パッちゃんと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                              愛子 記

     2005年 8月
8月1日(月曜日)
パッちゃんは子供が大好き!!
会社への出掛けに松代さん宅に産地直送きゅうりを届けに寄る。
いっちゃんは小学校一年生、弟直ちゃんは2歳半である。
パッちゃんを見て少しはにかむいっちゃん。え!!もうこの年で女の子を意識するの??
ぱっちゃんはタイでは3人兄弟で、弟は6歳。毎日バイクの前に乗せて学校へ弟を連れて行くという。
「弟大好き、とっても可愛い!!」と言う。
すぐに直ちゃんを抱いたりいっちゃんと仲良く話をし、上手にコンタクトをとるのである。

    

 私たちが帰った後、いっちゃんはえらくパッちゃんファンになってしまって、
プリクラに是非一緒に行こうということになったらしい。
パッちゃんはプリクラ!!と聞いただけで飛び上がるほど喜ぶので、
近いうちに松代一家とお出かけする約束がととのった。
8月12日(金曜日)Viajamos a Tokyo!
夏休みに入る前に、主人はパッちゃんに、「夏休みどこか行きたい所があるか?」と聞いた。
すると、すぐさまパッちゃん 「富士山が見たい!!」と言った。
パッちゃんにメロメロの主人は、「そうか、そうか!じゃぁ〜3人で登るか!」という事になった。
私たちのお盆休暇は13日から16日までの4日間である。お盆休みをフルに費やすようだ。
パッちゃんは目をウルウルさせて「信じられな〜い!!」を連発し大喜びであった。
富士登山となると、かなりの装備が必要である。
パッちゃんの為に登山ズボン、カッパ、靴下、帽子、ジャケット等と言った物を揃えなくてはならない。
急に決めた事だったので、ここ数日であわてて登山準備に取り掛かり準備をした。
主人とパッちゃんは連れ立って近くのデパートでまずズボンとカッパを買い揃え、その他のセーターや帽子、
手袋などはすべて私の物で間に合わす。
果たして日本一の富士山にパッちゃんどこまで登ることが出来るだろうか。
聞けばタイには富士山ほど高い山は無いという。
それにパッちゃんも一度も登山の経験は無いようだし・・・・不安がよぎる・・・・。
それに加えて、私たちの体力である。(私は元気だけが取り柄なので自信はあるが・・問題は主人!!)
とにかく無理をせず、登れる所まで登ろうという事になった。
富士山に登れば、あの美しいご来光は拝みたい。という事で、富士山7,5合目の山小屋ホテル(?)に宿を確保する。

今回の旅行予定は下記の通り強行軍・・・。。
   12日(金) ブルートレイン
   13日(土) 河口湖経由富士山五合目 13:00 登山開始
           夕方:7合目 白雲荘宿泊
   14日(日) 1:00 登山開始  5:00 御来光  お鉢巡り → 富士山新五合目 泊(品川)
   15日(月) 東京ディズニーランド
   16日(火) デイ¥ィズニーシー  17:00 東京発 (新幹線)帰途

さて12日仕事を終えて早めに帰宅。今夜の夜行寝台列車で東京出発だ。
まだ実感の沸かないパッちゃんをせきたて、我が家を後にする。
広島駅には由也君や安芸府高校時代のクラスメイトである田谷君とエリカも来てくれた。
田谷君もエリカちゃんも私自身久しぶりだったので、本当にうれしかった。

 

さて出発時間も近づいたので、彼らにしばしのお別れを告げホームに入る。
東京行きのブルートレインは私も初めてで、パッちゃんと一緒になってつい子供みたいにうきうきしてしまった。
指定の私たちのベッドは2階なので、下の方に迷惑にならないようにとパッちゃんに注意する。
何もすることもなし、ベッドで横になっているうち、うとうとと眠りについてしまった。
寝過ごさないようにと携帯の目覚ましをセットしておいた。これで目が覚めれば東京だ。
8月13日(土曜日)Viajamos a Tokyo! y Monte Fuji.
さて翌朝は早くから目が覚めてしまった。
夜寝る前に東京に居る長男に電話して、時間があればパッちゃんも紹介したいし、会いましょうかね?と伝えておいた。
夕べの彼の電話で、雨が土砂降りだけど、大丈夫なん?と心配してくれていたが・・・今日はどうだろう。
実際来る前の天気予報もあまり芳しくはなかった。
朝目が覚めると、雨は降ってはいなかったが、カラッとした良い天気というわけにはいかなかった。
パッちゃんも起き出してゴソゴソし始めた。
東京から富士宮駅まで行き、バスで富士山5合目に向かう。
5合目に着くと既に沢山の観光客、登山客でごった返していた。
パッちゃんとトイレで着替えを済ませ、さていよいよ登山開始だ。

登り始めてすぐに、若い学生さんが「すみません、ちょっと写真を撮ってもらえますか?」と声を掛けてきた。
快く承諾し、カメラを構え写真を撮ってあげた。女性一人を含めた5〜6人のグループであった。
パッちゃんはすぐにその一人の女性をみると、「タイ人かもしれない・・・」と言う。
声を掛けてごらん!と言うと知らない人でもすぐに気軽に声をかけるパッちゃんは、すぐにタイ語でベラベラと
話しかけると、果たして彼女はタイから日本に来て勉強しているという。
住む町は違ったようだが、同国人という事で、しばらく歩きながら、パッちゃんと彼女は会話が弾んでいた。
そのうち、若い彼らと、スピードの遅い私たちとは次第次第に距離が開きだし、そのうち彼らは見えなくなってしまった。

  

  

歩くこと3時間、だんだんとパッちゃんも音を上げだしてきた。
暫く歩いては休み、暫く歩いては休みして、目指す山小屋に着いたのは5合目を
9時半頃から歩き始めて5時間後くらいであった。
その間雨に遭い、寒さと疲労で歩かなくなるパッちゃんを励まし励まし、何とか今夜眠れる8合目の山小屋に到達した。
山小屋はお盆の登山客で、すし詰め状態。狭い場所に足と頭を互い違いにして眠らなければならない有様。
そんな状態ではあっても、とにかく体を横に出来るだけで良かった。
パッちゃんも私もそしてもちろん主人も疲労困憊状態。
夕ご飯に出されたカレーを食べると、すぐさま眠りにつく。


8月14日(土曜日)Vimos del sol naciente
窮屈な場所で足を伸ばすもママならず、高山病にかかったのか頭が痛く、
熟睡は出来ずただ体を横たえただけの一夜であった。
明け方・・・と言うか午前1時過ぎ、山小屋の方が「ご来光を見る方は起きて下さ〜い!!出発時間ですよ〜!!」と
声を掛けて起こし回っている。主人と私は疲れ果てたパッちゃんをどうするか・・・登るか、やめて降りるか話し合った。
少し行っては「こころが痛い!こころが痛い!!」と心臓の苦しさを訴えるパッちゃんをなだめすかしてここまで来た。
「これ以上もう無理だと思う」と主人。でもここまで来たんだから・・・・と私。
とにかくパッちゃんの意向を聞いてからにしようという事になった。
パッちゃんを揺り起こすと、顔を歪めながらぐずる。「どうする?頑張って登る?それとも、もうこのまま降りるか?」と聞く主人。
まだ疲れの取れきっていないぱっちゃん、しばらくぼーとしながら考えていたが、「登る!!」と言い出した。
実は、タイの友達に富士山に登ることを宣言したらしい。朝日も見ずに降りてしまった!ではどうも恥ずかしいと思ったらしい。
絶対に登ると言い張るので、「じゃーとにかく出発しよう!」という事になった。
雨でびしょびしょになったカッパを再び身にまとい、パッちゃんも私も、ぐしょぐしょになった登山靴を履く。
靴下までぐしょぐしょでは気持ち悪いので
予備に持参したのと、山小屋売店で一足買い足し新しいのを履く。
「さあ!出発だ!!」
薄暗い足元をヘッドライトで照らし、ゆっくり、ゆっくり歩き始める。霧雨も降っている。
すでに支度を整えて出発した登山客が列を成して登り始めている。

  

自分のペースで歩くこと1時間。再びパッちゃんの「こころが痛い!!」が始まる。
かつて大学時代山登りの好きだった主人は息の吸い方、吐き方をパッちゃんに教える。
ゆっくりと大きく息を吸って、またゆっくり吐き出すようにと・・・・
私もやってみる。それを10回ばかり繰り返すと、すこし呼吸が楽になった。
2時間ばかり歩くと、パッちゃんはどど〜!!と山道の脇の大きな石に横たわってしまう。
「5分だけ!5分だけ!」と言いながら。
夜が白々と開け始め、遂に朝日が昇り始めた。3400メートル付近である。
頂上まではあと300メートル位である。
「ここらで、ご来光を見よう!!パッちゃんはもう無理だ!!」と主人。
あまり無理をして担架が要るようになったら大変!!である。
私自身も頂上まで登るには少し辛いなぁ〜と感じていたので、ここらあたりでサンライズを見ることに決定。
私たちと同じ様に頂上まで行かずにご来光を拝もうとする人たちもあちらこちらにみられた。
正面はるか雲の間から朝日は昇り始めた。パッちゃんも目をキラキラさせて朝日の昇るのを見ている。
トマトのような赤さである。富士山からみる朝日は格別で、荘厳な気持ちになる。
しばらくその美しさに他の言葉も無く、ただ心を洗われるような思い出眺めた。
すっかり日も昇り、登る人、下る人、まだ座って休む人等・・・。

  

  

私たちはそのまま少し横にそれた山道をそのまま5合目へと下る事にした。
パッちゃんもすっかり元気を取り戻し歩き始めた。
足が痛いと言い出したパッちゃん、どうも靴が小さくて痛いようだ。私のと取り替える。
1時間ばかり下った頃から、足を突っ張るようにして下るせいか、次第に足先が痛くなってきた。
それとは逆に俄然元気を回復したパッちゃんは、自分一人でどんどん先を歩いて下って行く。
私は足先が、主人は腰が痛くなりだし、ゆっくり、ゆっくりのペース。
どうにか音を上げる事なく無事5合目まで降りてきた。5合目の広場には登山客であふれかえっている。
私たちもしばらく休憩したあと、バスで富士宮まで降りることにした。
”二度とこんな苦しい目はしたくない”と思いながら登った富士登山だったけれど「喉元もと過ぎれば熱さ忘れる」と
言う諺どおり、なんだかその苦しさはだんだん薄れていってしまった。
とは言え、もう富士登山する事はないだろうなぁ〜と思いながら、富士山をあとにする。

さて東京に戻ると今日はゆっくり休んで、いよいよパッちゃんお待ちかねのディズニーランドである。
パッちゃんも、喉もと過ぎれば・・・・状態で早く寝るどころか、夜遅くまで、いつもの明るさで私たちを笑わせたり
エンタティナーぶりを発揮して興奮状態であった。


8月15日(月曜日)Jugamos en Disnyland
いよいよパッちゃんお楽しみのディズニーランドである。
バスがホテルから出ている。予約した時間は11時なので、ゆっくりと朝食を頂く。
ホテルのバイキング料理である。
泊り客の大半はすでに出発したとみえて、朝食に来ている人はまばらであった。
このホテルはディズニーのスポンサーのようで、ホテルのあちらこちらにディズニーランドに関するエヴェント情報や
ディズニーキャラクターが置いてあり、ポスターも貼り出されている。
泊り客は台湾とか中国といった東南アジア系のお客さんが多く見られる。
行き交う言葉もなんだかチンプンカンプンわからないが、その言葉や洋服などから台湾中国あたりの人だなっとすぐわかる。
ディズニーランドには30分位で到着。
昨日の富士登山時の天候とはうって変わって今日は暑い太陽が照り付けている。
一日このディズニーランドのテーマ館やイヴェント館を見て回るのかと思うと、興奮気味のパッちゃんとはうらはらに
気の遠くなりそうな私たちだった。
パッちゃんもとろとろ歩く私たちと一緒だともどかしそうなので、一考を案じて別行動をとることにした。
パッちゃんにお小遣いを渡し、夕方の会う場所と時間を決め、好きなところに行きなさいと解放してやった。
物怖じするかと思いきや、”ヤッター!”とばかりにあっという間に人ごみの中に消えていった。

  

  

  

  

  

  

  

パッちゃんは同年代の日本人の女の子を「可愛い!!可愛い!」と、眼をウルウルさせて言う。
そして、すぐに近寄って行って、一緒に写真撮影をおねだりするのである。
パッちゃんのデジカメの中には、そんな可愛い写真が沢山収められていた。
夕方所定の場所に、きっちりと約束どおりの時間には帰ってきたパッちゃんであった。
聞いてみるとイヴェント館はほとんど入らず、写真ばかりを撮りまくっていたようだ。
タイでは、パッちゃん達の様に世界各国に留学したAFS生のホームページがあるらしい。
とにかくそのホームページにディズニーランドへ行ったことをアピールしたいらしい。
結果パッちゃんは写真の写し方も、自分がどの角度で取られると一番可愛いか、どんな笑い方が可愛いか等
よく研究しており、上手に撮り撮られしているのが面白い。

夕食を東京に居る長男と約束していたので、品川駅まで帰り、4人で食事をする。
明日は東京最後の「ディズニーシー」を訪れる。

8月16日(火曜日)Visitamos a Disnysee
今朝は最後の日なので、時間を惜しむため一番のバスで出発する。
7:30出発なので、朝食の時間はとても忙しかった。ゆっくり朝ごはんを食べるパッちゃんをせかし、せかし
バスに乗り込んだ。今日は夕方には広島に帰るので、夕べのうちに、富士登山でいらなくなった、服やリュックなど
ホテルから広島に送っておいたので身軽である。
ディズニーシーに着くと、すでに開園前のお客さんが長い行列を作って待っていた。
開園は9時半だという。あ〜ぁ、まだ一時間ある。
ならんでいると、小雨も降りだしてきた。土砂降りでないのがせめてもの救いだ。
開園時間になり、みんな堰を切ったようにお目当てのエベント館に急ぐ。
私たちが前もってチェックしていた所と同じだったようで、みんな一斉に同じ方向目指して突進していく。
そこまでしなくても・・・・と私たちは途中から力尽きて、ゆっくり歩くことにした。
ディズニーランドは夢の世界、おとぎの世界だが、このディズニーシーは冒険、アドベンチャーがテーマの様である。
私たちの最初に目指した館は、ジェットコースターで荒海に乗り出し冒険をするようなイヴェント館だった。
パッちゃんも大喜びだったが、いざものすごいスピードで走り出すと、ぎゃぁ〜!!!!と絞り出すような悲鳴をあげていた。


  

  

  

  

今日もパッちゃんは訪れる先々で写真を撮りまくっていた。
昨日パッちゃんにお小遣いを少し渡してやったが、案外お金にはしっかりしていて、あまり無駄遣いはしない女の子である。
彼女の買ったものといえば、ミニちゃんの被り物とサングラスだけで、お小遣いをもらったのが嬉しかったようで、私たちにと、
大きな缶入りのクッキーをひとつ買って私たちにプレゼントしてくれた。
パッちゃんと丁度おみやげ物屋さんでお土産を物色している最中の事、なんだか足元がゆらゆら揺れているような感触がした。
あたりを見回すと、天井からぶら下げてあるもの等もゆっさゆっさと揺れている。
「あ!!地震だ!!」私たちの他にも気がついて、地震よ!!という声がする。
あたりがだんだん騒然としてきた。そのうちお店の店員さんが、「落ち着いて下さい!!」と大きな声で言って廻っている。
私たちもその場に立ちつくして、しばらくじっとしていた。
あとでわかったことだが、あの東北での地震であったようだ。
その地震のせいで、いくつかのイベント館がショーやアトラクションを中止していた。

今日はもう広島に帰らなければならないが、地震で新幹線にも影響が出ている事も懸念し早めに引き上げることにした。
東京駅についてみると、さほどの影響はなく、既に買っている切符も早めの時間に変更することが出来た。
こうして無事に夜、9時過ぎに戻ることが出来た。
さすがのパッちゃんも少々疲れ気味で新幹線の中ではずっとよく眠っていた。
辛かった富士登山、楽しかったディズニーランド・シーは彼女にとって良い思いでとなったに違いない。

8月22日(月曜日)Erick vuelve a Hiroshima!!!!
パッちゃんが来て毎日、毎日があっという間に過ぎていく。
8月もすでに20日を過ぎ、パッちゃん達の夏休みも残り10日足らずだ。
今日は月曜日、パッちゃんは女学院高校茶道クラブのお稽古日なので、午後からは学校へ行く予定。
朝はまだ眠そうな様子だったので、そのまま家に置いて私は会社に出る。

丁度お昼時であった。お弁当屋さんの昼食をほんの箸をつけたその時だった、
突然ドアーが開き、背の高い青年が入って来た。
「アレッ!!!どこかで見たことのある顔だけど!!!うっそ〜!!
エリックではないか!!!!!!!」
私は一瞬声が出ない。数秒の沈黙の後、「え〜ぇッ!!エリック、エリックなのね!!」
その声に主人もすぐにドアの方に目をやる。
エリックはにこにこと微笑みながら、195センチの長身の体を少し前かがみに
さっそうと私たちの方に近づいてくる。
私はすぐに席を立ち、エリック!!!!と再会の喜びでエリックを抱きしめる。
「おかさん!!!」とエリック。あまりの身長差に私は背伸びをしてエリックとハグをする。
そして今度はおとさん!!と駆け寄る。
主人もすっかりハグに慣れてか、エリックとしっかり抱き合っている。
今度は喜びを表わす為、エリックのほっぺをつねってみる。「あ〜!!うそじゃないのね!!」
エリックはずっとニコニコしている。
再会の喜びをかみしめていると、今度はレイナと越君がやおら事務所に入っている。
彼らもニコニコとうれしそうである。
ひとしきり再会の喜びに浸った後、「いつ日本に来たの?飛行機はどうだった?
いつまで日本に居れるの?」と矢継ぎ早に質問する。
先ほどまでお昼を食べていたのはすっかり忘れてしまっていた私、
主人はとにかくみんなでお昼を食べておいでと言う。
私は食べかけのお弁当をしまい、近くのうどん屋さんにみんなを案内し、お昼を食べに行く。

エリックもほんとにうれしそうで、お互い歓談しながらおいしいうどんに舌鼓を打つ。
エリックは20日に日本に来て、二日ほど、福富町のエリックのホストファミリーであった井上さんの所に
泊まり、22日の今日安芸府のホアンの友達であった越君やレイナと連絡をとり広島にやってきた。
以前エリックとチャットをしたときに、8月にはパッちゃんに実際会えるから・・・・とチラッと書いていた。
私は「どういう事?」と思いながらも、さほど気にしていなかったのだが・・・・
ああ!こういう事だったんだと改めて感激する。
でもこうして忘れずにたずねて来てくれた事に私たちは大感激した。
外見は日本に来ていた時と殆ど変わっていないけれども、今エリックはコスタリカの大学に行きながら
コンチネンタル航空で夜数時間働いている。
お陰でこのたび日本に来たチケットは誰も変えない様な超格安!!(コスタリカ往復2万7千円)
そのうえビジネスクラスで来たらしい。
ほんとにすばらしい!!!!

20日から一週間の予定で滞在し、友達に会ったり、今福山に留学生として来ている
コスタリカの女の子にも会いに行く様だ。
一週間の短い日程の中で、我が家にも今日と25日26日と三日間泊まってくれることになった。
今日はとりあえず越君やレイナ達と午後からボーリングに行こうと話がまとまり、皆事務所を後にする。

今日パッちゃんは女学院高校の茶道クラブのお稽古日なので、午後から学校へ行っている。
パッちゃんはエリックとはすでにホットメールのチャットで会話はしたことがある。

彼らはボーリングで時間つぶしして、5時頃に再び帰ってきた。
夕方お稽古が終わるパッちゃんを皆んなで驚かせてやろうという事になった。
お稽古を終えて広島駅まで帰ったパッちゃんが「おかあさん、
一緒に帰りましょう!」私の携帯に電話して来た。
丁度いい!!!レイナ達は一足先に我が家に帰り、パッちゃんを驚かせるべく待機。
そこへ私がぱっちゃんをつれて何食わぬ顔で部屋に入ると、
そこにエリックやレイナ、越君が居るという段取りである。

パッちゃんを外で少し待たせておいて、「鍵無くしちゃった!
裏から開けるから待っててね」とパッちゃんを外で待たせる。
玄関を開け、パッちゃんを中に誘導。すると、今にエリックとレイナがニコニコとして座っている。
それを見たパッちゃん、一瞬「エッ!!何?何で?」と言う顔。エリック??と言いながら、
じーとエリックを見つめるパッちゃん。
「エリックわかるよね?」と私が言うと、「うん、わかる」と少し顔をほころばせながら、エリックに近寄り挨拶。
まだなんだか狐につままれたような顔のパッちゃん。

そして、食卓の方へ進むと、暗い食卓の一番奥の椅子に越君が座っている。
越君はパッちゃんを再び驚かせようとわけのわからぬ韓国語をベラベラ喋りながらパッちゃんを迎える。
その声に顔は一瞬不安そうで、後ずさりする。
パッちゃんは越君とも初顔合わせである。
でも何度かチャットで声に覚えがあったパッちゃんは「え〜!!!越君ん????」と再び目を白黒。
もういちど戻りながら、「えーーーー!!」とまともに顔が会わせられないパッちゃん。
越君を横目に見ながら、「こんにちわ・・・」と恥ずかしそうに頭をチョコンと下げている。
越君も「こんにちわ!!パッちゃん!!」とニコニコ顔で挨拶。
これでパッちゃん驚かせの儀式は終わった。皆ではははは・・・・と大笑い!!
今夜の夕ご飯はとても賑やかで、楽しい食卓となった。
あとで由也君もエリック来日の朗報に、仕事を終えて駆けつけてくれ、一段と楽しい再会となった。
明日仕事のある由也君は夜遅く帰って行き、エリック、越君は我が家泊で夜遅くまで話に花が咲いた。

 エリックとこんな再会夢見たいね!! コスタリカ往復¥27,000.-だよ。安いでしょ!

 「きっとホアンのやつ羨ましがっているよ!」 ここにホアンが居れば一番いいのにね!!

 ホアン兄ちゃん!早く来てね!!とパッちゃん。 よくこうして集まったよね〜!!

 「私けっこう飲めるのよ!」とレイナ ホアンが来てくれるのはいつの事かしらね・・・。



8月25日(木曜日)
パッちゃんの夏休みも残るところあと数日だ。
今日はエリックや越君達と夕方コンサートに行く予定だ。
エリックは少ない広島滞在を一分一秒を惜しむように心から楽しんでいるようだ。
夕方のコンサートには時間があるので、昼前に事務所に来てどうするか考えていたが、
かつてホアンや安芸府のクラスメート達と楽しんだ水尻の海水浴場に行くと言って出かけて行った。
エリックは通っていた賀茂北高校ではあまり友達が出来なかったけれども、ホアンを通し越君や、由也君、レイナ達、
そして安芸府の友達とも友達になれた事をとても感謝し、喜んでいる。
そして越君達もこうしてエリックを歓待し、一緒に時間を過ごしてくれることをとても私は嬉しく思っている。
ここにホアンが居ないのは少し寂しいけれども・・・・。


 パッちゃんもレイナもおいでよ〜!!気持ちいいよ! 仲良くダイビング

 コンサートを満喫し、彼らが我が家に帰って来たのは11時くらいだったろうか。
パッちゃんは2〜3日前から少し鼻水っぽい。
週末にはAFSのキャンプがあるけれど、熱でも出さなければいいが・・・・。
8月26日(金曜日)
エリックは昨日、今日と稲垣泊だ。
ホストファミリーである福富の井上さんの家でも歓待を受け、しっかりホストファミリー孝行はしたようなので、
安心して彼と過ごすことが出来る。

昨日コンサートで久しぶりに会った安芸府の女の子達に今晩も一緒にカラオケ行きましょうと誘われたらしい。
それに賀茂北高校の先生とも会う予定とかで、忙しいスケジュールのエリックだが、
私も会社に出なければならないので彼らにかまっていられない。
パッちゃんも彼らと一緒に楽しく過ごすだろう。

夕方エリックから電話が入り、ダイヤモンドシティーにいるという。
丁度私も帰宅時間に近かったので、エリックと一緒に帰るべく迎えに行く。
身長180センチ近くのエリックはどこに居てもよく目立つ。
ダイヤモンドシティーの1フロアーでエリックを見つけ一緒に今晩の夕食の買い物をして帰る。

買い物をしていると、安芸府の友達からрェ入る。
昨日のコンサートで会った彼女達で、夕方の時間をどうするかの電話だった。
「僕にとっては、今夜おとうさんとおかあさんと夕ご飯の時を過ごすほうが大切だ」とか何とか言って、
10時に会う約束をしたと言う。
じゃー今夜何が食べたい?と聞くと、きゅうりとタコの酢の物だと言う。
これは、ホアンが居たとき我が家に来たエリックに私が料理して出した一品らしい・・・・(私はよく覚えていない!)
で・・・タコ、きゅうり、など等買い物を済ませ帰る。
エリックが我が家で過ごすのは今晩が最後だ。
「そうだ!夕ご飯の支度が出来るまでに、すぐ近くにあるスーパー銭湯に行っておいで!」と薦める。
ホアンとエリックはとてもお風呂が好きで、よく二人で行っていた。
主人に少し早めに帰ってもらい、二人でお風呂に。
この提案にエリックは大喜び!!おまけに夏の甚平さんをプレゼントしたので、
これまた目をウルウルさせて喜びエリックだった。
真新しい甚平さんを着て、おとさんと二人で銭湯に出かけて行った。
10時に約束したエリックは、今夜はいつ我が家に戻るか・・・・・いやカラオケにでも行けば明日の朝かも・・・・。
待っていられない私達はさっさと床に就く。


8月27日(土曜日)AFS 世羅キャンプ
エリックは結局夕べは帰らなかった。
朝、友達の携帯に連絡すると、皆でカラオケ喫茶で過ごしたという。
今日は福富のホストファミリーのところに帰り、AFSの行事である世羅のキャンプに参加する予定だ。

8時に本通りの近くで待つエリックを主人が迎えに行く。
眠そうなめをこすりこすり、エリックは帰ってきた。
でもとても楽しかったと満足そう!
今日はパッちゃんも12時に支部長さんが我が家にパッちゃんを迎えに来られる事になっている。
このキャンプでは余興があって何か出し物を用意しておくようにという事だったらしい。
パッちゃんはそのためにタイの民族衣装を用意して来ていた。
私達が見せて!見せて!とせがむと、のりのいいパッちゃんは「恥ずかしいよう!!」と言いながらも
二階に上がって行きお召し変え。そろりそろりとあでやかな民族衣装に身を包み降りてきた。
「すごいい!!!きれい!!」と言うと、はにかんでポーズをとるパッちゃん。
主人は写真!!写真!!とデジカメをもってウロウロ。
エリックも「かわいい!!」と目をキラキラさせる。
民族衣装というものは、着物にしてもしかりだが、本当に美しいものだ。
よく考えられ、機能的で美を追求した衣装だなーと私達も感動!!
「かわいい!!」という私達に気をよくしたパッちゃん、キャンプで踊るのであろう、手を上に上げ、
舞踊の一部を私達に披露。ほんとに可愛いパッちゃんである。

土曜日は私は忙しい。ほぼ一日言語研究所のクラスがあるので、パッちゃん一人を残し、
主人はエリックを福富につれて行き、その足でいそいそとパラグライダーである。
私も少し鼻水が止まらないパッちゃんが気になりながら、市内へ急ぎ出かける。


 かわいいパッちゃんを囲んでハイ!ぱちり。 「私かわいい?」少し恥ずかしそう・・・

 かわいいパッちゃんと記念写真。 僕ちょと眠いネ・・・・。

 ははは・・・そんなとこ写さないで!!! 後ろ姿の方が、セクシー???





  AFS 世羅キャンプ 写真
パッちゃんは8月27日28日とAFS主催のキャンプに出かけて行った。
エリックも同じAFS留学生に囲まれて楽しそうだ。
今エリックの国コスタリカから一人の女の子がAFS留学生として福山に来ている。
ホストファミリーは、かつてホアンが来ていた時のハビエルのホストファミリーである荒木さんだそうだ。
エリックは今回の日本訪問で彼女にも会うために福山にも訪れた。
そして世羅のキャンプでもお互い楽しく過ごしたようで、こうして4年後のエリックを見ると、やはりとても大人びて
立派になったな〜と実感する。
この世羅のキャンプでは自分の実体験、AFSとのかかわり等に関するスピーチをするのだと言っていた。
ただ、エリックはキャンプ2日目の28日にはもうコスタリカに帰国しなければならない為、夜は泊まらずに
福富で最後の夜をフォストファミリーの井上さんと過ごす予定のようだ。

  エリックお兄さんとキャロライン・パッちゃん・コスタリカの彼女。

 誰が一番セクシーかしら?? エリック・・・・「う〜ん、いい気分だなぁ〜!!」

 宵闇迫る頃、これから花火なの!! お風呂上りのくつろぎタイムでハイポーズ!!

 タイの民族舞踊を披露するパッちゃん。 「皆さんどうでした?私きれい?

 

8月28日(日曜日)AFS 世羅キャンプ終わる
今日は日曜日。キャンプを終えてパッちゃんが帰ってくる。
掃除をしていると、越君が我が家にやってきた。
ここの処、越君とパッちゃんはお互い意気投合してとてもいい友達関係となっている。
キャンプを終えて堤さんに送ってもらいパッちゃんが帰ってきた。
ただ参加する前から少し鼻水と微熱があったので心配していたが、案の定あまり調子は良くない様だ。
堤さんから「夕べは遅かったのでキャンプが終わってまっすぐ帰ってきました。ゆっくり寝かせてやってください」と
言われる。
パッちゃんも、疲れた様子でそのまま二階の自分のベッドに上がっていった。

近くのスーパーに買い物に行っていた越君が帰ってきた。
「パっちゃんを驚かせてやろう!」と言って2階に上がって行った。そしてすぐに二人仲良く降りて来る。
パッちゃんは大の友達である越君が来たとあっては、疲れも何も吹っ飛んでしまったらしい。
そして夕方までキャンプの話や、クラスの話などして楽しい時を過ごしたパッちゃんだった。