パッちゃんと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                              愛子 記

     2005年 9月
9月18日(土曜日) パッちゃん パラグライダーに挑む
楽しかった夏休みもあっという間に終わり、2学期が始まった。
パッちゃんは不思議な子で、朝「学校行きたくない」とか、「家で勉強する」とか言っているけれども
あれでけっこう私たちの手を煩わせることなく、行くことにして学校へ出かけて行くのである。
ホアンの時は毎朝格闘だったけれども・・・・。

女学院高校は第二土曜日だけが学校がお休みである。
久しぶりの土曜休みなので、少し遅くまで寝かせておいた。
パッちゃんが起きると、「お母さん!おかあさん!」と言って付きまとうので何も出来ない。
洗濯、掃除を済ませてお昼が近くなったので、起こすことにした。
主人は今日も好い天気なのでパラグライダーへと出かけて行った。
パッちゃんは主人のやっているパラグライダーに興味を示し、やりたい!!やりたい!とねだったので
ホアンの時もそうだったように、AFSを通して、両親の了解を求める書類を書いてもらった。
パッちゃんもタイの両親から、パラグライダーをやらせてもよろしい!との書類が届いたそうだが、どうも
パラグライダーがどっちに向いているものやら、ご存知なさそうだ。
真実を知ってびっくり仰天されるのでは・・・・とハラハラドキドキものであるが、当のパッちゃんは
「だいじょうぶ!!だいじょうぶ!」を連発している。
今日はお天気も良いので、主人からパッちゃんを連れて来たらどうか?と携帯に連絡が入る。
早速パッちゃんを起こすと、喜んで出かける支度をする。
神の倉に着くと、山本さんの奥さん、由香里さんが一人東屋に座っておられた。
「うちのはどこですかね〜?」と聞くと、荒谷山で飛んでいるらしい。
無線を入れると、トップランするので、ここに上がってくるように言う。
近くのコンビにでお昼ご飯のおむすびと飲み物を買ってテイクオフに上がる事にした。
テイクオフに上がると、原田さんと是枝さんの奥さん達がそれぞれ可愛い子供さんをつれて来て
遊ばせておられた。子供の好きなパッちゃんはすぐに近づいて行き抱っこをする。
さっきまで、べそかいていた原田さんちの彩美ちゃんはぴたっと泣き止み、
パッちゃんのひざにおとなしく抱かれて座っている。
ほんとにパッちゃんって不思議な女の子である。
やはり、ちっちゃ名子供にとっても、以心伝心できっとわかるのだろうなぁ〜・・・。
昼間の日差しはまだまだ暑いので、テントのしたで、主人とパッちゃんとおむすびを食べる。
テイクオフに程よい風が入ってきて、フライヤーの人はみんな飛び出して行き、テイクオフは私たちと
原田さん、是枝さんだけとなったので、車を降ろしテイクオフにはだれもいなくなった。

 かわいいなぁ〜!!! やっぱりおかあさんがいいんだなぁ〜・・・。

再び東屋に降りると、他のフライヤー達が三々五々集まって賑やかになっていた。
パッちゃんは知らない人に混じっても、あまり物怖じもせず、愛想を振舞っている。
持ってきたタイのお菓子を配ったり、主人がホームページでパッちゃんの事を書いているからか
何人かの人からは「パッちゃん!!!」と声を掛けてもらい、とてもうれしそうなパッちゃんだった。
パラグライダーに挑戦する事を地森さんに言うと、試乗の機体を出して下さって、かわいいパッちゃんに
手取り足取り教授して下さった。
この子は、パラの感性がいい!!と地森さんに言ってもらい、「パラグライダー大好き!!」と目をうるうるさせていた。
程よい風で足がほんの数秒浮くと、もうあの山から、こんどは一人で飛ぶ!!!気の大きな事を言い出すパッちゃん。

 
 地森さんから教えを請うぱっちゃん。 ほら、ここがからんでるよ・・・・。

 私パラのセンスあるんだって!! そうそう!まっすぐ進んで!!!

夕方タンデムを山本さんにお願いすると、快く承知して下さり、早速皆で神の倉に上がることになった。
今日はタンデムまで経験出来ると思っていなかったので、ビデオカメラの準備が出来ていなかったのが残念だった。
パッちゃんにとって、まったく初体験のパラグライダーだけれども、テイクオフは程よい風もあり、スムースに
テイクオフして行った。
日曜日の度にパラグライダー!パラグライダー!とおねだりが始まるのではないかと、心配顔の主人である。
10月の最初にパラグライダーの体験会がある。甲田町の湧永庭園の奥にある、荒槙牧場というところで
行われるので、パッちゃんもこれに申し込んでいる。
「低いところはいや!、スーと飛んだらすぐ降りるでしょう!!」なんてわかったような事を言って
主人を困らせるパッちゃんでした。



 もう私一人飛べるんだけどなぁ・・・・。 はい!!ぱっちゃんの初フライトです! 

9月23日(金曜日)AFS平成17年度第1回広島支部会
今日は広島国際会議場でAFS広島支部のミーティングがある。
期せずして今日はパッちゃんもこの国際会議場で広島女学院の茶道部の何かがあるらしい。
朝行きたくないだの、うじうじ言っていたのを、無理矢理支度させて、平和公園の所の国際会議場まで
送ってやった。
AFS集会は午後3時からなので、パッちゃんも茶道部お稽古が終わってくればいいのだが、
いい加減なパッちゃんなので、何時に終わるかも把握していない。

午後3時前に私は再びこの国際会議場AFS集会に出かけた。
パッちゃんはどこにいるのだろう?
センターに入ってみると、今日は広島市内の女子高の学校紹介をやっており、フロアーには学校紹介パンフレットや
学校の制服をマネキンに着せてずらりと展示してある。
そして学校得意のクラブ紹介もやっており、パッちゃんの女学院も、その一環でお茶をたてて、来られたお客様に
振舞っている様だ。
女学院の征服を着た女の子が二人歩いてきたので、「パッちゃんはいますか?」と聞くと、きょとんとしている。
あ!そうだ パッちゃんは我が家での呼び名で、女学院では「ルーちゃん」と呼ばれていたんだ。
「あ、ごめんなさいルーちゃんいますか?」と聞き返すと、ああ!!と彼女たちは顔を見合わせ、「はい!!」と答えて
走って呼びに行った。
しばらくすると、ニコニコ顔で「おかあさん!!」とぱっちゃんが何人かのお友達と連れ立って、出てきた。
我が家に遊びに来た、あやかちゃんも居た。
何時に終わるの?と聞くと、3時半だと言う。「じゃーおかあさん先に行ってるから、終わったらすぐいらっしゃいね」と
言うと、「どこいくん!!」と心細げなパッちゃん。
「AFSの集まりをどこでやっているか、玄関のところの受付で聞いて、パッちゃんに教えてやってね」と
あやかちゃんに頼みAFS市部会会合に向かう。
今年度から、堤さんに代わり、槙原政徳さんが広島支部長となられた。今日はその紹介や支部の活動・行事
などについて話し合われるようだ。
広島支部も聞けば、留学生の受入れ校はあっても、ホストファミリーがなかなか見つからないのだそうだ。
悲しいことに、福岡支部は今年度を持ってなくなってしまったそうだが、この広島は、被爆地であり、世界に平和を
訴える為にも、広島支部はなくしてはならないと堤さんや、
槙原支部長さんなど、AFSスタッフは地道な努力をなさっている。
もし、このホームページを見て下さっている方で、留学生をお世話してみたいとお思いの方、また知人の方など
ご存知の方は是非AFS広島支部に連絡頂ければと思います。 

“ Walk Together,  Talk Together. ” 
──────────────────
財団法人 エイ・エフ・エス日本協会
 評 議 員・広島支部長 槇 原 政 徳
──────────────────
http://www.afs.or.jp/chugoku/hiroshima/
──────────────────
My Homepage
http://ww5.enjoy.ne.jp/~mackey.2540/

☆イベント情報☆
★募集情報★
◎2006年年間派遣(一般選考【後期】・支部選考B)募集中!
 ※詳しくは次のURLにアクセスしてください。
 => http://blog.livedoor.jp/afs_chapter/archives/50037296.html
◎留学生のホストファミリー募集中!
 ※資料請求は次のwebページで入手できます。
 => http://www.afs.or.jp/shiryou/osaka.html
◎ボランティアスタッフ募集!
 AFSの活動に参加してみませんか?
 ※詳しくは次のURLにアクセスしてください。
 => http://blog.livedoor.jp/afs_chapter/archives/26369892.html


  写真正面黒い服の方が槙原支部長さん。そのたスタッフ等・・。

パッちゃんも茶道部のお稽古が終わり、3時半にはミーティングルームにやってきた。
同じ女学院で一緒のキャロラインちゃんも今日は来ている。
支部長さんのほうから、パッちゃんとキャロラインちゃんに、日本に来てびっくりしたこと、困ったこと
なんでもいいから話して下さいと言われる。
何も考えていなかったパッちゃんだったが、10分の考える時間をもらって、
何か一生懸命メモっていたが、次のような事を言った。
「日本の人は、みんなやさしい。それは皆んな!皆んな。」
「子供が一人で電車やバスに乗っているのに、びっくりした。タイでは絶対一人はない。18歳くらいまでみんな親と一緒。
(子供一人歩かせるのは危険なようだ)。また、日本人はみんな心キープする。嫌な事でも絶対言わない。
でもタイはすぐに言う。見ただけで嫌いでも、はっきりと「私あなたが嫌いよ!」とはっきり言う。
タイの食べ物はすっごい辛い。日本に来て最初食べた時「これ何!!味がぜんぜん無い!!」と思った。
でも今大好きになった。味噌汁もご飯も大好きです。
日本のプリクラすごいい!!タイはあるけど、そんなじゃない。へん。
そして、電車とかバスでカード入れたら、ピッでもうお金払わなくていい。
タイはお姉さんがちっちゃなカバン持ってお金集めてまわる。
それとタイの学校は、皆んな征服にアイロンを毎朝かけて行く。アイロンかけてないよれよれの
服だったら、「ああ、お母さんがいないんだ・・・とか貧しいんだ・・・とか思うのだそうだ。
このアイロンに関しては、なるほど、パッちゃんにいつぞやアイロンかけのお手伝いをさせると、
とっても上手にかけていたのを思い出した。
パッちゃんはもう12歳の頃から、アイロンかけは自分の仕事として、やっていたそうだ。

そんな諸々の事を書き連ねてしゃべっていた。こんどの支部長さんである槙原さんもAFS生として
タイ留学の経験がおありだそうで、「そうだ、そうだ!」と興味深く聞いておられた。
5時過ぎにはミーティングも終了し、パッちゃんと急ぎ我が家に帰る。

9月24日(土曜日)パッちゃん、城北高校文化祭に行く。
パッちゃんは女学院のお友達のきょう子ちゃんと一緒に城北高校の文化祭に行くことにしている。
11時に約束したと言って、時間に合わせて出かけて行った。
パッちゃんにとっては始めての他の高校見学、そして男子校訪問である。
お年頃のパッちゃんとしては、きっと楽しみな事だろう。

タイの学校事情で、面白いと思った事がある。
タイでは毎朝学校集会みたいなのがあって、皆の前でパフォーマンスをするらしい。
それは楽器であったり、歌であったり、スピーチであったり、あらゆるジャンルに及ぶらしいが
個人、またクラスでそれを披露するため、上手であったり、かっこよかったりすると学校中が注目し
一躍憧れの的となるのだそうだ。
パッちゃんは住んでいるペッチャブリの町で、スピーチコンテストで優勝したため、「ルーちゃん!ルーちゃん!」
と皆が声を掛けてくれたそうだ。だから一芸に秀でると、学校中の注目の的となり、他校までその噂が及ぶと
町を歩いていても声を掛けられたりするのだと言っていた。
時々インターネットを見ているパッちゃんが、「お母さん見て!!見て!これ私の学校!!こんなことをしてるのよ!」
と、そのパフォーマンスを伝える映像を見せてくれる。
なるほど、きらびやかな衣装に身を包み、ダンスをする女学生の姿とか楽器演奏している姿など見ると
「あぁ〜こんなこと日本もやってみたら楽しいし、もっと横の繋がりが出来て学生生活の楽しいだろうなぁ〜・・・」と
ふと考えた。

  城北高校文化祭です。 音楽、演劇数々の出し物が・・・・。

 
夕方、ただいま!!!と元気良く帰ってきたぱっちゃん。
あまり出し物で面白いのは無かったようだが、「一人男子学生のお友達が出来た!」と言って嬉しそうに報告してくれた。



9月26(月曜日)アンヘレスのお姉さん来日
23日にメキシコからアンヘレスのお姉さんが来日された。
彼女の名前はデニース(Denisse)と言って、メキシコの自衛隊員ミリタリーの一員で軍医でもある。
今回始めての来日で、アンヘレスも心待ちにしていた様だ。
私たちも2週間の滞在中、いつか会う機会があるだろうと思っていたところ、突然アンヘレスからの電話。
「おかさん!!助けて。今広島の銀行に来てる。メキシコペソを日本円に換金に来たけど、どこも出来ないって言う。
どうしよう!!!」と助けを求めて来たのだ。
すぐに私も電話で問い合わせるが、メキシコペソをすぐに日本円に換金する所は無さそうだ。
少なくとも東京に送ってからの事務処理になるため、一週間から2週間は必要との事。
彼女達も途方にくれ、最後の手段とばかりに電話してきた様子だった。
もうこうなったら、最後の手段。私たちが当座のお金を貸してあげるしかなさそうだ。
そんな訳で、突然のハプニングでデニスに会うことになった。

そごうの所で待っているアンヘレスとデニスに会いに行き、しばらくベンチにすわり話をする。
明日は丁度宮島と岩国に行くと言うので今夜は我が家に泊まって行ったら?とアドバイス。
お金の段取りが出来た彼女達は、気持ちが楽になった様子で国歌を歌ったり、はしゃいでいる
ほんとに南アメリカの人々は陽気で明るいし、ケセラ・セラだなぁ〜・・・・。

私も仕事の途中なので早々に事務所に帰る。
これから彼女たちは広島城と広島美術館に行きまぁ〜すと言って人ごみの中に消えていった。

夕方私は一足先に夕食の食材を買い、家路を急ぐ。
手の込んだお料理は出来ないので、出来合いのお寿司とタイのアラのお吸い物、キュウリの酢の物
などして主人達の帰りを待つ。

 アンヘレスのお姉さんデニスが来日。 お寿司もたっぷり頂きました!日本ダイスキ!!

車の音がすると、やんがてのほどにパッちゃんが一番に「ただいまぁ〜!!」と元気良く帰ってきた。
続いてアンヘレス、お姉さんが我が家に。
一度に賑やかに、そして華やかになり主人も女性軍に囲まれてご満悦。
みんなお腹すかせている様子なので、すぐに夕食にする。
アンヘレスも日本で何かと寂しい思いをしているので、お姉さんの来日で子供がおかあさんに甘えるような
雰囲気である。
それもそのはず。アンヘレスとデニースは16歳も年齢の違う姉妹なのだから・・・・。
4人姉妹だけれど、アンヘレスにとってはデニースが一番何でも言え、何でも相談出来るお姉さんだと言っていた。
夕食はお箸がとても持ちぬくそうだったけれど、お寿司はとても美味しい!!と言って沢山食べてもらった。
まだ時差ボケが続いており、頭がぼ〜とすると言われるので、お風呂を済ませ早々にお布団に入って就寝。

何時も我が家のマドンナであるパッちゃんが、今日は影が薄いので少しつまらなそうな様子。
そして心なしか私達に甘えてくるパッちゃんだった。