ホアンと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                                   愛子 記

7月3日(水曜日)『ホアンへの荷物』
ホアンの誕生日が近いので、間に合う様にと荷物を作り6月半ばに送った。
エリックに送った時はほぼ一ヶ月足らずかかったので、お国事情の悪いコロンビアは
さぞかしかかるだろうと、覚悟して送ったところ、2週間ほどで荷物が着いたとスリマさんからメ−ルが来た。

送った荷物はみかん箱2つにもなった。
ラーメン・お好み焼ソース・お三養基好み焼き粉・金のヘラも。そしてホアンの持って帰れなかった品々
そろばん、アルバム、研修で編んだわらぞうり、等‥。
何と送料が気絶しそうな程に高くついてしまい、1個1000円のラーメンになってしまった。

ホアンのお母様は、「ぞうりはホアンの足には小さすぎるので、私が履いています」とほほえましい事が
書かれてあった。
「お好みソースはホアンが大好きで、何にでもそれをかけて食べています」と。
ホアンの手のひらの皮膚ボロボロに良く効くので、粉茶も送ってやった。
荷物が着いてすぐに、ホアンはバケーションに出掛けたらしく、
お母様は「お茶は、ホアンが帰るまでに飲んでしまうと、怒られるのでほんの少しだけ、
飲みました。とても美味しかった」と書いてあり、手にとるような光景に、ほほえましくうれしかった。

ホアンに『7月3日ハッピーバースデー』を言ってやりたかったが、バケーションで居ないので、
また改めて電話することにした。


7月15日(月曜日)『ショートステイの事』
ホアンがコロンビアに帰って早5ヶ月が過ぎようとしている。
今ホアンの国コロンビアでは、夏休暇中のようで、『バッピーバースデーコール』を
してやりたいのだが、なかなかホアンと話が出来ない。
スリマさんの話では、ククタから北に走った、リゾート地サンタマルタと言う所で
バケイションを過ごしているらしい。
一度ホアンの携帯電話に繋がったのだが、「おかさん、よく聞こえない、声が途切れ途切れだよ」
と言うので、また改めてホアンがククタに帰ってから電話すると約束して切った。

今年も8月6日の原爆記念日が近づいた。
夕方自宅に帰ってみると、8月6日に広島に原爆研修に参加する留学生2名のショートステイが決まったと
書類が届いている。
8月2日から7日までである。その間、原爆祈念式典に参加したり、平和学習を受ける。
去年はホアンの友達であるエリックと、福山からハビエル君が来て3人賑やかであった。
書類を見ると、今年は2名の依頼である。二人共男の子。
オーストラリアとボリビアからの留学生、尾道の高校に通っているようだ。
日本に来て4ヶ月たち、そろそろ日本の生活、学校や家庭にも慣れて来た頃であろう。
どんな子かな?と今から楽しみである。
私達ホストファミリーと過ごす為の日が8月4日と5日になっている。
4日は日曜日なので、私達の”お決まりコース”神の倉パラグライダー体験をさせる予定。
ただ、5日は月曜日である。仕事を持っている私達は彼らにかまってやれない。
そこで考えた!そうだ麗奈がいる!
さっそく麗奈に連絡し、面倒見てちょうだいと頼んでみた。
すると、彼女は快く承諾してくれて、今からクラスメートを集めて、海?山?カラオケ?と計画を
練ってくれている。
去年ホアンがエリックを誘って、安芸府の皆んなで、海へ行った事を、今でもエリックは
とても喜んでくれて、忘れられない彼の日本の思い出となっている様だ。


7月28日(日曜日)『AFS選考委員をする』
今日はAFS広島支部長、堤様の依頼で、日本から海外へ留学を希望する高校生の
面接と選考委員を夫婦で仰せつかる。
初めての経験で、私達のような者でも勤まるのだろうか?と内心不安な気持ちで
留学生会館に出かける。
今日は13名の留学希望の高校生が来ているとの事。
私達と同じ選考委員の方も数人来ておられ、支部長さんから内容説明を受ける。
要は留学を希望している子供が、何を目的として留学を希望しているか、その子の考え、
果たして受け入れ先のホストファミリーとちゃんとやっていけるか等を、面接やディスカッションを
通して適用判断を評価していくのである。
本日留学希望でやって来た生徒13人中、男の子はほんの4人だけであった。
そして、ディスカッションを聞いていても、元気なのは、はぁ!女の子ばかりである。
パキパキと自分の意見を言うのは女の子である。
ついこの間、テレビで評論家の立花隆氏が言っておられたが、近年若い男性の精子が
以前に比べ半分になっているそうだ。
ま、うなづける情報ではあるけれど、女の子に圧倒されないで!元気出せ男の子!である。

ホアンが我が家にホームステイしてくれたお陰で、その後我が家では、うれしい事に
高校生との交流が続いている。
そして今時の高校生の考え、ファッション等にも触れさせてもらっている。
今日のディスカッションを聞いていても、自分なりの考えを持ち、しっかりと将来を見据えていて
今時の高校生も捨てたものではないなと、意を強くした。
出来うる事なら、今日集った高校生皆さん希望国へ留学出来るといいのになぁ〜・・・と
願いつつ、役目を終えて4時頃家路に着く。

余談であるが、面接リーダーを仰せつかった主人、ここでも自分の趣味であるパラグライダーの
事を吹きまくり、選考委員として安芸支部から来られた、支部長さんのお嬢さんを盛んに誘っていた。
彼女は家が福富町なので、神の倉エリアにも近いし、「是非、見においで!」と誘っていた。
ここでも元気印は女の子!である。
彼女も目を輝かせて、主人の話を聞いていた。脈有り?かな。

今日は夕方、パラグライダー仲間であるプレジャークラブの皆さんが我が家に寄られる。
沖縄から届いたマンゴーを取りに寄られる予定。
今日神の倉に行けなかった主人、飛べなくても、皆さんから今日の話を聞くだけでも楽しいのである。

原爆研修でショートステイする二人の留学生にも、パラグライダーを体験させようと
張り切っている主人である。