ホアンと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                                   愛子 記

21日(月曜日)『ホアン休む』
夕べカラオケに行って、みなさんと楽しく過ごして帰ったホアンだったが
帰るとすぐこたつにずべりこんだ。少し熱っぽい。

前日から主人は風邪気味で、昨日の会もかろうじて参加出来た。
ホアンも主人と同じ風邪をひいてしまたのかもしれない。
夕べは主人の買って来た薬を飲んで休ませた。

                                          

今朝は大事をとって休ませる事にした。このところ安芸府でも風邪が流行っているようだ。
朝、カーテンをあけず、暗くして私は出かけた。
台所の机の上に、起きたら飲むようにと薬を置いておく。

3時頃だったか、目の覚めたホアンから電話が入る。
「熱は?」 「だいじょうぶ・・だいじょうぶ」と言う。ほんとに大丈夫なのだろうか?

   

仕事を終えて、急いで帰ると、起きて音楽を聞いている。
「ああ!!さっき、愛ちゃんが来てくれた」と言うホアン。
近くで安芸府に通っている、愛ちゃんが心配して来てくれたらしい。
ホアンが元気にしているので、安心して帰ったらしい。ありがとう愛ちゃん!

「おかさん、座りなさい!」と言って、一緒にラテンの音楽を聞こうとする。
ああ・・こうしている場合じゃー無いのに・・・・洗濯入れて・・・お風呂入れて・・・
夕飯の支度も・・・と言うと、今晩は何も無くていい。漬物だけでいいと言う。
服も着替えさせてもらえず、こたつに座る様私に命令だ。

私達のクリスマスプレゼントのMDコンポから、流れてくるラテン音楽。
それを、一節一節日本語に訳してくれる。
ラテンミュージックはホアンが訳してくれるのを、聞くだけでも、とっても詩的な文句が多い。
それだけポエティックでロマンティックで、時にはせつない感じのせりふだ。
私もなぜか聞きながら、詩に感動したのと、もうこんなふうに、ホアンと音楽を楽しむ事も
出来ないんだなぁ〜・・・と思うと、思わず涙が溢れて来てしまった。
ホアンは「おかさん、なぜ泣いてる!!?」と私を見て叫ぶ。
私が詩に感動した・・・と言うと、確かにアカペラで聞いたりすると、コロンビアでも女の子達は
時には泣いてしまうのだと言う。

夕飯の支度も出来ていないまま、座り込んでいると、ついに主人帰ってくる。
ホアンもあわてて、「おとさんだ!」と叫ぶ。

ホアンと主人は夕ご飯の支度が出来るまで、昨日のビデオをみながら話をしている。

ホアンが何でもいいよ・・・と言ったので、今日は超手抜き!インスタントカレーとお漬物で
夕食を済ませる事になってしまった。

ホアンが少し熱っぽいので、皆早く寝る事にした。
明日はすでにちゃっかり休む気でいるホアンである。   

                                            

22日(火曜日)『K−1道場へ帰国報告』
学校へ行く日も残り少なくなってしまった。
担任の先生が「ホアンいつまで来る?」と聞かれたらしい。
いろいろホアンと相談した。お土産を買ったり、パッキングしなければならないので、
一応25日までにしなさい・・と言っておいた。
学校へ行くのもあとわずか4日である。いかに言ってもホアンも休めない。

今日は学校へ西村様が来られる。最後のお勉強だ・・・。

今日は学校の帰りに、駅近くのK−1道場へ帰国報告に行く予定だ
K−1もコンペティが人数が揃わず、取りやめになって以来、ホアンの気持ちがなえてしまい
11月から行っていない。
K−1道場の先生は有望なホアンに目を掛け、大変可愛がって頂いたのだが・・・。

今日はK−1の稽古日なので、それが終わる頃を見計らって挨拶に寄るようだ。
私も夕方病院に見舞いに行く予定にしているので、ホアンを帰りに拾って帰る事にした。

病院を出て、携帯をいれると、ホアンK−1のところで待つという。
ホアンと一緒に夕飯を食べようと思ったが、ホアンは既にクラスメート達と
K−1に行く前にマクドナルドで夕食を済ませたという。

そのまま会社に連れて帰りホアンはコロンビアからのメールチェックをする。
もうホアン帰るから、メール来ない・・・と言いながら、友達の多いホアン7通も
来ていると言う。

ホアンの夕食が済んでいたので、私達は家に帰って簡単に済ませる事にした。

「K−1道場はどうだった?」と聞くと、ホアンが挨拶に行ったので、先生びっくりされ
『どうして、来なかった?』と言われたそうだ。
練習に来ているメンバーと一緒に写真を撮ったり、メールアドレスを教えあったりしたそうだ。
ホアンの日本語がすっかり上手になっているのには、先生もびっくり仰天されたそうである。

このK−1道場もほんのわずか3ケ月しか通わなかったけれど、ほんとに何処へ行っても
人気のホアンである。

自宅に帰り、先日のホアンお別れ会のビデオを見ながら、3人でまた笑ってしまった。
子供達がそれぞれに表情豊かに、ホアンへの思いを語っているのをみると
ほのぼのとするし、子供達がみんなお互いを思いやる気持ちに溢れているのに
私は感動し、見ていると胸が熱くなってしまう。

                                                 
23日(水曜日)『クラスメート来る』
このところ冬型の低気圧が再び押し寄せ、毎日2℃、3℃の気温で寒い。
ホアンもがたがた震えている。
今朝は時計がならなくて、少し寝坊してしまった。
今朝はシャワーをあびている暇はない。早々に支度をさせて一緒に出かける。

  

今日西村様より電話を頂いた。
昨日ホアンと会われて、お勉強というより、いろいろホアンの留学生活等について
お話をされたらしい。
20日のお別れ会が素晴らしかった事や、帰る時の準備とか・・・・
その中で、担任の上西先生が20日の件を心配されておられて、西村様に尋ねられたらしい。
子供達(だけが)集まって何を計画しているのだろう??・・・・・と心配されたらしい。
西村様は「ホストファミリー稲垣さんが、ホアンのお別れ会を計画されて、多くの友達
クラスメートが集まり、大変素晴らしいお別れ会だったんですよ・・・」と言って下さったらしい。
それを聞かれ、「ぜひ、そのビデオを見せて下さい」と言うことになったそうだ。
私達も是非上西先生だけでなく、各先生に観て頂いて、子供達が何を考えているか
理解して欲しいと切望する。

  

夕方、買い物を少しして、帰ってみると居間の灯りが点いている。
”あれ?もうホアン帰って来たのかな?”と荷物もおろさずに居間に飛び込んでみると
麗奈が来ている。二人で音楽を聴いている。
私が美容院に行ってチリチリ頭で帰ったのを見て、ホアンと麗奈は目を丸くし
『おかあさん!頭かわいい!!』なんて言ってくれ、ホアンは「いつした?おかさん?」と
朝分かれる時は、ぺたっとした髪だったので、目を白黒させる。
ちょっと恥ずかしくなり、照れてしまう。
車から荷物を降ろすのを手伝ってくれるホアン。
「おかさん、平田来る!」と言う。「え〜ぇ?平田君が?」
先日のお別れ会の時、平田君のビデオカメラを借りたので、それを取りに来てくれるらしい。
「じゃー、夕ご飯何かしましょうねー・・」と材料を買い足しにまた近くのスーパーに走る。

買い物袋をさげて居間に入ると、こんどはホアン、「まゆこ、みほ、ぷーちゃんも来る!!」と言う。
あらまあ!人数が増えちゃった。
「じゃー、ホアンまた2階から大きな机持って降りてね!」と食卓を用意してもらう。
麗奈に手伝ってもらって、すき焼きの準備だ。
ホアンも二人の間に割り込んで、何か僕もする!と言ってくれる。
ねぎを切ってもらったりしていたが、そろそろみんなが着く時間だ。
携帯電話が鳴ると、いそいそとホアン迎えに出かけて行った。

すき焼き鍋を二つ、コンロを二つ・・・材料も切り揃えた。
玄関が賑やかなので、出てみると、お嬢さんたちの到着だ。
外が寒いので、みんな肩をすくめ、寒〜い!寒〜い!と玄関に入って来る。
ここ馬木は市内よりは、温度も2℃位は低い。
「さあ!入って、入って」 暖かい居間に入ると、皆さん幸せそうな顔になる」

すき焼きが出来る間、ホアンは二階からj自分の家族の写真等を出してきて
一生懸命リップサービスをしている。ホアンがいればほんとに賑やかだ。

皆さんお腹も空いたでしょうから、始めましょ!と二つのすき焼き鍋を食卓へ。
子供達は子供達で話が弾んでいるので、私は主人が帰ってからにしよう。
主婦の仕事は沢山ある。麗奈に食卓を任せて、雑用をする。

 9時過ぎ主人も帰って来る。居間がお嬢さん達で花がさいたようで、主人もうれしそう。
ホアンが来なければ、こんな光景は有り得ない事で考えてみれば不思議な気がしてくる。
今日来てくれたお嬢さん達は、みほちゃんが河内、ぷーちゃんが三次、まゆこが庄原?
と皆さん遠方から安芸府へ通っているらしいので、びっくりした。
あまり遅くなると、ご両親心配なさるので、ケーキをたべて皆さんを駅まで送って行く
事にする。
ボンゴ車に平田、麗奈、みほ、ぷーちゃん、まゆこ、そしてホアンを乗せ
シューマッハで駅へ急ぐ。麗奈を残し、みなさん広島駅で降りる。
麗奈を最後に送り自宅へ帰ったのは、11時過ぎであった。
でも、皆さん来てくれてほんとに有難う!!

                                      
24日(木曜日)『ホアン先生方へお別れの挨拶』
明日はついにホアンが安芸府中高校へ行く最後の日となった。
先生から、「明日は8時15分までに職員室に来て先生方へ挨拶して下さい」
と言われている。そして、ここでも、もう一度何かスピーチを!と言われているようだ。
夕べ何を言おうかと、一生懸命考えて、主人に聞いてもらっていた。
スペイン語の諺を入れて、自分の思いを言うと言っている。
内容はこうである。
自分はいつもクラスで寝ていたけれど、先生によっては、まるで無視される先生と
ホアン!ホアン!と声を掛けられる先生がある。
そんなふうに声を掛けてもらうということは、自分の事無視されていない、
自分の為を思って声を掛けてもらっているんだ・・・と思った。
だから、そんな風に声を掛けてもらったクラスの先生の授業では、一回も寝なかったと言う。
そんな意味の諺がスペイン語でもあるらしく、それを言う積もりだと言う。
服装でも、シャツを学生服の下に出していたりすると、何度も注意された。
その事も、絶対自分の事思ってもらっているんだ・・・という気持ちになった。
そんな内容の事を先生方の前で言おうと思っている。

  

昨日今日とめずらしくクラスメートの訪問が無かった。
今クラスでは風邪が大流行で、由也、越君ともに38度から39度の熱で
学校休んだり、由也は27日にナイタースキーに行く予定なので、それまでには治そうと
病院に行き、薬を飲み飲み頑張っているらしい。
ホアンも日本に来て殆ど病気をしたこと無かったが(仮病は沢山あったが・・・)
帰国寸前でダウンしなければいいが・・・・。
今日もホアンは夕方駅前の方でクラスメートとウロウロして帰ったようだ。

夕ご飯の後、ホアンの御家族にと思って色紙にホアンの好きな諺を
したためた物を見せ、意味をホアンに説明しておいた。
コロンビアでは何でもいいから、漢字が書いてあるものは、最高のお土産
なるらしい。
ホアンには大きな色紙にスピーチコンテストで優勝した思い出の
『身体髪膚これを父母に受く・・・・・』を書いてやった。
そして、いままでに沢山の数知れない位ホアンを取り続けたアルバム集も見せた。

一冊目を見始めた瞬間、ホアンは黙り込みううっっ!と突然と泣き出した。
私達がホアンと秋に三段狭に行った時の写真だった。
今までの沢山沢山の思い出がホアンの頭をよぎったのだろう。
そんなホアンを見て私も思わず涙が出てしまい、「泣いちゃダメ!泣いちゃダメ!」
二人して泣いた。あんなホアンは初めてである。

しばらくして、ホアンの友達アムジャから電話だ。
アムジャは今アメリカにいる。ホアンが帰ってもすぐには会えないけれど
ホアンの帰りを首を長くして待っている。
アムジャの電話は一時間半にも及ぶので、私は寝ようと二階へ上がろうとした。
受話器を持ったまま、ホアンは「おかさん、もう寝る?」と聞く。
「だって、1時間半待ってられない」と言うと、寝てはダメ!と言う顔する。
「じゃぁ、1時間半したらまた降りて来るね」と言うとOKと嬉しそう。
そんな細かい心遣いをするホアンを心からいとおしいと思う私である。

CDを聞きながら、布団の中で頑張っていたが、1時間程して下におりると
まだ電話の話し声が聞こえた。ああ・・まだ終わってないか〜・・・・と
再び布団にもぐると後は延々寝てしまった。


25日(金曜日)『最後!のスピーチ』
夕べ、ホアンの電話が終わるのを待って遅くまで頑張っていたので
明け方寝付いたので、今朝はまたまた寝坊してしまった私だ。
今朝はホアン安芸府への最後の登校日となる。
そして8時15分までに学校へ行き、職員室で先生方へのお別れの挨拶をすることに
なっている。
朝ごはんもそこそこに、7時50分過ぎ私と一緒に学校へ。
夕べ何を言おうかと、最後のスピーチに悩んでいた。
スピーチもだいぶ場慣れしてきたホアン、上手にやるだろう・・・。

  
  
夕方私達も仕事を終えて挨拶に行く予定にしている。
先日石原事務長様に伝えておいたので、既に校長先生と担任の上西先生に
連絡をとって下さり、お忙しい時間を空けておいて下さった。
学校へ出向くと、石原事務長様が玄関に出て下さり、校長室に通された。
開口一番、「今朝、ホアン君いいスピーチをしましたよ・・・・」と言われる。
「何を言ったか全然わかりませんでしたが、スペイン語でぺらぺら・・・と
喋りましてねー・・・と校長先生。
「彼はほんとに明るい子で、日本人には無いキャラクターですよねー」と言われる。

スピーチコンテストで優勝した時には、審査員の中に校長先生のご存知の方が
おられて、「このコンテストでいままで、南米圏の人が取ったのは初めてですよ・・」
その方が校長先生に連絡を入れられたそうだ。
大学生なんかでも、皆んな一位が取りたいんですよ・・・ホアン君はほんとに
よくやりましたね〜・・・・と大変ほめて頂いた。
今朝の挨拶も良かったですよ。ところで、この色紙にそのスペイン語を書いてきて
もらえませんか?校長室に飾らせてもらいますので・・・と一枚の色紙を差し出される。

大変名誉な事を言って頂いて、ホアンもさぞかし嬉しい事だろうが、
さてさてホアンは書いてくれるだろうか・・・・??

話していると、上西先生が入って来られる。
私達と校長先生、上西先生をまじえて、30分程話をする。
「今日はたまたま最後の授業が私の英語でして・・・」と上西先生。
留学生に対するアンケートとか、ホアンとの小さなお別れ会をされたようだ。

先生方もお忙しそうなので、話も一段落したところで失礼した。

最近ではまっすぐに帰って来ることは稀なので、夕ご飯は早々に主人と
済ませる事にしている。今日も9時まわったが帰って来そうには無い。
夕ご飯の後片付けをしていると、電話だ。出てみると、会長こと平田君だ。
「すみません、今晩泊めてもらっていいですかー?」と言う。
「ええ、いいわよ、もちろん!いらっしゃい!いらっしゃい」
今から、ホアンと帰りますので・・・と電話を切る。
10分程してホアンからだ。「おかさん、何してる?今から、かいちょと帰るけど・・・」と
私の迎えを期待している様子。
「おかさん、今片付けして、平田君泊まるの用意しないといけないでしょう?
バスで帰ってらっしゃい」と言うと、仕方なさそうに 「ハーイ・・」と電話を切る。

小一時間して、外は寒いのだろう・・・鼻を真っ赤にして二人帰って来た。

26(土曜日)『仲良しクラスメートとボーリングに』
夕べ我が家に泊まった平田君だったが、二階に敷いた布団についに寝てくれず、
ホアンと同じように下のコタツの中で寝てしまった。
今日は午後から仲良しクラスメートが集まってボーリングに行く予定らしい。
平田君は朝の始発で一旦自宅に戻り、出替えて来たいと言っていた。

ビデオを見たりしていたら、3時頃になってしまい、寝てしまえばダウンしそうだし
中途半端な時間になってしまった。
皆んな、このまま寝ないで頑張ろう!という雰囲気だったが、ホアンが
持ちこたえられず、いつもの様にそのまま、こたつで寝てしまった。
平田君も頑張っていたが、ホアンと同じようにこたつで横になっていたと思ったら
どうやら本格的に寝てしまったようだ。
二階から毛布を持っており、平田君にかけてやる。

私もまあ起きられなければ観念して、ホアンと一緒にボーリングに出かけるだろう・・・と
二階に上がり、布団にもぐりこんだ。
朝方目が覚めたのは、既に8時を廻ってだった。
こうなったら仕方無いと彼も諦めて私達と一緒に朝ごはんにする。

学生服しか無いので・・・と言っていたので、ホアンの服を貸してやり
ホアンと一緒に出かける事になった。
集合時間が1時というので、昼前に朝昼兼用の食事をし、ホアンも12時過ぎ起こす。
出かける準備に超時間のかかる、ホアン、集合時間ぎりぎりだ。
仕方なく、会社にパソコンいじりに出かける主人、二人を乗せて3人で出かけて行った。
今日も帰りは遅いのだろう・・・・。



27(日曜日)『由也、越とナイタースキーに』
今日はホアンを連れて最後のパラグライダーさせてやろうと、3人で神の倉に。
朝からあまり良い天気ではない。小さな雨が降ったり、また時々日が射したり
10分置きに変わっている。
どちらにしても、前から予定していたし、今日を於いて飛べる時がもう無い。
とにかく出かけてみようという事でホアンを起こして支度させる。
神の倉に着くとこんな天気でも、やっぱり何人かは神の倉の空気を吸いに
来ないと気がすまないのか、車が何台か並んでいる。
今朝はプレジャーの竹井さん達が朝練で来られていた。

お昼頃になっても天候はあまり芳しくない。
小雨、日が射す、小雨日が射す・・・を繰り返している。とにかく上がってみよう!と主人。 
テイクオフに上がると、風もそこそこ入っているし、何とか飛べないこともないか〜・・・と思って、
昼食中のプレジャーの方々を呼ぶ。
ところが、丁度上がって来られたころから、天気は一変。パラパラとみぞれが降って来た。
これはとてもダメだ!
ついに皆さん諦めて下山。私達もあまり無理をしても・・・・と断念し降りる事に。

途中、向陽町のおそば屋さんでそばを食べて帰る。

  

今日は夕方から由也君越君達とナイタースキーに行く予定だ。
彼らは今日英検の試験なので、学校に行っている。
それが終わって二人我が家に駆けつける事になっている。
私達もおそばを食べ終えて家に帰り、スキーに行く準備をしなければならない。

夕方5時半由也君はスノーボードを抱えてバスで来ているようなので
近くのバス邸まで迎えに行く。
ナイタースキーはウイークデーは夜9時か10時までなので、早く行かないと少ししか滑れない。
今朝新聞でいつも行く瑞穂スキー場のリフトが寒さの為凍りついて止まってしまい
スキー客が2時間も寒さの中、宙吊り状態だったと書いてあった。
もしかしてリフトが動かないのでは行っても滑る事が出来ない。
電話で確認すると大丈夫という事だったので安心して出かける。
車の中で由也・越君腹ごしらえ。

  

瑞穂インターを降り、スキーレンタルショップに。
由也・ホアンはスノーボードがあるが、越君と主人はレンタルする。
スキーを借ろうかどうしようかと、しばらくためらっていた主人、
「今日はわしもスノーボード、やってみようかな〜・・・・」と言い出す。
既にショートスキーを借りていた越君も実はスノーボ−ドをやりたかったようだが
自分だけ最初からなので、みんなの足を引っ張るようになるので・・・と遠慮していたらしい。
「おとうさんがやられるんなら、僕もスノーボードをやる!」とスノーボードに借り替える。
・・・・という事で今日は全員スノーボードをやることになった。
私はこの間膝を痛めたので、滑らないほうが良いだろうと主人。今日は私はビデオ班だ。
お呼びがかかるまで、レストランで待つ事にした。
コーヒーを飲んだり、CDを聞いたりして時間を過ごしていると、1時間ばかりして
主人が迎えに来る。
ゲレンデに出て皆が滑って来るのを待つ。
「若いっていうのは早いの〜!!越君も、もうばりばりじゃー!」と主人。
今日の雪はさらさらフワフワしてとっても滑りやすそうだ。
それぞれの素晴らしい滑りをしっかりとビデオに収める。

       

       

       

       

       

ホアンは途中手足が冷たくなって、レストランで少し休んでいた。
身体も温まってさあ!挑戦・・・・・と1回リフトで上がって滑り降りたところで
時間となってしまった。
ホアンは雪の上に座り込んで”Oh No!!”と叫んでいた。

既にスキー客はみんな帰ってしまい、ゲレンデにいるのは私達だけになってしまった。
名残惜しそうにゲレンデにたたずみ、帰ろうとしないので、スノーモービルで
巡回している係員さんに、早くゲレンデから出て下さいと注意されてしまった。
スノーボードを抱えてゴンドラに乗ろうとステーションに行くと、既に殆どのゴンドラは
倉庫に仕舞われていて、係員の方に迷惑を掛けてしまった。

帰りはいつもの様にスーパー銭湯が夜1時までやっているので、温まって帰る。
今晩は二人共我が家泊まりである。
28(月曜日)『クラスメート沢山来る』
今日は日曜日に英検試験があったので、学校は代休らしい。
朝3人とも良く寝ているので、そのままにして会社に出る。
夕べ寝付いたのが4時頃だったので、少々寝不足だ。
彼らも遅くまで寝るだろう・・・。

夕方由也君が電話してくる。「おばちゃん、今日沢山来るよ・・」
どうやら、由也君居心地が良いと見えて、我が家でのんびりしている様だ。
越君は彼女を連れてもう一度帰って来るし、えりっぺ、えりか、美穂、愛ちゃんが来る。
やれやれ、また宴会か・・・・・。
大人数なので、手巻き寿司でもしてやろうと、材料を買って帰る。
帰って見ると、車庫にはバイクが出してあるし、2階に上がってみると
おふとんは敷きっぱなしだ。何だか思わず疲れが出たのか、急に悲しくなってしまった。
丁度ホアンが上がって来たので、お布団くらいたたんで起きなさい!と怒った。

下では既に麗奈がご飯を仕掛けておいてくれたので、材料を切り揃えたり
手巻きの準備をする。
このところこう言った光景が続くので、何だか、息子にお嫁さん貰ったみたいで気が休まる
彼女もほんとに良く手伝ってくれる。
準備も出来、主人も帰ってきたので、またまた我が家は平均年齢ぐっと
若くなって賑やかな宴会が始まった。
汁物は絶対飲まないホアンが、今日は鶏肉のすまし汁にしたので、めずらしく
御椀に口をつけていた。

       

       

       

まゆこ、ぷーちゃんとか三次、庄原と遠方の人がいるので、宴会もそうそうに
主人、みなさんを送っていく事に。
こうして、ホアン、ホアンとクラスメート達は帰国まじかになったホアンに会いに来てくれる。
ほんとに幸せなホアンである。


29(火曜日)『クラスメートまたまた沢山来る』
やれやれ一段落か・・・と思い、ほっと一息付くまもなく、今日もクラスメートが
我が家に押しかけてくる。
今日は由也、麗奈、まゆこ、プーさん、えりか、みきちゃん、泉君と会長。
泉ちゃんは明日から北海道修学旅行だというのに・・・大丈夫?
私の料理もネタ切れで、何をして食べさせてやろうかと、苦心惨憺である。

居間で携帯をずらり並べて遊んでいる子、お買い物に行ってくれる子
お皿を出してくれたりする子、麗奈はいつも私の手伝いをよくしてくれる。
今日はステーキボールを作った。ご飯の上に焼いたお肉とたまねぎを置いただけ
なのでいたって簡単。
今日初めて作ったので、味はいまいちだったが・・・。
オーストラリアン スープは結構好評なので、それも作った。

       

       

       

       

今日は遠方の子もいるので、早めに支度させて送って行く。
ああ・・・ほんとにホアンの帰る日も片手足らずだけになってしまった。

そろそろパッキングをしなければならないというのに、いたって暢気なホアンである。
福富町に住むエリックが電話を掛けてくれた。
僕、荷物少ないのでパッキング全部終わったと言っている。
それに引き換えホアンは・・・・・・・・。

エリックは私の大好きなラテンミュージックのカセットテープ3ケを
プレゼントしてくれた。
あと、ひとつのカセットがエリックの手元にあって、その中に私が一番好きな音楽がある。
エリックはそれをわざわざ郵送してきてくれた。
覚えた日本語で一生懸命手紙を書いてくれていた。
「コスタリカ帰ってもおかあさんの事絶対忘れない。コスタリカ帰ったら電話する。」
と書いてあり、ほろっときてしまった。
エリックは苦労しているだけに、ほんとに人の心を思いやる優しい子だと思う。

皆さんを駅、矢野方面に送って行き、11時過ぎに帰宅する。

                                        
                                   
                                           
30(水曜日)『麗奈来る』
昨日から少し寝不足のホアン、夕べも昨晩借りて来たビデオを二人で見た。
一本見て私は布団に入った。
朝起きて下に降りてみるとホアンは一人でビデオを見ている。
「どうした 寝なかったの?」と聞くと、ずーとビデオを見ていたという。
映画の大好きなホアンである。
私の出かける8時半ようやくこたつでスヤスヤ寝始めた。

まさか今日はだれも来ないだろう・・・・・と思っていると
麗奈が風邪で休んだけど、家に行っていい?と電話ある。
「良いけど、ホアン寝てしまって絶対起きないよ」と伝えておく。

  

夕方他に誰か来る?と家に居る麗奈に電話してみる。
「会長が来るかもしれない・・・」と言う。
まあ一人位なら有り合わせで何とかなると、買い物はしないで早めに家に急ぐ。
帰ってみると、麗奈とホアンが仲良くお勉強中だ。

一段落して麗奈に手伝ってもらって、夕ご飯の支度。
ホアンは私がよく作るオーストラリアンスープを教えて欲しいと言う。
それじゃーちょっとお買い物行きましょう!と3人でドライブする。
麗奈が買い物カゴを下げついてきてくれる。ほんとうにお嫁さんが来たみたい!と
心地良い。

生クリームやねぎを買い、ホアンを待たせた車に急ぐ。
帰ってホアンにスープ作りを教える。
今日は主人もお稽古を休んで早めに帰って来た。
今日は4人で静かに食卓を囲む。もうすぐ帰るホアンは”ナーバスナーバス”を繰り返す。
そう言えば、初めてホアンが日本、我が家に来た時、ホアンの唇の周りに
”のぼせ”が出来ていた。
未だ見知らぬ国、日本そして見知らぬ家庭に来るプレッシャーで
身体の調子が狂ったのだろう。
ホアンも1週間も前から、とってもストレスを感じたと言っていた。

  

コロンビアの国に付いての話や、コロンビアの将来についての話をする。
今は、最初来た時のように、コロンビアの国に付いて悲観的ではなくなった。
それでも、ご両親は将来はコロンビアを出て外国しかも出来れば日本で大学に
行ってほしいと思っておられる事。お姉さまのアンナは現在フランスに留学中であるが
お姉様も、もうコロンビアには帰らないだろう・・・とホアン。
フランスで結婚して永住すると思うと言う。
主人はそれでも、20年30年後のコロンビアは必ずや違っている。
ホアンの様な若者ががんばったら絶対変わる。
戦火のアフガニスタンでさえ、まず学校を作って、小さい子や女の子に
教育をさせようとしている。コロンビアも識字率50%位らしいが、教育を
普及させることで絶対変わってくる・・・と熱っぽく語る主人。

ホアンも一生懸命聞いている。勿論生まれた国コロンビアを愛している事には
間違いないのだから・・・・。がんばってホアン!

  

遅くなってしまった。ホアンを乗せ麗奈を家まで送って行く。

明日は、この間日曜日にパラグライダー出来なかったので、プレジャーの方や加藤さんに
お願いしてホアンのパラグライダーのアシストをしてもらい、最後の飛びをさせる予定。
「寝とけよ!」と主人はホアンに言って上がって行った。

31(木曜日)『最後のパラグライダー・夜砂ちゃん来る』
朝起きて見ると雪!どうしたものかな〜・・・と思案している。
とりあえず会社に出た主人。プレジャーの方と連絡をとるも通じず。
積もるほど降っているわけではないので、一応約束して時間に行く積もりで
自宅で寝ているホアンを起こしに家に帰る。
神の倉へ10時過ぎに行く予定にしている。
ホアンはまだ夢の中だろう。
「わしが帰る間、電話をがんがん鳴らして起こしておいてくれ!」と言って
事務所を出て行ったが、鳴らせど慣らせど起きる様子はない。
いつもの私の苦労が少しは分かってくれるだろう。起きはしないんだから・・・・。

今日は一日寒かった。神の倉ホアンは飛べただろうか??

  

4時頃会社に主人から電話。何本かは飛べたようだが、全部ぶっ飛び。
これで、ホアンの飛び収めとなってしまった。

ホアン帰国を前にして、まだコロンビアの友達にお土産を買っていない。
主人はホアンを伴って会社に帰って来た。
これから、ホアン市内に出て、本通で目的のお土産を買う事にしたそうだ。

ほんとに泣いても笑っても明日だけになってしまった・・・・。
明日は夜親子3人だけの夕食を共にすることにしている。
それこそ私達の”最後の晩餐”である。

コロンビアのお母様からメールが来ていた。
ボゴタにホアンを迎えに行く準備も整いました。と書いて有った。
どれほどか、成長(?)したホアンにお会いになりたい事だろう・・・。
胸ワクワクさせる思いで、ホアンの帰りを待っていらっしゃる事だろう。
ホアンは『迎えに来るときはビデオを持って来て欲しい』と、お母様に頼んだと言っていた。
多分それを私達に送ってくれる事だろう。

夕方ホアン携帯に電話だ。
「今晩、砂田君が家に来たいと言う。おかさんいい?」と。
いいわよ!と言う事で、今晩も宴会か??

ホアンは市内へお土産を買いに出、私も病院に行く用事があり、ホアンと待ち合わせる。
お互いの用を済ませ、一緒に家に帰る。
砂ちゃんが来るのは7時半と言っていた.

さあ今晩もまた賑やかに宴会だ。帰って支度しなくっちゃー・・。
我が家に帰り、ホアンと一息つく間も無く、夕食の準備だ。
ホアンはおかさんビデオ見ましょう・・・なんて暢気な事を言ってくれる。

丁度7時半、キンコ〜ンと玄関のベルが鳴る。ホアン!砂ちゃんよ!
玄関に出て見ると、砂田君、原っちょ、砂田君の彼女弥生ちゃん3人来た。
「よく来たわね、砂田君いつ来てくれるのかと思ってたよ!」と私。
寒いから上がって上がって!と居間へ。
砂田君はホアンに日本語を教えた一番の貢献者かもしれない。
ゆっくりゆっくり話し、ホアンが理解出来ないと、あらゆる言葉で理解させた。
またマジックも教えた。ホアンは習ったマジックを私達に得意になってやって
見せたものだった。ホアンも素質があるのか、ものの見事に私達をだましてしまった。
砂田君もホアンの大切な忘れられない友達となった。

そうしていると、玄関のチャイムが再び鳴る。
出て見ると愛ちゃんだ。ネイバーさんですっかり仲良くなった愛ちゃん
サイン帳を片手に我が家を訪問。
丁度夕ご飯の支度をしていたので、手伝ってもらう。

とんかつにスープをした。みんな食卓の方へ来て〜!!と呼ぶと、
何と砂田君達は既に夕食を済ませて来たと言う。
「どうして〜!!どうして食べて来たの!」と私。
「全然、食べられない?少しだけ食べて!」と無理矢理食卓へ。
砂田君もそれじゃーとホアンと一緒に食卓について呉れる。
皆さんに少しづつ、よそおった。他の用事をして、皆さんの様子を見に行くと、
「おばちゃん、せっかくだったから全部頂きましたよ、ほら!」
見ると、皆さんほんとにほんとにきれいに平らげてくれている。
それに、ホアンも、いままで、”牛の食べ物”と言って、キャベツとか生野菜は
全然手をつけなかったのに、お肉に付けたキャベツ、ブロッコリを全部
食べているではないか!
これには私もうれしくなて、ついうるうると来てしまった。

主人も帰って来たので、皆さん居間の方へ移動。再びホアンと話がはずむ。
時計が12時を指す。砂ちゃん、「もう帰らんと!」と腰を上げる。
砂田君と彼女は同じ大きなオートバイに乗って来ている。
原っちょは砂田君の後ろに乗る。
おかさん見送りに行きましょう!とホアン。
我が家にあるバイクがすっかり気に入って日ごろ乗り回しているホアン、
おかさん後ろに乗って!」というので、私はホアンの後ろにまたがり、
砂田君の通る道で待っていた。やがて闇の中にオートバイのライトが近づき
ピーピーと別れの警笛を鳴らし去って行った。

これでホアンが別れを告げたい友達は皆来てくれた。
ほんとに良かったね、ホアン。ほんとにこんなに皆さんに愛されて
幸せなホアンである。                                         

砂田君の帰った後は、またまたビデオ見ましょう!と言って寝せてくれない。
「おかさん、どれがいい?」と聞く。
「meet the parents」を見る事にした。一生懸命見ていたが、途中眠くなると
ごつんとホアン。横になると、おかさん起きて!起きて!とホアン。
必死で起きた格好をしてみていたので、何を見たやら??の私であった。
3時についにお役ゴメンにしてもらい、私は2階にあがって眠りに着く。