お父さんからのご挨拶

       当日言わなかったことが二つあるので原稿を載せます。



本日はこんなにも沢山の人達に集まってもらって、本当に感激しております。
ホアンもこの10ケ月の留学生生活を楽しめたと思います。
この集まりの為に先生ににらまれてまで努力してくれた由也に感謝します。
さすが「兄ちゃん、兄ちゃん」と皆んなから慕われているだけはあります。
ちょっと話はずれますが、由也が3年生になれる様に皆んなで応援してやって下さい。
勉強教えてやったり、場合によっては校長先生にもお願いしてみる事もあるかも・・・・。
由也も皆の応援に素直に答えて努力して欲しい。皆で3年生になって欲しい。
由也が次のステップを踏もうとすれば、残念ながらこの世は高校卒業証書という、
手かせ、足かせがいっぱいあると思うので・・・・。
しかし、自分の力でこの世の中を渡っていく気なら、別に卒業証書にこだわる
事はないが、人の3倍は努力して下さい。道は開けると思う。

話を戻しましょう。
ホアンはずば抜(ぬ)けて良(よ)い頭(あたま)をもっているとおもう。
『あいうえお』も知(し)らないで日本に来てわずか10ケ月で
こんなに日本語が喋(しゃべ)れるようになった。
安芸府の留学生の中で一番日本語を理解(りかい)したと思(おも)います。
そのきっかけを呉(く)れたのは、今日(きょう)参加(さんか)してくれている
「ひろし」のお陰(かげ)だとホアンは言(い)ってました。
そして毎週(まいしゅう)文法(ぶんぽう)など基本(きほん)を
教(おし)えて下(くだ)さった西村さんのお陰(かげ)です。
いくら西村さんが資料(しりょう)をファックスで送(おく)って下(くだ)さっても
予習(よしゅう)も復習(ふくしゅう)もしない悪(わる)い生徒(せいと)でしたが・・・。

安芸府の学校の授業(じゅぎょう)ではなかなか授業の内容(ないよう)が分(わ)から
なかったかもしれないが、分かれば物理など頭の良いところを示(しめ)したと思う。

そして、ホアンは抜群(ばつぐん)の運動能力(うんどうのりょく)を持(も)っている。
安芸府での身体測定(しんたいそくてい)や腕相撲(うでずもう)では
学年(がくねん)で一番(いちばん)だったようだし・・・。
K−1やスキー、スノーボードでもすぐに上手(じょうず)になっていった。
お父さんが教(おし)えたパラグライダーも人の3倍のスピードで上手になっていった。
特(とく)にパラグライダーは力は不要(ふよう)で、技(わざ)と
イマジネーションの三次元(さんじげん)のスポーツです。
人の3倍のスピードで上手になるのは驚(おどろ)くべき事(こと)です。
こんなに恵(めぐ)まれた沢山(たくさん)の能力(のうりょく)を持(も)っている
ホアンの未来(みらい)はすばらしく可能性(かのうせい)が大きいと思います。

ホアン自身(じしん)の夢(ゆめ)も、マサチューセッツ工科大学をめざし、
メカトロ、ロボット、哲学(てつがく)などの勉強(べんきょう)をしたいそうです。
卒業(そつぎょう)したらアメリカで大いに稼(かせ)ぎたいそうです。
ホアンだったら夢は充分(じゅうぶん)に叶(かな)うと思います。

しかし、お父さんはホアンに、別(べつ)のおおいなる期待(きたい)をかけたい。

それはホアンが第3の素晴(すば)らしい能力(のうりょく)を持っていると思うからです。
それは多くの人達(ひとたち)から愛(あい)される能力です。
この能力はどんなに努力(どりょく)しても身(み)に付(つ)くものではありません。
お父さんの大いなる期待(きたい)は、神様(かみさま)が与(あた)えてくれた
この能力をもっと磨(みが)いて本物(ほんもの)にして欲(ほ)しいという事です。

40歳(さい)までは、自分(じぶん)とファミリーの為(ため)に頑張(がんば)って、
たくさんの可能性(かのうせい)を試(ため)してみれば良(よ)いです。
大(おお)いにお金(かね)も稼(かせ)げばいい。

40歳を過(す)ぎたら、皆(みな)さんから愛される事(こと)のお返(かえ)しを、
個人(こじん)へでなく、コロンビアという国を愛する事で皆さんに返して欲(ほ)しい。
自分(じぶん)の持(も)てる力(ちから)をコロンビアに捧(ささ)げてもらいたい。

お父さんの大いなる希望(きぼう)は、ホアンにコロンビアの大統領(だいとうりょう)を
目指(めざ)して欲(ほ)しいという事です。

『ホアン、口ばっかし!』と誰(だれ)かさんに言われている様だが、どうなんですか?
人をおもいやるが故(ゆえ)に、断(ことわ)りきれないのでしょうが・・・・・

最後(さいご)にホアンに贈(おく)る『ことわざ』を捜(さが)したのですが、
4文字熟語(よんもじじゅくご)の
『言行一致』(げんこういっち)を送(おく)ります。

”武士(ぶし)に二言(にごん)は無(な)い!”という言葉(ことば)もあります。
よき指導者(しどうしゃ)になろうとするならば自分の言葉(ことば)に
わが生命(いのち)を賭(か)ける心構(こころがま)えを持って下さい。

『言行一致』これがおとうさんからの最後(さいご)の送る言葉です。

お父さんは、20〜30年後に生きているか、どうかは分(わ)かりませんが、
ここにいる友達(ともだち)はホアンの事を一生(いっしょう)わすれないでしょう。
いつか新聞(しんぶん)やテレビで
「コロンビア!、ホアン・ペドロ・メンドーサ!」
聞(きこ)こえてくる事を楽(たの)しみに待(ま)ってくれると思う。

”オッス”で人の3倍のスピードでがんばれ!!
寝(ね)ている暇(ひま)はないぞ〜!

      ホアンへ          おとさんより   2002年1月20日