く帰って来るから待っててね」と言って失礼する。
堤さんと我が家は来車で20分位の距離である。
主人と帰りながら、「女の子だから、やっぱり水着持っていってやろうか・・」と言う事に。
我が家に帰った主人は、パッちゃんの部屋にある水着を持って、取って返し再び堤家へ。
主人の話では、伺った時はぱっちゃんはトイレに行っていて姿は見えなかったので、奥様に預けて
帰ろうとした時パッちゃんが出て来て、「おとうさん!!!」とうれしそうだったようです。
まさか自分の為に、わざわざ水着を持ってきてくれたということが信じられなかったのであろう。
でもそんな心から喜ぶパッちゃんを見ると、すでにパッちゃんが孫感覚の主人には
たまらなく、うれしい気持ちだったのであろう・・。
我が家に遅く帰ってきてもニコニコ顔の主人であった。
明日は5時半起きで、福岡空港に出かけないと。
バリ島旅行は主人のHPに

  堤さん一家と近所の方々。浜田へ海水浴に。  ぱっちゃんは子供大好き!!!

  パッちゃんの留学生友達、同じく女学院のキャロラインちゃん。  どうですか?私達の水着姿!!!!大人っぽいかしら?

    堤さんに連れて行って頂いた、パッちゃんの浜田海水浴の写真です。

7月20日(水曜日)
我が家に来てすぐにAFS広島支部長さん宅に預けられてしまったパッちゃんだったが
海水浴に連れて行ってもらったり、同じ女学院の留学生キャリーちゃんと仲良く過ごしたようで安心する。
無事バリ島旅行を終えて帰宅したその夜早速パッちゃんを迎えに主人は堤さん宅に出向く。
きっと「私はどうなるんだろう・・・」などと不安な気持ちになったのではないかとパッちゃんの気持ちを推し量る。

夕飯の支度をしながらパッちゃんを待っていると、玄関で「ただいまぁ〜!!!!」と元気な声。
「お帰り!!!」とパッちゃんを抱きしめる。
バリで買ったパッちゃんへのお土産のゲタを渡すと、「きれい!!ありがとう!!」と感激の様子。
夕食を一緒に食べながら、お互い留守の間のつもり積もったお話をし合う。

さてこれからパッちゃんは夏休みに突入である。
昼間仕事をしている私たちは、パッちゃんを日中どうするかで頭を悩ます。
近所の方々にもすでにパッちゃんを連れて、一軒一軒紹介して歩いた。
何かあればいつでも手助けして下さるけれども、そうそういつもというわけにはいかない。
パッちゃんも毎日一人ぼっちでは退屈であろう。
そんなわけで、さてさて明日からをどうするかについて話し合うことにした。
パッちゃんは我が家でコンピューターを使っているのを見ると、理解は早いし、とても器用に使いこなしている。
タイAFS自体もホームページを作り、世界各国に留学している友達の様子が逐一わかるようにしている。
パッちゃんもデジカメで撮った写真を本部に送って、自分の近況報告などをしているようである。
そんな訳で主人はパッちゃんに自分のホームページを作ることを提案。
「それいい!!やりたーい!!」と目をキラキラさせるパッちゃん。
それじゃー、明日から会社に一緒に行って、お父さんがHPの作り方を教えてやろう!!と張り切る主人。
これで決まりだ。
「夏休みといっても、パッちゃんはお父さんたちと一緒に朝ごはん食べるんだぞ!!」と釘を刺す主人であった。
そんな事いろいろ話しているうちにもう11時半だ。あっという間に時間がたってしまう。
パッちゃんと話をしているととても楽しい。
でも、パッちゃんもこうして話しながら、まだ数日の私たちがどんなホストファミリーなのかまだ心の中で
不安と期待が入り混じった気持ちなんだろうなぁ〜・・・と思う。
早くパッちゃんが安心して我が家に落ち着けるようにしてやりたいと思う。

7月30日(土曜日)
今日は主人の友人の方の新築レセプションに招かれている。
言語教室を終え、迎えに来てくれた主人とパッちゃんと合流。
おまけに今日は宇品で大花火大会があるのでそれにも出かける予定だ。
レセプションは6時半から30分間であったが、折りしも稲光がし、どういうわけかその30分の間だけ
突然の夕立に見舞われてしまった。
でも”雨降って地固まる”で幸先が良いと考えよう。この突然の雨で湿度は100%に達し、じとじとと
洋服が体にまとわりつく。
さすが暑い気候に慣れているパッちゃんも閉口の様子。

    

    

    

電車で花火会場である宇品港に向かう。電車の中は花火客でいっぱいである。
電車を降りると既に打ち上げが始まっており、遠くでパンパーンと音がする。
空を見上げると、大輪の花火に人々の歓声があがる。
間髪いれずに次から次から打ち上げられる様にパッちゃんも目をキラキラさせてきれい!を連発。
なるべく近くで見ようと、人々の流れに任せて歩く。
ところどころではシートを敷き、座って空を見上げているグループもある。
だいぶ海に近くなってきたところで、私たちは止まりしばらく空の大輪の花火を堪能する。
パッちゃんはデジカメに納めようと必死でシャッターをきったり、動画を撮っている。
あまりの綺麗さに時折り人々の拍手が沸きあがっている。ほんとに綺麗だ。
最後を彩る豪華な花火を見届けると、混雑を避けるように少しづつ帰り支度を始める。
私たちもあまり混まないうちに電車に乗ろうと、振り返り振り返り花火を見上げながら、電停に急ぐ。
それでも我が家にたどり着いたのは11時前であった。
でもなによりパッちゃんが喜んでくれたので疲れも吹っ飛んでしまった。

7月31日(日曜日)パッちゃんと田舎へ。
今日はパッちゃんを連れて私の田舎に行く。
ついこの間、私の母は家の近くの川に足を滑らせて落ち、足を骨折してしまった。
今は西条の病院に入院中なので、田舎をまわって病院に行こうと思う。
パッちゃんを兄夫婦に紹介するためと、飼い犬クロちゃんにも会わせてやろうと思っている。
パッちゃんのタイの家にはなんと6匹も犬がいるらしい。お母さんが大の犬好きだそうだ。
さてさてクロはパッちゃんを見てどんな反応をするだろう。楽しみである。
丁度お昼時に田舎に到着。兄夫婦はお昼の食卓を囲んでいた。
早速私たちも仲間入りで一緒に昼食のご相伴に預かる。パッちゃんは少し恥ずかしそうにしていたが
ざっくばらんな兄夫婦なので、すぐに打ち解ける。
クロちゃんをあやすぱっちゃんの腕の中でおとなしくしている。
滅多とクロは人に抱かれないらしく、嫌がってすぐ逃げ出してしまうそうだ。
兄達もおとなしくしているクロを見てびっくりの様子。
やはり私みたいにそばを通るだけで噛み付かれる者と、パッちゃんのようにすぐに安心して抱かれる犬と
犬はどこを見て判断するのかなぁ〜・・・・。
きっと私は以前の犬に対する恐怖が頭にあるので、目がおびえているのかもしれない。

夕方近くまで畑でトマトを収穫したり、クロちゃんと戯れて田舎でゆっくりしたので、母の病院に向かう。
パッちゃんも去年曾おばあちゃんが95歳でなくなられたらしい。とってもぱっちゃんを可愛がっておられたみたいで
パッちゃんもそのおばあちゃんが大好きと言っている。田舎から一時間車を走らせ病院に到着。


    

パッちゃんは私の母を見るや、「かわいい!!おばあちゃん!」と言ってベッドの母に近づいて行った。
すでに痴呆症状の母なので、私が誰であるかもわからない。私を見てペコンと頭を下げる。
「お母さん、私よ。誰かな?」と言っても、娘の認識はまったくないので、むなしくなるだけ。
母は昔、現在入院している病院の看護婦であった。悲しいかな今もって現役の看護婦だと思っている。
それが証拠に、パッちゃんが「おばあちゃん!」と言って母の手を取り話しかけると、なんとパッちゃんの手をとって
脈を取っているではないか。これには私もつい笑ってしまった。
母の頭の中には、かろうじて、自分の長い看護婦時代の事だけが記憶に残っているようである。
でもそのお陰で私たちは学校に行かせてもらい、現在があるのだから、やはり私をわかってくれなくても、
母はいとおしい母である。
パッちゃんはほんとに優しい子だ。私がものの5分くらいで「パッちゃん帰りましょう!」と言うと、
「もう帰るの?もう少し」とせがむ。
それもそうだな・・・・ともうしばらく母ととりとめのない話をする。パッちゃんは母と一緒に写真を撮って!と言って
母の手をとりVサインをさせる。母もなんだかうれしそうである。
「それじゃーまた来るね・・・」と母に別れを告げ病院を後に。
今日は西条のアンヘレスも我が家に泊まりに来たいと、待っている。
「私が長女だから!!!」と少しパッちゃんにジェラシー?????
やれやれレイナに、アンヘレスにパッちゃんが稲垣の一番娘たらんとして火花を散らしている。
でも私たちにとってなんとうれしく、ありがたい事だろう!!可愛い彼女達に感謝、感謝でいっぱい。