ホアンと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                                   愛子 記

12月15日(日曜日)『久しぶりにパラグライダーを』
!Como vuela el tiempo!
時の経つのが何と早い事か!飛ぶが如くである。

今日は久しぶりに神の倉に来てみた。
パラきちがいの主人は相変わらず神の倉に週末毎、日参している。
最近では帰った瞬間の顔を見れば、『あ〜ぁ、今日の飛びは満足だったんだな!』とか
『あ〜ぁ、今日はぶっ飛び不完全燃焼だな〜・・・』とか想像出来る。
最近はちょっと、不完全燃焼気味かな?

今日は朝からお天気も良い。朝から沢山のフライヤーが神の倉に終結。
山へ上がり先ずダミーが出るのを見てから・・・・とベテランフライヤー達は様子見の構え。
私は穏やかにぶっ飛びでいいのだから・・・と早々に準備を始めた。
主人は『もしかすると、あのあたりでサーマルあるかもしれんぞー』とアドバイスをくれる。
それでは!と2〜3人テイクオフしたのを見て、続いて飛び出す。
いつも行き当たりばったりのフライトなので、運が良ければトップアウト(テイクオフより上昇する)
出来るわ・・・くらいの思いしかない。
今日はその運の良い日にあたっていたのだろう。テイクオフ前方に行ったあたりで
高度計がビビビ・・・・と鳴る。もしかしてサーマルか!ちょっと廻してみよう!
ああ・・・上がる!上がる!延々と廻し続けて遂にトップアウト。
其れをテイクオフで見ていたフライヤーの人達は我先とばかり、忙しくキャノピーを拡げ始める。
それを飛びながら”高見の見物”というのもまんざらでは無い気分である。
それから先はやっぱり、ベテランフライヤーと下手っぴの私との違いである。
しばらくすると、サーマルをはずし高度計はブーブーと下降音ばかり。
もういいや!と私はさっさとサブラン目指して一直線。20分余りのフライトであった。
ランディングして空を見上げると、色とりどりのキャノピーの花が咲いていた。
今日は荒谷山で2本飛べた。今日はほんとに運が良かった。
2本目も1本目をはるかに上回る高度に到達し、30分ばかりのフライトが楽しめた。
一方主人は・・・というと、今日の運を私が全部使い果たし、主人には廻っていかなかった様だ。
全部ぶっ飛んでしまい、最近、とみにエアー漏れの激しい機体のせいにする事しきりであった。

   

ランディングにいると、携帯が鳴る。見ると越君から久しぶりのメールだ。
『おかさん!今日もしかして誕生日だったっけ?』  『うん?誕生日?』
誕生日なんてとっくに忘れちゃった私だけど、越君何を思ったか、突然聞いてくる。
『おかさん、もう先月過ぎちゃったよ。でも有難うね!思っててくれて』とメールを返す。
思い起こせば丁度去年の今ごろだった。家に帰った私をホアンが玄関から
中に入れさせず、『おかさん、ドライブ行こう!どこでもいい行こう!』と誘うのである。
お腹空いてるから、食べてから行こうと言っても聞かないホアン。
しかたないな〜・・・とぐるぐる10分位ホアンに連れまわされた後、家に帰る。
家に入ったとたん”おかさん!ハッピーバースデー!!!”と麗奈、越君、由也君、愛ちゃん
が大きな花束を持って私を迎えてくれた。あまりの嬉しさにびっくり!!
変なことするホアンだ・・・・と思い思いドライブした訳がようやく分かった私だった。
皆はこの事を忘れずにいてくれたんだ・・・と胸が熱くなってきた。

                                     

早いもので、越君達も今年は3年生で受験真っ只中である。
彼は、九州の国際大学へ行くと言っている。由也君はオーストラリア留学・・・と
それぞれの道を夢を持って進んでいる。さてさて、当のホアンはどうしたろう・・・・。

夜になると今度は、由也君から『おかさん、誕生日おめでとう!!おかさんとこ長く行ってないよね
久しぶりにおとさんの話も聞きたいし、冬休みになったら行くね〜!!』とメール。
今度は、あのネイバーさんの愛ちゃんからだ。
『おばちゃん!お誕生日おめでとう!!愛は広島市立大学に行く事にしたよ!
またおばちゃんのとこ行くからね!愛もスペイン語勉強してるんだよー』
こんな嬉しいメールを入れ代わり、立ち代りくれるなんて、なんと私は幸せな事か!
みんな有難うね!!本当に有難う!!とってもうれしかったよ。

今日はパラグライダーも満足だったし、それにも増して、こうして沢山の嬉しい
メールをもらって最高に幸せな一日でした。

                                  
12月17日(火曜日) 『』
コロンビアのホアンには、こちらから何度か荷物を贈ってやった。
10月頃であったが、ホアンが「おかさん、荷物贈った」と言っていた。
けれど、待てどくらせどいっこうに届かない。
いかに言ってもと心配になり、ホアンに電話した時に聞いてみた。
主人はお国事情が悪いので、1〜2ヶ月は待つ覚悟でないとな〜と言い
ホアンには言うな、自分の国の事を嘆かせるようなものだから・・・と言う。
どうしたものか?と思っていたら、私が聞く前に、「おかさん、荷物返ってきた」と
言うではないか。「どした!」と聞くと、箱の横に抱える為の穴が明いている。
その穴がダメだと言って荷物が返されて来たそうである。
もう一度、ちゃんと封をして贈るから・・・とホアン。
そんな事が有って、すでにかれこれ一ヶ月になる。
はてさて、クリスマスのうれしい贈り物として届いてくれれば・・・・と
心待ちにしている私である。

                      

ホアンは安芸府の皆さんより一足先に、11月でコロンビアの高校を卒業した。
12月8日には自宅で卒業を祝ってのパーテイだと言っていた。
卒業に際しては、通っている高校の校長先生より、特別優秀な生徒として
何かメダルを授与されたと言っていた。
コロンビアでは、優秀な生徒に対し、本人の希望の大学、勿論試験はあるらしいのだが
外国で勉強するばあい、コロンビアと受け入れ国が費用を負担して、教育を受けさせる
制度があるらしい。ホアンも一応その試験を受けたらしいのだが・・・。
ホアンも大学では、工学系に進む事を望んでいるので、是非共日本でロボット工学を
勉強したいと言っていた。
当面は1月からコロンビアの首都である、ボゴタの大学でしばらく勉強すると言っている。

ただ、お母様のスリマさんは、ホアンがボゴタで一人暮らしをする事に大いに懸念
されており、親の目が行き届かないので、友達との交友、パーティ漬けになるのでは
ないかと心配されており、「ホアンは日本のおとさん、おかさんの言われる事は
親身になって聞きますから、是非、一生懸命勉強するように、言ってやって下さい」と
メールで懇願されておられた。
そう思って下さる事は本当に有りがたい事であるが、なんたってあのホアン!

「おとさん、僕パーティもう卒業した!」とは口ばかりホアン。
MITを目指すのではなかったのか!!
                            
12月25日(水曜日) 『コロンビアからX’masプレゼント』
あ〜ぁ、早いもので今年も後少しだ!今宵はクリスマス。
我が家は糖尿になりかけの主人のお蔭で、クリスマスケーキも無ければ、七面鳥の丸焼きも無い!
質素なクリスマスである。
ホアンがコロンビアから送ってくれたという、荷物が遂に昨日到着した模様!
というのも、昨日は外で食事して帰ったので、せっかく荷物配達された夕方7時頃に
留守をしてしまっていた。いつもならば、6時半頃には帰宅しているのに・・・。
と言う訳で、正に今日25日のクリスマス・プレゼントとなり、今日はウキウキだ。
朝すぐに東郵便局へ急ぐ。
ホアンが「おかさん、着いたらすぐ電話してね。ちゃんと贈ったものが着いてるかどうか心配だから・・・」
と言っていた。以前にフランスからホアンのお姉さまが荷物を贈られた所、着いたのは贈られた荷物の
半分程だったそうで、お国事情の悪い彼の国ならではの心配である。
郵便局窓口でやっと荷物を受け取る。
沢山の南国模様の切手が貼ってある。あ〜ぁ、ホアンが贈ってくれたんだ・・・・と
弾む心で事務所に飛んで帰り、開封する。

       

       

       

       

出て来る!出て来る!コロンビアの香り!!
ホアンのお母様の書かれた、クリスマスカード!新鮮な果物を砂糖漬けしたもの、
主人にはシャツ、そして私にも薄ブルー色のT−シャツと、ホアンの選んでくれたサルサや
メレンゲの音楽CDを沢山入れてくれている。
そして何より楽しみなアルバムが一冊。これはホアンが留学生活を終えて、お父様お母様の
待たれるボゴタ空港へ着いた時の写真の他、ホアンの学校、新しい住居、友達、おじいちゃん、
おばあちゃんの写真が入っていた。
ホアンのお母様は建築家なので、ホアンの新しい住居も至る所に工夫が凝らしてある。
写真にて紹介致しますので、どうぞ見て下さい。
事務所に持ち帰り開封したのち、ホアンに電話する。
「ホアン、着いたよ!!!」 と言うと 「おかさん、着いた?お〜ぉ・・・!」とやっと安心の声だ。
「開けた様子は無い?ちゃんと送った物、入ってるかなぁ〜?何入ってるか言って?」とホアン。
全部言うと、どうやら贈ってくれたものは揃っているらしい。
「おかさん、音楽聞いた?」 「ううん、未だ今開けたばかりだもの・・・」
そんな会話をしていると、主人が年末の挨拶回りから帰って来た。

「あ、おとさん帰ったから、代わるね」 そして二人の久しぶりの会話である。
「ボゴタの大学はいつから行くんだ?MITを目指すんじゃなかったのか?」などと聞いている。
クリスマス休暇で丁度MIT行かれた叔父さんも帰られているらしい。
その叔父さんにも話を聞いたりしているから・・・・とホアン。
一生懸命勉強する事を、おとさんと約束したようだ。
何はともあれ、有難うホアン!!
インターネットに載せて皆さんに見てもらっていい?と聞くと、「いいよ!」と快く返事してくれた。

   con mama!  ボゴタ空港でお母様と。    con papa.  ホアン宮島で買った傘をかぶったお父様

   con amigos  出迎えのクラスメートと    con su abuelos  ホアンの帰国を喜ぶおじいちゃま、おばあちゃま

   con su amigos  クラスメートに写真を見せるホアン    parientes y amogos 叔父さん,叔母さんたちと

   日本の事を話するホアン    hablando por Japon!日本のおみやげ話をするホアン

   su abuela y primos ホアンのおばあちゃまと従妹達    おとさん、おかさん元気?僕元気で帰ったよ!

       食堂でお姉さまと  hermana Anna

   気持ちいいよ〜!!コロンビア年中暑いから・・・    プール

   como un Jardin Japones!  日本の庭園みたいにしたかったんです!    ガレージを見る

   これはホアンの車? un coche para Juan??    no! Este es mi bicicleta ホアンの通学用自転車?

   escena de desayunar 食事風景    お母様自慢のキッチン

   広々としたキッチン    bano  浴室

   埋め込み式の階段  escalera de enterrar sin pernos     庭の眺め

   Mama, Anna y Juan    

   あ〜ぁ! やっと我が家へ帰ったぞー!!    casa de nuevo  お母様設計、ホアンの新しい家。

   学校への道だよ。 transporte para ir al colegio.    ここが僕の高校だよ。どこって?この林の奥さ。Colegio

     あ〜ぁ、帰っても寝てばっかりホアン!!! siemple dormiendo Juan.