2001年7月入梅になり良いフライト少ないな〜

2001年7  月   
7月7日(土曜日)晴れ
昨日の天気予報は曇り後晴れだったが,何とか薄日も射して良さそうである。
いさんで神の倉へ。
何と車が少ない。さすがパラ中毒重症患者の石田さんと武ちゃんは来ていた。
その内近藤のおばちゃん、小脇さん来たので、とりあえず荒谷山へ。
湿度の高い空気はどんよりと、滞っていて、時々北風や正面も入るが、小脇さん
出る気配無し。フライトフーツも着ないし、お昼寝を決め込んでしまった。
近藤のおばちゃん我慢ならずサブランへぶっ飛び。いくら待っても良くならい。
小脇さんも痺れを切らして、テイクオフするも何も無し。
メインダンディングへまっしぐら。私も後についてメインランディングへ。
2本目は児島さんや時安さん来てもう一度荒谷山へ。山本さんもあとから駆けつける。
正面やら、南からも時々入る。先に飛んだ人の状況から、平岡建設の方で、なにやら
ありそうなので、児島さんテイクオフ。±0のリフトでじっくりねばり、じわじわと揚げ始め
+100mには上がった。
私も急いでテイクオフ。±0の空域は10秒ばかり有ったが、児島さん揚げたので
先にもっといいのが有るのかと思って行ったが、下がる一方となってしまった。
あわてて廻して探ってみるも何も無し。とうとう平岡建設裏の緊急ランディングに
降ろす羽目に・・・!。
石田さんや時安さんに『さっきは見ていてわずかに上がっていましたよ』と指摘
されてしまった。自分で上昇していると体感しないし、バリオは鳴らないので
廻して見なかった。
±0でとりあえず廻して見ることはした事が無いが、渋い条件の時は±0でも
喜んで廻さんといけんらしい!今後の大きな課題の様だ。
ランディングの場の竹やぶの上では±0で3回ばかりは廻してみたのだが、
±0の空域に留まる技術が大いに不足している。
あと2本は神の倉からぶっ飛び。ウイングオーバーの練習でうさばらし!
7月8日(土曜日)晴れ  文教女子大のパラ体験会
今日は文教女子大の恒例のパラ体験会だ。
おじさんは「女子大生」という名前のあやしい(甘い)ひびきに引き寄せられ
神の倉をあきらめ、お手伝いする事に!今年は14名の参加である。
山本夫妻に、スタッフが藤本さん、西村さん、徳ちゃん、岡本さんと私である。
午前中は立ち上げして、少し走って傾斜でストップ。何とか全員出来た。

   きょうは女子大生13名も!!   体操して怪我のないように

   はい!これがライザーです   おじさん、今日は頑張っちゃうんだから!

昼前に風が良かったので、私はランディング場に降り、誘導すべく待機。
風が定まらない。ようやく一人飛んで来た。頭の中は真っ白でハンドマイクで
「腰まで引いて!!」と言ってもあまり反応してくれない。しかし何とかソフト
ランディング。グライダーを前に走らせたのでキャノピーまとめるのを手伝う。
「私、今ふるえています」と女子大生。手がふるえている。あまり心の準備も
ないまま、先頭切ってフライトしたものだから、ほんとに頭の中は真っ白だったらしい。
風の条件悪いので中止して昼。本日の荒槙牧場は大盛況だった。
地森スクールが6−7名。広大学生が7−8名。
プレジャークラブが5−6名、コットンクラブまで3−4名来ていて、とっても講習生には
満足出来ない状態であった。
昼からはスモールヒルは私達「体験会」組とプレジャークラブ。あとの組は
ラージヒルへ。風の方向が定まらず。殆んどウエイティング。私もランディング場で
待機するも蒸し暑く、フラフラで2名ほど誘導し、藤本さんにバトンタッチ。
本当はこのポジションが一番おいしいポジションなのだが(初フライトの感激の
第一声が聞ける)あまりも蒸し暑く、ウエイティングの時間長いので諦める。
いっちゃんのお母さん、立ち上げの稽古に来たらしく、私はいっちゃんの子守りに
専念する。いっちゃんを側に置いておくと、かわいいので、女子大生も寄ってくる。
フムフム!!いちゃんを出汁に話をする。下の方で、パワーシャベルを動かしているので
いっちゃん連れて見に行く。さすが男の子で「もう帰ろう!」とおんぶすると
「もうちょっと見る」と言う。3回ばかりおんぶしては降ろす。

                                              

今日はしっかり「じじ」させてもらった。本当の孫が出来るのはいつの事やら。
4時頃、講習会終了。今回は皆さん大いに意欲もあり、楽しめた様子。
最後の挨拶で女子大生代表の子も大変喜んでいた。
「皆さんが今日体験した5秒間が私の人生を変えてしまいました」と私もつい
おしゃべりしてしまった。いつかパラの仲間に入ってくれれば、うれしいのだが・・・。

   今日は一日楽しかったです!   いつかはパラの友達になりましょう

本日の神の倉は午前中にネコシャク状態となり、パラもハングも皆幸せだったらしい。
近藤のおばちゃんも荒谷山から出て+300m揚げ、神の倉に移動。
1時間以上を飛んだらしい。梅雨の晴れ間は素晴らしいプレゼントを残したようだ、
昼からは条件渋くなり神の倉テイクオフについたときは井口夫妻が+300mを
飛んでいた。すぐに皆降ってしまい、それ以上の条件なく、皆でぶっ飛びと
なってしまった。
私は半分翼端潰しを3回、その後ウイングオーバーで憂さ晴らし。

7月10日(火曜日)『広大医学部集中治療室へ』

                                             

ホアンが来てから、肉料理が多くなった。
彼は脂身を絶対食べない。よって赤みの肉が多くなってきた。
もっとも霜降りの神戸牛とはいかないので、ぞうりのような肉になった。
少し大きいかな?と思いつつ、食いちぎる積りで噛んでいたのだが、つい飲み込もうと
したら、喉につかえてしまった。息が出来なくなり、あわてて吐きに勝手口に走る。
口のものを吐き出したが、喉につかえているものが出せず、息が出来ない!
持っていた箸で、喉をつつこうとしたが、どうも到達しないようだ。
咳をしても出ず、あまりに苦しいので息を思い切り吸い込んだら、ヒィーと少し空気が入った。
しばらくぜいぜい、ヒィーヒィー言っていて、つばを飲みこんだら少し空気の通りが良くなった。
嫁さん廻りでオロオロしている。「救急車!」と叫ぶもあまり声にならず。
立って前かがみで口を一杯にあけ、気道を広げるようにして、何とか息が細々出来る。
体に変化を起こして気道をつまらせると、一巻の終りと思い、そのままの姿勢を保つ。
救急隊到着。私の状態を見て、処置することも、寝かせる事も不可とみて
ステレッチャーに座ったまま搬送。無線で連絡をとっている。
今夜の当直医には、耳鼻咽喉科の医者が居ないので、広大医学部ICU(集中治療室)
に受け入れてもらう交渉成立。
「良かった!助かった!」と心底思った。
広大ICUにたどりつけば、不測の状況起きても、喉の切開してでも、取り出してくれるだろう。
今はとにかく息をする事だけに専念しよう。
15分位して、ようやく広大ICUに到着。直ちに診察。座った姿勢で鼻から細かい内視鏡で
観察。声門の所につまった肉が見えますとの事。キャッチするも、肉が大きく掴めない。
耳鼻咽喉科に行って、もう少し大きい内視鏡を持って来る様に指示している。
見つからないのかインターンの先生なかなか降りて来ない。
主治医の先生が他の人を出そうとしている時に持参。
フレキシブルなものでないので、鼻から入れてのどの奥の肉に届かないらしい。
2本の内視鏡で案内しながら、肉を掴んだ。引っ張ってみたが肉がちぎれるだけで
出る様子なし。耳鼻咽喉科診療室まで行って、肉を吸引してみようかという事になる。
ストレッチャーで耳鼻咽喉科へ。顔を上げ、ミラーで喉の奥を見ようとするのだが
吐き気がして、オエッー!!
肉が上に上がって、声門部をふさぎ、ゼイゼイ、ヒイヒイ、ピーピーと息が出来なくなる。
つばを飲み込むと,喉の動きで肉が納まり、少し息が出来る様になった。
やっぱりICUで処置するしか方法ないですねという事になりICUに戻る。
今度は喉の切開手術も視野に入れた準備。まず手首の動脈に検査針を打つ。
痛い!脈拍、血圧などを正確に計る為らしい。
ミラーがあたっただけで、息がつまるのに、麻酔をして、寝かされて、息が詰まって
どうなるのかなー?自分でも知らないうちにあの世に行くなんていやだな〜!!
喉を切開すると7月19日からの沖縄行きはキャンセルだなー・・・。
とか
太平楽な感慨に浸っていた。とりあえず息が出来るのと、広大ICUに居る事で
何とかしてくれるだろうという安心感は大いに有った。

麻酔の先生が「2cc」と言っている。少しボーとしてきた。もう一度「2cc」
「ボーとしてきました」と伝えた後は何も覚えていない。
1時間後位に気がつく。つまっていた肉片を見せてもらった。
大きさは親指大で長さ6−7cmあった。これが声門のところに1cm位顔を出し
あとは気道の方へ入っていたらし。丁度狭くなっているところなので、それ以上は
中へ入らなかったらしい。肉片がひょうたん型で狭いところで息が出来たらしい。
処置は喉の奥を広げる器具で広げ、肉片を取り出す事に成功。肉片が気道に入ると
厄介な事になったらしい。その時は喉の切開手術!!
更に異物が気管支の奥まで入ると肺炎を起こすことになるらしい。

                                    

本当に何事もなく、翌朝には、無事退院となった。看護婦さんから「稲垣さん!
本当に生き運ありましたね!」
と言われた。本当に幸運だった。
耳鼻咽喉科の当番医がいないで、広大ICUに運ばれて来た事。
肉片の大きさが何とか気管支へも落ちないほどに大きく、声門を潰さない程に小さく、
息が出来ていた事。

私を生かしていただいた人たちや、ご先祖様の助けに感謝の気持ちで一杯です。
しかし、息が詰まるということは、事故や病気と違って命が天秤棒にぶらさがって
ゆらゆらしているというか、命をわし掴みされた感じ
で強烈な感情でした。
7月14日(土曜日)  雲の吸い上げとトップラン     
今朝は起きると、日差しが強そうである。
8時過ぎに、ご近所の皆さんと溝掃除である。
肉の喉つまり事故を事細かく再現して報告。
息が出来なくなり、ヒックヒック、ゼイゼイの再現には同情やら、可笑しいやらで
大受けであった。
最後には、ご近所も私より10歳以上年上なので、”人事ではない”という事で
深刻に受け止めてもらった。
皆さんのお陰で命拾いさせてもらったので、今日も頑張って飛ぶぞ〜!

10時半頃、ランディング場に到着。
9時には、近藤のおばちゃん、(大方さん居ないので、お父さんに朝早く連れて来て
もらっている)9:30には、友井さん、広大学生達が来ていた。
小脇さん登場し、石田さんも集合。とりあえず荒谷山へ。
南の風2m位が入ってくる。時々正面からも入り始める。9時頃から来ている近藤の
おばちゃんテイクオフ。南の小山でさぐっても弱いサーマルしかない。廻す程もなく
更に南に遊んでいる。だいじょうぶかなー。殆んどリフト帯に当たらず井原駅裏へ。
おっ!沈下しなくなった。弱いリフト帯に入っているが、1〜2回廻してみるも沈下のみ。
あわててサブランへ。さほど沈下せず、余裕でサブラン到着。

しばらく間を置いて小脇さんテイクオフするも、ほとんどぶっ飛び状態。
本流は南風でたまに弱いブローで正面の時を狙ってテイクオフしようと、私はじっくり待つ。
弱いながら正面の風になった。”テイクオフ”
正面小山で弱いサーマルヒット。バリオは+1m位で微かに鳴っている。
半回転してテイクオフに向けたままでも、リフト帯に滞空してる様だ。
そのまま、テイクオフに向けて直進。何だかバブルサーマルの中に乗せられたまま
上昇している。一回転もしないで、+100m上昇し、荒谷山山頂+30mまで到達。

半回転して、テイクオフ上空をさぐると、テイクオフ北側のボールの上で+3mの
リフト有り、そのままハイバンクで廻して上昇。
結構上空は南風強いらしく、ハイバンクターンで上昇しても、向原方面に1.5m位流される。
再度テイクオフ北側ボール上まで帰り、サーマルヒット。
2〜3回繰り返し+700mで雲底へ。

                        

児島さん、石田さんもテイクオフし、上げ始める。ねずみ色の雲底だと、2−3mの吸い上げが
有る。但し高度は地上1100m位なので、寒くなく湿気でべたべたする。少し厚めで
広い雲底の雲が来た。出来るだけ雲の端に寄る様にしながら、雲中へ。
私の空域には誰もいない。上昇率も+1m位で穏やかだ。
メインランディングは真南をさしていたので、雲中では真南を目指す。
5分位で端に出てしまった。児島さんは、雲が発生中と見て、
石田さんに注意を与え、広島方面にエスケープしたらしい。
雲も無くなり、私一人でさみしい。テイクオフ場には、さっきから近藤のおばちゃんが
ただ一人ウエイティング中。1時間40分飛んでいるので、もういいや!とトップラン狙って
テイクオフ上空へ。高度処理しようとするのだが、結構リフト有り。
3回ばかりアプローチやり変える。南風の中正面から、偏流飛行でふんわりトップラン。
落ち着いて、後を振り返り、クロスでキャノピー降ろす。
30分ばかり、近藤のおばちゃんと
二人きりで過ごす。
餅を喉に詰まらせて死ぬ老人の話や、どんな死に様になるのかと、
どうも、お迎えの近い者同士では、ロマンチックとは程遠い。
もっとも私の場合、相手が娘さんでは5分と話題がもたないが・・・・。
石田さんにお願いしてむすび等を買って来てもらった。
昼からはサブランへぶっ飛びだ。夕方神の倉へ移動。
リッジ、アーベントタイムとなり、+100m位で、1時間ばかり全員楽しめた。
南風が強く、トップランは出来なかった。

                           
7月15日(日曜日)
友井さんに「15日は朝練でアクセルバーの調整して、沖縄ツアーの
準備して下さいよ」と言っておいた。天気予報は昼から雨である。
8:00だが、今朝は嫁さんゆっくり寝ている。
私の事やら、ホアンの事やらで少々夏ばて気味の様だ。
カップうどんがあったので、それをかき込んで、9時には出発。
ごそごろしていると、嫁さん起きて来た。
「朝練だ」と言い残し、神の倉へ。
プレジャークラブの人は、朝7:30から朝練している。友井さんは一緒に上がったらしい。
小脇さん、友井さんと地森スクールの講習生達を乗せて神の倉へ。
上がってみると、誰もいない??。プレジャークラブは??
一緒に上がった皆んな、西斜面下に下りはじめた。??と
のぞいてみると、小田さんの顔が見える。小田さんスタチンしたと思い、プレジャーの
他の人の顔が見えなかったので「小田さん一人残して皆んなどうしたん?」と声をかけたら
武重さんが居た。スタチンしたのも、小田さんではなかった様だ。
ラインチェックを手伝って、講習生がテイクオフするのを少し見守る。
1本目は10分のぶっ飛び。
2本目は右尾根で粘っていると、雨が降り出してぶっ飛び。
3本目ウエイティング中に土砂降りの雨。
雨の天気予報で飛べただけましな一日でした。