ホアンと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                              愛子 記

     2005年 2月
2月11日 (金曜日・建国記念日) Cumpleanos de Angeles
先日のマルタの誕生日に続き今月はアンヘレスの誕生日である。
外国では家族の誕生日は重要なセレモニーらしい。誕生祝のプレゼントを贈ったり
日本では歳の数だけのローソクを一気に吹き消すように、外国でもそれに似た事をするようだ。
私の家族で言えば、子供達また夫婦間でもこれまでについぞそのような事をした事は記憶にない。
主人がこのような事が余り好きではないので、ついついこういったセレモニーとは無縁であったが
アンヘレスは前々から2月11日は私の誕生日よ!と豪語していたので、日本に来てそんなにパーティなんて
してもらう事もなかろうと思い数人の人に声をかけ誕生会をしてやる事にした。

街中のレストランもいいのだが、なかなか私の頭の中にここぞ!というお店が浮かんでこない。
いっその事山奥の静かなレストランはどうだろう!!
そこで思いついたのが、パラグライダーの初心者が練習する牧場が山奥にあり、そこにあるレストランは
結構評判がいい。「よし!あそこに決めた!」
スペイン語で一緒の真美ちゃん、知子ちゃん、アンヘレスに日本語を教えている奈保美さん
そしてアンヘレスの友人達・・・マルタとブラジルの友達アンドレ。
アンヘレスに誰か呼んでもいいよ!と言うと、エンリケも!と言う。
エンリケはスペイン出身でアンヘレスも懇意にしている友達のようだ。私はまだ会った事はない。
そして大阪からアンヘレスの誕生日の為に駆けつけるアドゥアというカナダの女性友達も来るという。
ついに9人が集まる事に。これは盛大に誕生会が出来るなぁ〜・・・。
言い出しっぺなので、一応どんな事をするか構想を練る。
レストランに大体の予算を告げ、人数分の料理をお任せコースで御願いする。
場所は甲立の山中なので、我が家から車で1時間だ。
地理に詳しい西条の奈保美さんがアンヘレスやマルタなどを誘導して車2台で来てくれる。
一週間前の大雪で、まだこの山の中では雪が残っているのではないだろうか・・・心配になったので
日曜日に田舎へ帰る途中下見がてらちょっと立ち寄って見た。
道路の脇に雪かきをした雪が山になって積まれていたが、道路はまったく雪はなく安心だ。
当日はお昼をめざして集まることにした。
我が家へは真美ちゃんと知子ちゃんが来るので、車一台で出発する。
レストランのテージャスランチに着いたのは12時少し前。まだ西条からの一団は来ていない。
アンヘレスへはプレゼントに花かごを用意した。そしてメッセージを書いてもらう為小さなカードを用意した。
知子ちゃんや真美ちゃんに彼らが来るまでにお祝いメッセージを書いてもらう。

メリハリを付ける為にビンゴゲームも楽しいかと思い、市内のおもちゃ屋さんに行きカードと
ビンゴの機械本体も買う。
こんな山奥にこんな寒い日に来る人はなく、このレストランはほぼ私達の貸切状態だ。
空いた長椅子にプレゼントを並べる。
奈保美さんが近くまで来ている様子なので、湧永庭園の駐車場のところまで迎えに行く。
丁度2台の車が着いたところで、ジャストタイミングであった。
さて、すでにテージャスランチの奥さんが私達の予算で適当にメニューを考えて作った下さり、暖炉のそばの
丸テーブルにセッティングしておいて下さった。
みんな席に着き、シャンペンならぬジュースで乾杯。
スペイン語で「Cumpleanos Feliz,Cumpleanos Feliz que deseamos feliz, Cumpleano Feliz!!!」を合唱し
用意した花かごを手渡す。アンヘレスのうれしそうな顔にほっとする。
暫く歓談しながら食事を頂く。
煮込みハンバーグにピザ。そして豆をたまねぎなどで煮込んだもの。
ここのピザは外に釜が作ってあり時間に合わせて焼いて下さる。今日の様な寒い日にはもってこいだ。
アンヘレスは彼女の性格からか素敵な友達に恵まれている。アンドレも紳士的だし、エンリケも好青年。
カナダのアドゥアは以前広大に通っていたので、その当時からのアンヘレスの友達のようだ。
現在は大阪在住で、NOVAの先生をしているらしい。
こうしてアンヘレスの誕生日にわざわざ駆けつけるというのも、アンヘレスの人柄か・・・。
食卓の料理も大分平らげられ、みんな会話が弾んでいる。
そろそろ第二段、ビンゴゲームに入ろうと、食卓を片付けてもらう。
マルタが出た数字を読み上げてくれる。最初はなかなか揃わなかったが、ぼつぼつカードが
虫食い状態になってきて、”ビンゴー”という声が高らかに!!
後のテーブルに置いてあるプレゼントが大きな袋から手中に納まっていく。
みんなそれぞれに工夫して、素敵なプレゼントにみんなの顔がほころぶ。
みんな一品はもらったので、うらみっこなしでビンゴゲームも終わる。
寒いけれど、少し外の空気を吸おうとみんな外に出る。外では乗馬も出来るようになっている。
天気が良ければ目の前の牧場でパラグライダーの練習風景が見られるのだが、先日の大雪だ
足元はぬかるんでいるので、今日は人っ子一人いない。
みんなの注目の的になるので、だれも乗馬に挑戦する人も居ない。
注目の的ならまだよい、小さい私は以前に乗った時、足があぶみに付かなかった。
これは止めた方が良い。
彼らにとっては、日本の冬は耐えがたい様で早々に中に入ってしまった。
そろそろ3時のお茶の時間だが、せっかくの誕生日、ケーキの準備をしていなかった。
真美ちゃんがテージャスランチのママさんに一応尋ねてみた処、運良く一個あった。
これでバースデーケーキも確保!
テーブルには丸いパウンドケーキが鎮座ましている。皆さん思い思いにコーヒー、紅茶を注文。
アンヘレスがケーキにナイフを入れると、みんなでハッピーバースデー」の合唱だ。


  !Que feliz!  とてもうれしいです!!  Cuantos anos tienes?   No se... それで何歳? さあ〜!  外国では歳なんて気にしないのよ!! 「あんな事言ってる!」

  アドゥアも大阪から来てくれたのね、ありがとう!  「いいえ 、どういたしまして!大好きなアンヘレスの為だもん」  Martha le gusta perro. 犬好きのマルタ。

  「Tengo un perro en Mexico」 私も犬飼ってるのよ!   「わたしんちにはイチゴっていう猫がいるよ・・・」奈保美さん  バースデープレゼント”愛のこもった花かご”メッセージを添えて

  「さあ!ケーキは私が切るわね」Vamos a cortar la tarta!  「飛脚の前で”ハイ、 patata!!」 向こうではパタタなんだって。  うれしそうなマルタ、真美ちゃんと」

私達のいる間に他のお客様も余りなく、殆ど貸しきり状態で、ゆっくりと過ごせて皆さん喜んでくれた。
今日は大阪から来ているアドゥアが夕方帰らなければならないと言うので、そろそろこのレストランともお暇する事に。
奈保美さんの提案で、その近くにある、「飛脚」に寄る。
日本の古い民家の作りで、駐車場に車を入れると、目を丸くする彼等。
そして、「素晴らしい!!」を連呼。とても彼らの気に入った様だ。
中に入ると天井からぶら下った”ちょうちん”、古い民具などにまたまた目を光らせて、マルタなどは
携帯で一杯写真を取り込んでいる。
良かった!彼らの喜ぶ顔をみて、私達も大いに感激!
ここで、甘酒、おしるこを頂いて、いよいよお別れだ。私と真美ちゃん、知子ちゃんは広島へ。
奈保美さん一行は西条へと引き上げて行った。
アンドレ、エンリケ、アドゥア、マルタ心から喜んでくれた様子に、「良かった!」と胸をなでおろす。
そして、真美ちゃん、知子ちゃん、奈保美さんにも心から感謝!
春になったら、次はアンドレの誕生会を兼ねて桜見物を計画中。