パッちゃんと稲垣夫婦のホームステイ日記
愛子 記
2005年 12月 |
12月 5日(月曜日)生まれて初めての雪!! いつものような朝。出かける準備に時間のかかるパッチャンは、「おかあさん、5時半に起こして」と言う。 となると、私は5時起きか・・・。タイマーを掛け、携帯もセットし、5時起きに備える。 まだ暗い時間だが、起きて何かしらしているとあっという間に時間が過ぎる。 あ、もう5時半だ。ぱっちゃんを起こしに2階にあがる。 パッチャンは返事をするとたいていちゃんと起きて下りてくるので安心だ。 お弁当を作ったり、朝食の支度をしていると、主人もおきてくる。外に新聞を取りに出た主人、「大雪だぞ!!」 その声に私も恐る恐るサッシのカーテン越しに外を覗くと、ああぁーっ、すごい真っ白だ。 「パっちゃん!雪よ!!!」と言うと、この雪を待ち焦がれていたパッちゃんは外にまっしぐらに駆け出して行った。 「うわぁ〜!!!すごい!信じられない!!うれしい!!」とありったけの言葉で慶びの気持ちを表現する。 南国の子なので、きっと寒さに震えあがるに違いないと思っていた私たちは、きゃあきゃあ言いながら外で デジカメ写真を撮りまくるパッちゃんにびっくりする。かえって私の方が寒さに身体は硬直し、写真を撮って撮ってと せがむパッチャンに「寒いから早く中へ入ろうよ〜!!」という始末である。 あちらこちらで、パシャパシャと写真を撮りまくったぱっちゃん、ようやく日本の始めての雪を堪能したようで はぁはぁと荒い息をして、「寒〜い!!」と言いながら部屋に入ってきた。 そして、まるで雪を楽しむように、にこにこ顔で学校へ出かけて行った。 女学院の周りの木々も雪化粧。市内がこんなに雪をかぶるのも珍しい。 我が家の庭ほど雪が無かったので、すこしつまらなそうであったが、今日一日雪を楽しんだパッチャンは 元気で帰って来た。 お友達は雪のため、半分以上の人が遅れて来たらしいが、パッチャンが休まずそして、遅れずに学校に行っていたので クラスのお友達はみんなびっくりしたそうだ。 今日はお天気も良かったので、市内の雪はパッチャンの希望には叶わず、夕方までにはほぼ消えてしまった。 パッチャンが雪を見て感動する姿をみて、私たちはぱっちゃんのピュアーな心に感動をした。 |
12月 5日(木曜日)コロンブスの卵! 私たちは夕食の後何時間もパッチャンといろんな話をする。 パッチャンも一日あったこと、タイの身近な話題、家族の事、いろんな事を話してくれる。 今日は主人得意の「コロンブスの卵」をぱっちゃんに教えた。 絶対不可能と思っていることでも、案外常識を覆す事が、可能だという事を教えるため 卵立てをする。 根気強い私はたいてい真っ先に生卵を立てる事が出来る。 でも今日は、ぜったい無理だと思っていたパッチャンが一番に卵立てに成功した。 これにはびっくり!! ぱっちゃんの性格は、どちらかと言えば、何事にも雑で、神経集中が難しそうにみえる。 食事をしていても、たいていお箸は落とすし、何かをひっくりかえしたり、なんだか危なっかしいパッチャンだ。 そんな彼女に卵立てなんてとても出来ないだろうと思っていたが、「出来た!!」と一番乗り。 続いてやっと私も立った。これにはパッチャンがびっくりしている。 たまごが立つなんて・・・・・。自分が出来た事が信じられないという表情だ。 そして、自分の出番とばかり、主人の説教が始まる。 しばらく私たちは主人の演説より、卵の立つのが嬉しくて、何個も何個も立てては驚嘆の声を上げた。 パッチャンもしばらくそれで遊んでいた。 |
12月 4日(日曜日)国語能力試験を受ける 今日は東広島の広島大学で、国語能力試験が実施される。 この受験資格を得る為には、本屋さんで受験番号をもらう為の願書をもらって、本部の方へ送らなければならない。 すっかり願書提出の手続きをわすれていて、締め切り当日AFSの堤さんの方からの連絡で、慌てふためき広島市内の 本屋さんと言う本屋さんに問い合わせたものの、願書の提出用紙が全く無い!! タイに帰ってからでも同じ試験は受けられるらしいのだが、日本で受けてこその国語能力試験なので、ぱっちゃんの 落胆した顔をみているとなんとかしてやりたい!! あちらこちらに問い合わせて、どうにか追加の申し込み受付があるという事を教えてもらった。 少し超過の金額が必要だったが、書類を出し、どうにか受験番号をもらう事が出来た。 ぱっちゃんも、自分もうっかりしていたことを反省し、受験できるようになった事を大いに感謝してくれた。 パッチャンのお友達で、ドイツのテレサが、山口から我が家に一泊して、一緒に行くようにしている。 彼女も3級を受けるようだ。 朝、パラグライダーに行く主人が、ぱっちゃんとテレサを広大まで、連れて行った。 今日は先日の雪もあって、とても寒い一日だったが、頑張りまあす!と元気よく出かけていった。 結果は、多分パッチャンがタイに帰ったあとで届くみたいだ。 |
12月 10日(土曜日)餅つき、しめ縄作りに挑戦 今日は毎年恒例のAFSの行事、餅つきとしめ縄作りに挑戦である。 日ごろ会えないAFSの留学生が顔を会わせる事の出来る機会でもあるので、ぱっちゃんも楽しみにして 出かけて行った。 私たちにとっては、なんでもない事でも、パッチャン達留学生にとっては全てが新鮮で驚きの連続であろうと 思われる。なぜこんな事をするんだろう?とか、しめ縄作りも、見よう見まねで作ってみると、日本人の思いつかない 思いがけない作品に仕上がったりする。 後で話を聞くと、ぱっちゃんもオーストラリアのキャロラインも、とても上手にしめ縄を作ったそうで、編み上げて 輪っかにした周りに飾った花は、タイらしいアレンジとなっていた。 縄を編むのは、農家のおじさんでも熟練しないと、なかなkむつかしい。でも我が家に持って帰った作品を見ると ちゃんと緩まないように仕上げたいた。 お餅をついて、美味しいぜんざいも堪能して帰ってきた。 |
12月 11日(日曜日)お話コンサートでスピーチ 今日は駅前の留学生会館で「お話コンサート」がある。 このお話コンサートというのは、HIroshima Overplaces People's Education HOPEプロジェクトが主催し、独立行政法人 国立オリンピック記念の子供夢基金からの助成金で昨年度から開催されている。 ぱっちゃんが女学院で日本語を出張教授頂いている須藤とみゑ先生が事務局をつとめておられる。 前日の中国新聞にもお知らせ記事が掲載されたのだが、沢山の空席があり、もっともっと沢山の人に聞いて頂きたいほど 立派な催しだった。 始まりは午後一時半からだったが、リハーサルの為パッチャンは朝9時前には出かけて行った。 キャロラインは「もったいない」のお話、パッチャンはタイで有名なお話らしいのだが、「りっぱな犬」というのを 朗読した。 お話コンサートでは、キャロラインちゃんは美鈴が丘高校の竹内信太郎君と二人で「もったいないの話」を朗読。 他にも、RCCラジオでおなじみの、三浦ひろみさんも参加。内モンゴルの弓 暁寧 さんの楽器演奏や、日高徹郎さんの 朗読もあった。 ほんとに、沢山のスタッフがこのお話コンサートを企画進行されているのを思うと、もっともっと沢山の人達に聞きに来て頂きたい と切に思った。 来月は1月21日(土)にやはり留学生会館で13:30〜15:30まで行われます。 是非是非聞きに行って下さい。(参加費は無料です) |
12月 18日(日曜日)もっと沢山の雪が!! 昨日の土曜日、私はひどい腰痛で動けなくなってしまった。 それでも言語クラスはどうしても行かなければならず、這うようにして病院に行き、注射をしてもらい どうにか土曜クラスを終えて帰宅。 今日は主人も「寝ていなさい」と言うので、横着をさせてもらう事に。 朝、再びパッチャン待望の雪が降った。 布団に横になっていると、ドンドンバタバタとぱっちゃんが嬉しそうに階段を上がったり降りたりして どうやら沢山の雪に大興奮の様子。 おとうさんと市内、縮景園に雪景色を見に行くと言う。 出かけた後、そろりそろりと起き出して下に降りてみると、「おかあさん、さみしいしないでね、すぐかえるよ」と 机の上にメモが置いてあった。可愛いぱっちゃんである。 縮景園は春のサクラの季節にパッチャンは行った様だ。そして想像力豊かな、ぱっちゃんは、雪の縮景園を想像し 絶対きれいだから、どうしても連れて行ってと、おとうさんにせがんだらしい。 案の定デジカメに納めて帰った数々の雪景色の写真は、それはそれはきれいで、はっとさせられる思いであった。 普段見なれて当たり前と思っている景色も、彼女の新鮮でイメージ豊かな感性に、感心させられる。 横になっていたら、だいぶ楽になってきたので、下に降りて二人の帰りを待っていると、顔いっぱいに喜びを表わすように ぱっちゃんが帰ってきた。「おとうさん、すっごい優しい!!」といので、どうしたの?と聞くと、縮景園も行った、平和公園も 行った!と広島市内の雪景色を堪能して帰ったようだ。よかったねぱっちゃん。 今日は突然の今年の寒さに、我が家のボイラーもストを起こしてしまった。 湯が出ない!! そこで近くのスーパー銭湯に行く事にした。 |
例年になく雪の多い年になった。 ホアンの居た年は年明けにうっすらと降った程度だったので、それをぱっちゃんに言うと、とても目をキラキラさせて 喜んでいた。 「今年の雪はぱっちゃんの為に降ったみたいね!!」 |
12月25日(日曜日)パッちゃんの誕生会 一月一日はぱっちゃんの17回目の誕生日である。 以前からお友達を何人かよんで、誕生会をしてやろうと思っていた。 同じクラスの恭子ちゃんと連絡を取り合って、ぱっちゃんの仲の良い友達や、この間のスピーチコンテストに 来てくれたお友達をよぶことにした。 そして、11人のクラスメートが来てくれることになった。 朝、作戦開始である。主人がパッチャンを連れ出す。パッチャンはお年寄りが大好きで、特に母に会いに行くのが 何より楽しみなので、まず母の居る施設に連れて行く事にした。 その間に我が家にお友達は到着し、パーティの準備をする段取りである。 10時半過ぎに11人のお友達が到着した。部屋に入ってもらい、食卓の準備や部屋の飾りつけをしてもらう。 グループで仲の良い真美ちゃんが「ルーさん、誕生日おめでとう!!」と大きな紙に書いてくれた。 モールやクリスマスの残りのミラーボールなど、賑やかに飾り立てる。 主人が我が家に近くなった時、携帯をいれてくれる。そうそう!玄関の靴も片付けておかなくちゃ! 準備万端。車の音がした。私は外にぱっちゃんを迎えに出た。 「おかあさん、今からね、おとうさんとパラグライダーに行くからネ!」とぱっちゃん。 「そうなの、寒かったでしょう!とにかく部屋に入ってお昼ごはん食べたからね!」と部屋に連れて入る。 ドアーを開けたとたん、クラッカーがパチッ!!パーン!!」とはじけた。 びっくりのぱっちゃん、目を白黒させて、「どしたん!!みんなここで何しとるん!!」「えー、信じられない!!」 奈度と次から次にびっくりのパッチャンは思いつく言葉を叫んでいる。 「おかあさん、どうしたん?信じられない!!」と。それを見ながら、お友達もみんな「るーちゃんおめでとう!!」を 言ってくれる。 こうしてセレモニーも一通り完了。皆さんに食卓についてもらい、お昼を皆で食べてもらう。 皆さんのお話も弾んで、そろそろ日も落ちてきた。可愛い女の子さんたちなので、あまり遅くなっても心配されるので そろそろお開きにする。皆さんへのお礼にと思って、ビンゴゲームで私からのプレゼントをみなさんに用意した。 ビンゴで上がった人から好きな包みを取ってもらった。 今日はパッチャンにとってびっくりの日だったけれど、とても喜んでくれたので、安心した。 主人はパッチャンを連れて帰ると、そのままパラグライダーに行ってしまった。 帰ってぱっちゃんへのプレゼントを見た主人も、「パッチャン良かったね〜!!」と慶んでいた。 ホアンの時も同じ様にサプライズパーティをしてやった事を思い出した。 |