ホアンと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                                   愛子 記

1021日(日曜日)『スピーチの原稿書く!』
今日は朝から雨模様。パラ中毒患者の主人は天気がこんなだと、ご機嫌も悪い。
顔をゆがめてテレビを見ている。

今日は町内会はお祭りで、子供達がおみこしを担いで町内を練り歩くのだが
あいにくの雨で今年は中止となってしまった。
各家に張り巡らされた縄とそれにぶら下げる”ごへい”という白い紙が雨に濡れている。
今日はこの縄を1時まで張っておいて、その後、片付けて下さいと指示があった。
こうして各家に縄を張り、ごへいの紙を下げておくという事には、昔から伝わった風習・いわれが
有ると思うのだが、恥ずかしいかな勉強不足でよく分からない・・・・。

ホアンは書かなければならないスピーチの原稿用紙や月曜日にホアンが発表する英語の
宿題のプリントも皆学校へ忘れて帰っている。
学校へ電話して、日曜日でも教室に入れてもらえるか聞いたところ、OKという事なので
ホアンを起して学校へ出かける。
学校では2年3年の英検のテストが行われており、今日が日曜日だという事を忘れさせる。
事務室へ行き、ホアンの教室のカギを借りる。
ホアンの教室は4階だ。ホアンと一緒に教室に向う。

教室に入った瞬間、中を見渡して私はびっくりしてしまった。
それぞれの机の周りには、教科書を乱雑に重ねて床にそのまま置いている子もいる。
教科書ばかりではない。英語や国語の辞書、ノート、プリントの数々・・・。
机の上に教科書を重ねて置いて帰っている子もいる。
私はおもわず、フロアーにぐちゃぐちゃに重ねて置いてある教科書を揃えて机の上にあげた。
教科書が泣き叫んでいる様に思えた。私達の学生時代には考えられない光景である。
頭に入れる書物、学ぶ物をああして、もしかしたら生徒が踏んでしまうかもしれない床にそのまま
置いてあるその光景は、痛々しい。言葉に言い表せない悲しい気持ちになった。
私は新聞でさえ、下に置いたりしないし、子供にもそのように躾けてきた。

少し前にアフリカの方の子供達が勉強する様子をテレビで映していたが、彼らは
15センチ四方くらいの小さな黒板に白墨で字を書いて学び、それを終わったらきれいに洗って
次の授業の人が使うのである。それも一人一人に有るわけではない。何人かでひとつの小さな
黒板を使っている。
こうして勉強したくても、最小限の手段でしか出来ない子供達も沢山いる。

ホアンの机を見た。机の中には教科書、プリントなどが重ねて入れてあったが
フロアーには置いてなかったので安心した。
家でもだいたい整理整頓はからっきしダメなホアンだが
教育に関する書物はホアンは大事にする子だと私は思う。

ホアンが使った体操服が教室の後ろにつくねて置いてあり、「おかさん、これおみやげね!」
と私に渡すホアンである。

教室を出ると、ホアンは自分が置く自転車の置き場や、今はやめた空手の道場を案内してくれる。
空手道場が賑やかだ!行って見ると、道場一杯に沢山の人が白い空手の胴着に黒帯、白帯、茶帯を
しめて練習している。安芸府の生徒だけではなく、指導の先生も他の学校から来られているようだ。
小さい小学校くらいの子供達もいるし父兄の方々も、端っこに座って見学しておられる。
あ!かこちゃんも居た!
ずっと見ていたかったが、お祭りの縄をはずして廻らなければならない時間だ。
ホアンをうながして帰る。

雨は中降り位になっている。主人も今日は家にいるので、手押し車を出して手伝ってくれる。

ごへいの白い半紙が雨に濡れて、ぱらぱら落ちてしまう。
近所の方も手伝って下さって、16軒の縄はずしが終わる。
主人は家にいるのも退屈して、会社にパソコンつつきに出かけて行った。

原稿も取って帰った。本腰を入れてホアンにスピーチを書かさなければならない。
学校の宿題も有る。
これはホアンだけへの英語の宿題で『media』がテーマ。
このテーマに関してホアンの考えをレポート用紙に書き、明日一時間目に発表すると言う。
あ〜ぁ・・・いい加減にやる気になってくれないと、もう時計は3時だよ・・・。

テレビを見ているホアンに「どうするの!」と言うと「今考えている、4時になったら書き始める・・・」と言っている。
おっとりのホアンを見ていると、こちらがノイローゼになりそうなので、私はしばらく近くを散歩する。
30分程して帰ってみると、ようやく本気になったか、ホアンは台所の机に向かってノートを広げている。
「おかさんが助けてくれないと・・・」と懇願の目で私を見あげる。
「さあ!!やりましょ!」と私も机に向う。
レポートが出来上がったら、主人のいる会社に出かけて夕食を一緒にすることになった。
4時半から書き始めたホアンの作文。途中で中段したら、またいつやり始めるかわからない。
7時半まで主人に待ってもらい、ようやく出来上がった。
そのレポート用紙を持って会社に急ぐ。夜、清書だ。
これは明日ポストに投函しなければならない。

食事をして帰ったら、こんどは学校の英語のホームワークが待っている。

夕食を済ませ、ホアンの英語の宿題にとりかかる。
時間はあっという間に過ぎてしまう。
いい加減に寝させてほしい私だが、「ちょっと!ちょっと!」と言って結局1時過ぎまで
付き合わされてしまった。
夜昼逆さ状態のホアンにとっては、目がらんらんとしているが、私は寝不足意識朦朧状態である。
私はストーブの前で横になりうたた寝しながら、ホアンの宿題を書き終わるのを待っていた。
出来た!と言って、仕上がったレポートを見せてくれる。
これは英文でOKなので、ホアンお手の物だ。ちゃんと清書して仕上げている。
やれやれ、これで終わった。寝ましょ!寝ましょ!
やれば一時間位で出来る事なのに、どうしてこうもぎりぎりまでほっとくのだろうねー・・・・・。

1022日(月曜日)『スピーチの原稿投函!』
ゆうべ遅かったホアンだが、今日は一時間目英語のホームワークの発表しなければならない。
夕べ頑張って書いたので、ホアン張り切って出かける。

私も来月のスピーチコンテストの原稿今日消印有効なので、間違いなく投函しなければならない。
午前中郵便局に行き出しておく。”やれやれこれで安心だ”
何と言っても、原稿審査にまずパスしないことには、お話にならないのだ。
ホアンにとっては、一等賞5万円が魅力だが、そんななまやさしい事ではないだろう・・・・。
もし第一審査に通ったら、もう一度原稿を練り直して、考えればきっとホアンならうまく出来るだろう・・・。

LPのNさん、きっと心配しておられると思って書いた原稿をファックスしておく。
今週中には出られるかどうかの連絡があるはずである。

安芸府は明日からいよいよ中間考査だ。ホアンはこの期間中はテストがないので
図書室で自習だ。といってもだいたい寝ているみたいだが・・・。

みなさんテストで戦々恐々としているので、ホアンは遊び相手してもらえない。
夕方も早く帰って来る。

明日は私もリズム体操の本番だ。
試験なので、ホアンはすっかり明日は学校を休む事に決めている。
「ホアンはおかさんの見に行きたい」とうれしいことを言ってくれるが、ホアンを起こしに帰るわけには
いかないので、「女の人ばかりだから、いいよ、いいよ寝てなさい」と言っておく。

夜LPのNさんからお電話を頂く。
昨晩遅かったホアンはすでにZZZ・・・・状態。出来たスピーチの原稿に目を通して頂いて
一応安心される。
学校がテストの間に一日ほど、多忙の間を縫って、ホアンの為に学校に来て下さる予定だ。
ホアンに明日電話させる事にする。

私は、明日のリズム発表会本番の為に今日は早く蒲団に入ることにした。
1023日(火曜日)『リズム体操発表会』
今日は体育館大アリーナで「リズム体操秋の発表会」である。
10時開演なので、9時に行き、少し練習をする。
毎週練習している、集会所ではうまく出来るのに、場所が変わりあたりの風景が変わると
方向音痴の私は、まるであさっての方向を向いて踊ったりする。
私の頭の中はどうなっているんだろう??と情けなくなってしまう。
それでも健康の為にと思って今でも続けている。

練習風景のビデオを見た主人は、「変なものを考え出したもんじゃ!」と言う。
どうして?と聞くと、このリズム体操のコスチュームがふるっている。
白足袋に紺色のジャージーの体操ズボンを履いて、上はニットで編んだ半そでのセーターを着る。
手には曲によって、お扇子をもったり、日本手ぬぐいをもったり、長〜い棒を持ったりといろいろである。
私達はこれが当たり前と思ってやっているけれど、なるほど初めて見る人は、”何と、変った格好だなー”と
思うのかもしれない。でもこれが結構やってみると、動き易いし、楽しいのだ。
そして、色とりどりのセーター、またピシッと色合わせしたコスチュームはとっても華やかで
体操とは言え、見ごたえがある。

   厚生年金会館での発表会。    体育館、大アリーナで・・・・。

   井上陽水の”いっそ セレナーデ”の曲に振り付け.    公民館祭り等でも踊ります・・・。

今日の発表会は、見に来る人は関係者かその知人程度。
普通の日なので、観客は少ない。
それでもあがり症の私は、2曲のうち、1曲は一番前の良く目立つ真中の位置なので、間違ったりすると
よくわかるので、ちょっとプレッシャーだ。
私はホアンもびっくりするほど、身体がタコみたいに柔らかくて、よく伸びるので、それだけがとりえなのだ。
時には、「稲垣さん、手足も伸びればいいってもんじゃーないのよ・・」と注意される。
でもいまのところ楽しんでやっている。今日の出来は65点。
やっぱりあがってしまって、ちょこちょこ間違ってしまった。

土日ではないので自分の出番を終えると、途中で会社に戻る。
ホアンも来たいと言ってくれたけれど、中年おば様の世界なので、退屈するだろうと
「来なくていいよ」と言っておいた。今頃はきっと曝睡中だろう・・・。

                                       
  
会社に帰り一仕事して家に帰る。ホアンは居ない。
多分さっきまで居ただろうという感じで玄関の灯りも点けておいてくれている。
今日はK−1の稽古日なので、多分出かけたのだろう・・・。

これで私の行事も終わった。今日はゆっくり夕飯の支度が出来る・・・。

テレビを見ながら洗濯物をたたんでいると、近くのバス停までK−1の稽古を終えて帰ったホアンが
「おかさん、足が痛い!」と私に迎えの要請電話だ。
主人「足を蹴っ飛ばしてやれ!」とそそくさと出迎え支度をする私に浴びせ掛ける。
1024日(水曜日)『』
今日はLPのNさんに学校で勉強教えてもらう。
昨日ホアンはほぼ一日、夕方4時まで寝ていたので、また夕べは寝られなかった。
へたに眠くなる明け方の3時、4時に寝てしまうと、今度は朝が起きる事が出来ない。
今日は寝ませんと言い、私が蒲団に入る時もまだ起きていた。
私が明け方5時半頃起きて下に降りてみると、夜通し寝なかったホアンは約束どおり起きていた。
案外すっきりした顔をしている。私が起きたので、お風呂に入って来ます・・・と言って
頭をすっきりさせる為お風呂に入ると言う。
朝ご飯を食べると、いつもの様に出かけて行った。

夕方私はリズムのお稽古。発表会が終わったので休みたかったが・・・・。
早めに夕ご飯の支度にとりかかっていると、ホアンが帰って来た。
「あら、早いのねー・・・」 ホアン 「あ〜ぁ、ちょと眠い・・・」
じゃーおかさんお稽古行くから、上にあがって寝なさい」と言うと「何か食べたい、お腹空いた」と言う。
私のお昼ご飯の残りの、巻き寿司とサンドイッチを口にして、落ち着いたので上がって行った。
私が稽古に出る時には既に眠りに入っていた。

お稽古に行ったが、稽古場の電気が点いていない。
先生は何も言われなかった。「やった!今日は休みなんだ!」とさっさと家に帰った。
一応先生に電話すると、今日からちょっと旅行に出かけたんですが・・・・と家の方が言われた。
発表会が終わってホッとして、連絡忘れられたのだろう・・・・。

ホアンももう寝てしまったし、今日はちょっとリラックスだ!
1027日(土曜日)『三段峡へ紅葉見学』
今日も良い天気。午前中に主人愛用のマッサージ機の調子が悪いので
メーカーの方が修理に来られる。
明日天気が悪いという事でさっさとパラに行きたい主人だが、機械が直るまで居る様だ。
いままで何回も動かなくなって見てもらっていたが、今回は分解したりと
すこし手間がかかっている。修理し終えたらもう11時過ぎていた。

私が常日頃から、ホアンにコロンビアでは見られないと言っていた紅葉の美しさを見せてやりたい・・・
と思っていた。
三段峡は今まさに見頃なのではないだろうか?
出かけるには、ちょっと私独りでは、道に自信が無い。
近くに住んでいるいっちゃんのお母さんに来てもらって道を教えてもらう。
彼女は今月初め頃、三段峡に行ったと言っていた。(まだ少し早かったそうだが・・・)

地図を見ながら、三段峡に行く道を教えてもらう。それを見ていた主人、私独りがホアンを
連れて遠出して、万一事故でもしたら?と心配したのであろう、やおら腰を挙げて
一緒に行ってやろう・・・という事になった。
時間ももうお昼だ、ぼやぼやしていたら、すぐ日が暮れる。
主人は「ホアンを起してすぐに起きれば連れってやる、起きないのならわしはパラへ行くぞ!」と言う。
こうなったら、火になってでも起さなければならない。
ホアン!ホアン!と蒲団を剥ぎ、窓を開け、顔を叩いたり、背中を揺すったりする。
あらん限りの力で引っ張ってもホアンは蒲団にまるでへばりついたように眠っている。
私は泣きたくなる思いで必死にホアンを起す。

最後の力を振り絞って、ホアンをベッドから落ちんばかりに引っ張り、やっと目を覚ます。
すぐに朝ご飯を食べさせて、三段峡に向けて出発!
いつもの様に、やっぱり車の中で眠りこけるホアンであった。

高速を走り、戸河内インターでおり、一路三段峡を裏から上がる道のルートを行く。
途中も山々が紅葉して、とっても綺麗なのだが、ホアンは声を掛けると、ヒョイと首を起して
見ているが、また眠ってしまう。

   寝てばっかりのホアン!紅葉より睡眠だ!!Tengo sueno atrasado!    もみじの赤がきれい!! El enrojecido de arce

丁度紅葉もまっさかりなので、さぞかし車も長蛇の列をなして??と思ったが
あまり知られていない裏からのルートだったせいか、順調に三段の滝上り口に到着した。
『ホアン、起きろ!歩くぞ〜!!』と主人の声に、『おっとせい』か『あしか』が起き上がるように
重い身体を起して車の外に出てくるホアン。
さあ!ここから小一時間歩いてまず三段の滝へ行く。
一時間は随分歩くような気がするが、色づいた木々の一本一本を愛でて、川のせせらぎを
聞きながら歩いていると、時間は全く忘れてしまう。このあたりは漆の木があまりないので
紅葉がいまひとつぱっとしない。黄色の中にあの漆の木の燃えるような赤があると
他の色も引き立ち、とても綺麗なのだが・・・・。

三段の滝に着くと、皆さんそれぞれに写真をとったり、ゆっくりあたりの景色をみたり
思い思いに紅葉を楽しんでおられる。
私もホアンと流れる川のすぐ近くまで行き、水に手を漬けてみた。ひんやりとして気持ちいい〜!!

   寝起きでボーとしているホアンと・・・。La tabla de guia    これが三段の滝!Este es "SANDANKYOU"

   今まさに見頃です!Con padre y madre    身軽なふたり!dos agil personas

   絶景です!Las enrojecimiento del cereze estan ahola en su mayor esplendor    ”はぜ” の木が有ったらもっときれい!las montanas estan cubiertas de rojo y amarillo

次ぎは2段の滝だ。もと来た道を引き返す途中で、2段の滝へ行く道がある。30分あまり歩く。
ああ!今度は船で行くんだ。
私がこの三段峡に来たのは、父がまだ生きていた頃だったので、もう20年も前になる。
でも舟で近くまで行って見るのは初めて!
船頭のおじさんが、岩から岩に張ったロープを伝って、2段の滝まで乗客を案内している。

ホアンは「僕も船の操縦出来るよ」と言う。「じゃー、一人いくら貰う?」と聞くと
「一人1000円だ」とすこし大きな声で言ったので、丁度タイミング良くその言葉に反応したように
何人かのお客様がぞろぞろと帰って行ってしまったように見えた。
「ホアン、こちらの船頭さんは400円だぞ!ホアンは高い!と言って皆帰っちゃったぞ!」
指差すと、ホアンもそれを見てゲラゲラ笑っている。

   こ〜んな魚がいるよ!!En este rio hay umbra    ”おとさん あれ見て! すごっく狭いよ〜!!La cascada esta alli!

   どこでもVサインばっかり!tomar algo el bote para ir alli    オス・メス仲良く”いわな”のカップル。"Umbra"

   船頭おじさん、ロープをたぐって2段の滝へと・・・。Se alza una abrupta pena!    この向こうに2段の滝!Alli se ve un casada

船頭のおじさんは、大きな声で”1人400円で〜す”と言い、エプロンのポケットに徴収したお金を入れている。
船の横木に腰を掛け下の水を見ると、透明度100%。小さな魚もくっきりと見える。
さっきからずっと2匹の魚が並んで泳いでいる。船頭のおじさんに「あれは何て言う魚?やまめ?」と尋ねると
おじさんはめんどくさそうに”いわな”と一言。おそらく、舟に乗るお客さんから一日に何度も何度も聞かれるのであろう。
その岩魚(いわな)はさっきからくっついて泳いでいる。産卵が始まるのだろうか??

両側に切り立った壁のような岩の間を、私達15名ばかりの乗客を乗せた小さなボートは静かに通り抜ける。
舟の縁から下を覗くと、深さ7mくらいは有ろうか、底の底までくっきりと見える。
おもわず水の中に手をつけて、その水を髪に付けたり、顔を濡らしたりして感触をたのしむホアンである。

3段の滝の方は上流がダムで堰き止められているので、流れる水は余りきれいでないが、
こちらの方は、まったく自然そのままに保たれているので、水の流れは実に澄んできれいである。
ホアンもきれい!すごっく、きれい!を連発している。

7mも有った川の深さを途中から急にボートが腹をこすりそうな程に浅くなる。
これには”あれ〜??”とホアンもびっくり。滝の音がゴーゴーと耳に入って来る。
2段の滝が大きな岩の後ろに有ると見え、そのしぶきだけが見えてくる。
ボートから降り、2段の滝の正面に行く。すごい!!とうとうと流れ落ちる滝の水に思わず叫ぶ。

しばらく滝の音、周りの景色を楽しんでいると、あれー”チョロQおじさん”はあっという間に誰も行かない
滝の裏へと探検!だ。

ホアンが「おとさん!」と言うので、『ホアンも行きなさい、ビデオここで撮ってるから』と言うと
すぐに主人の後を追いかける。
途切れる事無く、滝の水がゴーゴーと落ちている。滝も裏から見ると、また違った風景が見れる事だろう。
滑るから気をつけろよ!と追いかけて来たホアンに手振りで言っている様だ。

何かにつけて、やる事なす事良く似た二人である。


   コロンビアではこんな景色見られないよ!Frente de la cascada    滝の裏に入って行くホアン。ちょっと白いジャケット見えるでしょ!Juan va reverso de la cascada


   紅葉と透明度100%の水で心が洗われる・・・・。Este es dos cascada      もっと乗っていたいね〜・・・!desandar el camino recorrido

30分位滝の周りで写真を撮ったり、紅葉を楽しんでいると、ボートがやって来た。
もと来た方へとゆっくりと引き返す。
20年ぶりくらいにこの滝に来たけれど、ボートに乗ったのは私は始めてで、とってもうれしかった。
主人は学生時代に先生と仲間と3人で寝袋・テントを担いで、この滝沿いを歩き、一番奥の聖湖まで
行ったそうだ。この話も私は結婚何十年目かにして初めて聞いた話である。

またしてもチョロQの主人は、帰る途中、さささっと川原に降りて行く。
「ホアン、来て見ろ!」と言う。「なにをする おとさん!」といぶかるホアンに、
「おとうさんの子供の頃にやった遊びを教えてやる」と言いながら、ぺたっとした厚み5cm、
10cm四方くらいの石を探して来て、その石を左手に持ち、右手こぶしでパン!と叩くと、
”あれれ 不思議!!”主人のこぶし一撃で見事にその石は割れたのである。
「どうして? おとさん!!」と叫ぶホアン。
「ホアン、やってみろ!」の主人の言葉にホアンも挑戦するが、”痛い!!”と顔を歪めるホアン。
「石を少し下の岩から離して、打ち付けるのがコツだ」と主人の種明かしを聞いて、再度挑戦。
今度は何回かこぶしで叩いた後でパカっと割れた。でもやっぱり手は痛そうである。

これでわしらの事も一生覚えておいてくれるだろう・・・・とつぶやく主人。

   わしが割ってて見せちゃる!Padre romper la piedra    この石でやってみろ!Lo haqremos a titulo de ensayo!
 

   ほんとに割れるの?golpear la piedra con el puno    いたい!手が割れそう〜 Ay!!    

   オッス!!気合をこめて Una vez mas!    あれ??われちゃった!!El piedra se rompe!


今日は楽しい一日だった。
我が家の近くの『千里香』で夕食を食べて帰る。
1029(月曜日)『学校を休む』
昨日はうつすような雨の一日だった。
主人は会社でパソコンを、ホアンは町へ出、私は田舎へ母のご機嫌伺いに・・・と
3人三様に日曜日を過ごしたが、ホアンは又週始めだというのに起きない。
朝はホアンにとっては恐怖かもしれないが、私にとっても前の晩から「起きれるか?起きないか?」と
もっと恐怖なのである。
朝4時に電話のベルで起される。コロンビアからホアンの友達の様だ。
もう一度寝なおしたのがいけなかった。6時半だ。つい寝過ごしてしまった。
ホアン!ホアン!と起すが起きない。4時頃の電話で一旦目が覚めたホアンだが
30分位話した後、また寝たようだ。こんな時は絶対起きる事が出来ないホアン。

「ホアンが学校休むとクラスメートのみなさん心配するでしょう!」
「後からおかさんと行きましょう、兎に角起きて頂戴!」等とホアンの起きそうな言葉を並べてみるがダメ。
揚句には「きょう、がっこう休む!」と言う。ベッドに張り付いた様に眠るホアンに私は諦めた。
由也にメールで休む事を伝えると、「最近多いっすね、明日は学校へ来らせて下さいよー」と返メール。

私がこんなに躾てしまったんだ!まったく私に頼りきっているホアン。
頼り切っているというより、なめてしまっているホアン。『どうすればいい?』と自問自答。

                                                             

夕方帰ってみると、家は真っ暗、玄関のカギもかかったまま。
「4時頃起きてまたどこかお友達と約束してでかけたんだわ・・・」と等と思いながら、洗濯物を取り込みに
ベランダへ。階段から降りながら、居間を見ると、机の下にホアンの足がチラっと見えた。
「あ〜ら、ホアンがどこかに隠れているのね〜・・・・」と机の下を覗く。
ホアンは”ふぇ〜・・・・!”「こんなにして、ずっとおかさん待ってた」と言いながら、机の下から這いずり出て来る。
学校へ行かなかったテレ隠しをしている様だ。

「おかさん、今朝おこって僕の顔叩いた!」等と言う。
「みなさん、学校どうして休んだ??!」って電話かかったでしょう!と言うと
夏木ちゃんが「ホアンはもうすぐコロンビアに帰るんだから、学校来なきゃダメ!」と言ってくれたそうだ。
「でもホアン、レイナには昨日、明日ホアン学校休むと(冗談で)言ったんだ」と私に言う。

私をそれを聞いたとたん、たとえ冗談にしても、そんな気持ちが心の端に有ったと思うと急に
悲しく情けない思いになってしまった。
私は起きる気もないホアンを一生懸命起していたんだ!朝の忙しい時間に、料理の手を止めながら
走って二階に上がり、ホアンを起し、まだ起きないホアンをまた駆け上がって起こしに上がる。

私のために学校へ行って貰ってる訳でもないのに、やっぱり学校休んでしまった〜!と
後でホアンに情けない思いをさせるのは可愛そうとそればかりを思ってきた。
朝どうしても起きられない自分にホアンだって情けない思いはしているんだ・・・と思っていた。
でも本当のところは、安きに流されたい自分もしっかり健在なのである。

もう、しばらくホアン起しから解放させてもらおう・・・・・!
いろんな思いが交錯して、すっかり気落ちしてしまった。

夕飯はいつもより気持ちが沈んでしまった。

1030(火曜日)『』
今日は学校にLPのNさんが来られる予定だ。
昨日の悲しい気持ちを引きずっている私。朝一応ホアンを起した。起きそうにはない。
何度か声を掛けたけれど、その声に『もう女房は絶対起してやるって気は無さそうだ!』と察した主人は
これではいけないと思ったか、私が下に降りると、寝床から這い出して
「ホアン起きろ!」と手をパンパンと叩いて大きな音をさせてホアンを起している。

「わしは死んでもホアンを起こす気はないぞ!」と前から言い続けていた主人だったが
さすが、私の気持ち、そして来られるNさんに迷惑を掛ける訳にはいかない・・・と思ったのだろう。
私に代わって今朝はホアンを起す主人。

ホアンの朝ご飯の支度、お弁当を作っておいて、私は庭の落ち葉を掃く為外に出る。。
ちょっと裏でごそごそしている間に、ホアンは学校に出かけて行った。

今日はホアンはK−1の稽古日だ。
来月K−1の試合に出るホアン、防具を買ってやらなければならないと主人。
夕方ホアンと駅で待ち合わせて、体育社に出かけた。

先週26日広島ピースセンターからホアン、スピーチコンテスト参加OKの手紙が来ていた。
真剣に5万円狙っているホアンだ。
このところスピーチづいているホアン、今日また学校で、ホアン、こんどはコロンビアと日本の
違いに付いてスピーチをして下さいと言われたそうである。
スピーチの原稿作りに急がしいホアンである。