ホアンと稲垣夫婦のホームステイ日記

                                                   愛子 記

1123日(金曜日)『パラグライーダー初飛び』
今日から3日間、神の倉では全国からフライヤーが集まり『平和カップ』という大会が
行われる。今日は天気も上々だ。
主人もスタッフなので、現地7時半集合という事で早くに出かけて行った。
今日は大会の後で、ホアン初めての神の倉初フライトが予定されている。
自然相手なので、100%飛べる確証は無いが、とにかく夕方にかけて、神の倉へ行って
スタンバイしておこう。
ホアンをお昼に起こし支度をする。

神の倉へ着いたのは3時頃であった。上空を見上げると、何機ものパラグライダー、ハンググライダーが
空中に浮かんでいる。うう・・・今日は条件良さそうだ!きっとホアン飛べる!と期待が高まる。
駐車場に居た主人とテイクオフに上がる事にする。
山本さんの手が隙次第、見てもらうようスタンバイだ。
4時過ぎ、無線連絡をとりながら、下で待機の山本さんの支持を仰ぐ。
ホアンのキャノピーを広げ、ハーネスを装着する。無線のチェックも完了だ。
風も強すぎる程ではない、むしろ微風に近いが、そよそよと入っている。
イントラ山本さんより、「準備OKならばいつでもテイクオフして下さい」と無線入る。
少し、ナーバスそうなホアン。テイクオフにおられた地森さんが、それを見られて、
「ホアン!一度立ち上げて、真上にキャノピー来たら降ろして見ろ!ここで止めてあげるから大丈夫!」
と言って下さり、ホアンもその通りキャノピーを一度立ち上げてみる。
きれいに立ち上がる。そして下に降ろす。
これでホアンも少し落ち着いた。

   今日こそ 飛べるぞ〜!!volara alto !!    さあ! 頭のはちまきは”神 風”だぞ〜!!palpitar un poco

   そんなへっぴり腰では神風が泣くぞ〜!!Animo!    そんなこといったって おとさん!やっぱりナーバスだよー!!con calmka!

   よし ホアン!いい風が来たぞ! Esplendido!    わ〜い!! 気持っち 良〜いぃぃ・・・・!volar por los aires!

さあ!準備完了だ。「ホアン、自分でいいと思ったら出ろ!」と主人の声に、すぐにホアン立ち上げる。
立ち上げには自信のあるホアン、”華麗なるテイクオフ”である。
「ホアン出ました〜!」と主人無線入れる。テイクオフしてま〜すぐ前方に進んでいる。
山本さんより、「ホアン、あたりがきれいでしょう〜・・・!」と無線が入っている。
そのまま、ずっと、ずっと、そしてちょっと右ターンしましょうね〜・・・ハイ OK。いいですよー」
ビデオを構えて写していたが、高度があまり落ちずに、いい調子で飛んでいる。
だいぶ、ランディングの上空あたりに近づいた。
「ハイ、そこで、左ターンね、ハイ、ランディングを目指しますよ〜・・・」
「ハイ、まっすぐ、まっすぐ・・・・・ハイ、そろそろ足を出して、着地体勢ですよ・・・」
「ハイ、走って!走って!・・・」無事ランディングだ!
ふ〜うう!、素晴らしい、パーフェクト!良かったねホアン。念願の初飛び成功!!
今日はもう一本飛べるかもしれない。テイクオフでホアンが上がって来るのを待つ。
大会はすでにクローズになり、フリーフライトになっている。
何人かのフライヤーが自由にフライトを楽しんでいる。

30分位してホアンがにこにこと笑顔でテイクオフに上がって来た。
「はい、スペイン語で感想を一言!」とカメラを向ける。なにやら短くベラベラ・・・・と喋るホアン。

                 !Bravo! Sabia que no fallarias!!

「もう一本飛べそうだから、準備しろ!」と主人。すぐに嬉しそうに準備し始める。
山本さんと再び連絡をとり、2本目のフライトの無線を入れる。風も穏やかだ。
1本飛んでプレッシャーも無くなったホアン、いつでもテイクオフOKだ。
2本目も一発で立ち上げテイクオフして飛び出す。うまい!
やっぱり、パラグライダー大好きだけあって、さすが抜群の感性を持っている。
山本さんも2本目なので、すこし余裕が出て来て、タンディング近くまで言葉少な。
ランディング上空に行ったあたりで、少し右ターン、左ターン、の指示をされる。
少しランディングに高度が有りそうだ。うう・・少し高い!ランディングの端寸前で少しターンを
かけて、うまく着地をした。とっさのホアンの機転だった。
実は後から聞くと、山本さんの無線がハーネスの中にマイクが入り込んでいて、聞こえにくかったらしい。
やっぱり、主人と同じで、とっさの判断、機転を効かす事が出来る事ホアンである。

ホアンが飛んで降りたのを見て、私も1本飛ぶ事にした。
夕方のアーベントが少し有ったので、なかなかランディング上空に来ても高度が下がらず
ピンポイントで降ろしてやろう・・・なんて考えて右ターン、左ターンを繰り返していたら
山本さんより「そろそろ真っ直ぐ入って来ないと、ショートですよ〜・・・」と言われてしまった。
無事ランディングして、主人は車を回収して降りて来た。

今日は大会初日と言う事で、近くの『リンダル』という喫茶店で"パーティ”がある。
オイスターパーティ・・・とか聞いたので、ホアンに牡蠣を食べさせてやろう・・・と思い、
パーティに出てみることにした。
リンダルで、7時半から始まるので、機体を車に詰め込んでリンダルに向う。
大会に参加した選手の人や、関係スタッフ達がぞろぞろ集合し始めた。
リンダルの前の広場には、大木をやぐらに組んで、赤々と火が燃えている。
寒いので皆さん火のまわりに集まって来る。
音楽がガンガン流れ、雰囲気は盛り上がってくる。

広場のあちらこちらで火が焚かれ、牡蠣の殻つきを焼いていたり、おでんの大きな鍋も湯気が出ている。
ブタか何か分からないが、丸焼きがこんがりと美味しそうに焼けている。
寒いので、おでんやブタ汁のような汁物も美味しそう!
ビールやコーラといった飲み物も沢山用意されている。
みなさん思い思いに紙のお皿やお椀を片手に好みのコーナーに向う。

転々と木の机と椅子が置かれているので、食べながら皆さん歓談されている。
ホアンは東京から来られた児島さん(コジワン)と話がはずんで、当分の間話をしていた。
しばらくして私と主人の所へ戻って来たホアン、「トイレに行った時、すっごいスペイン語の
上手な人が居た!」と眼を白黒させて言う。

主人とホアンに何か食べ物を貰って来ようと思い、あちこちあさって戻ってみると
主人が恰幅の良い中年の男性と話しをしている。
実はこの方、元マツダの松島さんだそうだ。ドイツ語、スペイン語、英語と語学堪能の方だ。
ホアンが「スペイン語の堪能な人」と言っていたのは、多分彼だったのだろう・・・。

松島さんは私のお花の先生である鈴木榮子先生と旦那様が、大変親しい間柄にて、
いつも榮子先生をとおして、私たちの事やホアンの事等が話題になり
松島さんもホアンと是非話をしたいと思われていたようだ。
ホアンもびっくりする程スペイン語が流暢なので、ホアンも大変うれしく、楽しく会話がはずんでいた。


   東京児島さん(コジワン)と話がはずむ・・・。ir a una fiesta    松島氏と  ”はい!ポ−ズ”!Habla sepannol con fluides muy bien

リンダルのバルコニーでは、フラメンコをならっている、パラメンバーがなまめかしいフラメント衣装に
着替えて、ダンスが始まる。
スペインはパラグライダーの出来る場所が多い為、毎年神の倉のメンバーも訪れているので
スペインに大変親しみを感じている。東京転勤で今回パラ大会に参加された工藤さんも
お酒がまわってか、舞台に駆け上がりフラメンコを踊り始める。
ホアンが今日初飛びをした事を皆さん良く知って下さっていて、会う人会う人にオメデトウを
言って頂いたようだ。
リンダルの中では、生バンドの演奏が賑やかだ。
パラメンバーの若者達が音楽に合わせて手を振り上げたり、身体を動かしてバンドに興じている。
ステキな音楽だったので、私も後ろの方でしばらく聞いていた。

   月の下 フラメンコが良く似合う!flamenco abajo de la luna    ブンジャカ!ブンジャカ!イエイッ!!

7時半から始まったパーティもそろそろお開きだ。
皆で散乱したゴミやビールや飲料の缶を集めて片付けたり、燃えるゴミ、燃えないパック類も
分別して袋に入れる。
だいたいスポーツを愛する人はマナーが良いと思う。皆さん協力的で、あっという間に片付いた。
選手の皆さんは明日もあさってもコンペがあるので、あまり遅くなってはいけない。
閉会のアナウンスにみなさんそれぞれの宿泊先、自宅へと解散する。
ホアンと私は乗用車で、主人はボンゴ車で家に帰る。

今日は東京から長男が同窓会を兼ねて帰って来ている。
お正月が忙しくて帰れそうにないので、この3連休を利用して帰ると言っていた。
リンダルでのパーティの頃、長男も西条で同窓会の最中だ。
終わる頃を見計らって、主人が迎えに行く事にした。いづれにしても、東インターから
西条に行くので、一旦家に帰り、主人はそのまま長男を迎えに西条に走る。
長男が帰る事で、ホアンは少しナーバスだと言う。「僕が居るから、聡怒らない??」等と私に聞く。
大丈夫!ホアンもおかさんの息子!聡はとってもいい子よ、何の心配も要らない!要らない!と安心させる。
しばらくして、外で車のバタンバタンと音がする。”帰って来た!”
居間でコタツにずべりこんでいたホアン、ちょっと緊張!
聡が入って来ると、すくっと起き上がり、聡と握手。聡の方も少し緊張。
同窓会で沢山飲んだか、寝不足が続いていたか、「今日は、すごい眠いんじゃ〜!」と言って
挨拶もそこそこに2階へ上がって寝てしまった。
ホアンも明日はお友達と約束がある。
今日は初フライトで疲れた。お風呂を済ませ、そろぞれ床に着く。

1124日(土曜日)『息子と過ごす・・・』
今日も神の倉では大会をやっている。
主人は久しぶりに帰って来た息子と過ごす為に一日をあけている。
それでも、いつもエリアにいるはずの主人がいないと、「どうしたんですか〜?」とメンバーの
方から携帯がかかっている。

ホアンの寝ぼうはいつもの事だが、今日は息子も久しぶりの我が家でくつろいだか
なかなか起きて来ない。高校生時代には4時に起きて新聞配達をしていた子なので
朝はきちっと眼を覚ますのだが・・・。
お天道様が上がったので、眼は覚ましていると思うが・・・。

11時過ぎ電話のベルが鳴る。モシモシ・・・と言うと、どうやらコロンビアからの様だ。
とっさに「Juan este dormido」とやけっぱちスペイン語を並べる。
どうやらお友達の様でホアンと話がしたい雰囲気。
いづれにしても、もう起きなければならない時間だ。ホアンを起こしに上がる。
「ホアン、電話よ〜!」というと、すぐ起きて下に降りて来る。
電話を終えて、ようやく眼が覚めたホアン、食事を済ませ、出かける支度をし始める。
駅前に1時と約束したので、時間の無くなったホアン、ばたばたと出かけて行った。

長男の寝ている部屋をノックすると、既に起きて、まんがを読んでいる。
実は主人には目論見が有った。会社で使っているパソコンをもう1台増やしたいと思っている。
タイミング良く息子が帰って来たので、相談して一緒に買いに行こうと思っているらしい。
「もう起きる?お父さんがコンピューターの事、相談したいんだって!」と声を掛ける。
今彼は東京で一人住まい。忙しさにかまけて、たいした食事もしていないのだろう・・・。
久しぶりのお味噌汁だったか、お代わりをしてくれる。
3人で昼食を済ませると、主人は息子を伴って会社に出かけて行った。

やれやれ皆んな出かけて行った。これで思いっきり掃除が出来る!
天気が良いので、お布団もベランダ一杯に干した。
漬物も荒漬けしたのを、本漬けにしなければならない。

ホアンの帰りも夜遅いだろう。会社に行った主人と息子とで一緒に夕ご飯は
外で食べる事にする。

休む暇も無く家事をして、気がつけばあたりは薄暗くなり始めている。
主人達はどんな様子だろう?と電話してみる。
今電気店でコンピューターを見て考え中だという。
いづれにしても、7時半頃私も会社に行ってみるから・・・と電話を切る。

7時過ぎ会社に行ってみると、「これ、買ったよ!」と大きな箱が所狭しと置かれている。
長男が居る間に買って、今日の内にセットをしておいてもらおうと思っているようだ。
いまからセットするとなると、まだまだ時間がかかりそうだ。
3人で夕食を先に済ませる事にした。
ホアンが市内にいれば、食事が終わって私が一緒に連れて帰れるので、
ホアンに持たせた携帯にメールを入れて置く。
すると、しばらくして「僕は家にいます」と返事が返る。
”へえ〜!!今日はえらく早く帰ったわね〜・・・”と思い、夕食を済ませると私は家に急ぐ。
家に帰ってみると、ホアンが一人、コタツにすわってテレビを見ていた。

「ホアンお腹空いた!」と言う。「え〜??夕食、食べてないの??」
「おかさん、ドライブ行きましょ」とホアン。
「じゃービデオショップへ行こか?」と2人でドライブだ。帰りにコンビにでホアンお気に入りの
”すき焼き弁当”を買う事にした。
ビデオレンタルショップでホアンの選んだ3本のビデオを借りた。
主人達が帰るまで、ホアンと一緒にビデオを見る。

9時半頃主人と息子帰って来る。今晩息子は論文をかかなければいけないので
今日はもう繋ぐ作業は止めて帰って来たらしい。
明日の飛行機の時間は朝の11時半頃をとっているので、忙しい。
昨日は帰って来てバタンキューでホアンと話をする時間も無かった。
今日はゆっくりとホアンと話をしている。
息子も主人のパッチワーク状態の性格なので、議論討論が好きである。話をすれば一晩中でも
話は尽きない。
ホアンも主人の教えた諺とか、憂鬱・刺繍等というむつかしい漢字を紙に書いて見せると、
日本人でも書けないこんなむつかしい漢字を書ける事にまずびっくり、そしてその字のきれいな事。
息子も”すごい”の一言である。そして先日のスピーチで優勝した事、学校で沢山の友達が出来た事。
ホアンにとっては、息子は一応安芸府の大、大先輩なので、先生の話等話題は尽きない。

明日はホアンのクラスメート、由也君と越君がホアンのパラグライダーを見に来る予定だ。
明日はパラグライダーの大会最終日。それが終わってまた飛べるかもしれないので
皆で、神の倉に行く予定である。

息子ももう少し本を読みたいからと部屋に上がって行った。

1125日(日曜日)『驚異のお茶パワー』
朝9時頃起きた長男、本郷の飛行場に11時半頃の便なので、朝食を一緒に食べる。
夕べあまり父親と話の出来なかった息子は、会社での自分の仕事について語り始めた。
息子はコンピューターの営業部門に属しているが、去年入社して一気に走りつづけ
ほっと一息ついた最近、すこし自分の職柄が自分の性格に合わないのでは?と
疑問をもち始めたらしい。
父親に何を相談する・・・という訳ではないが、あれやこれや話す中で、何か
将来を考えるヒントになる事も多いにあるので、父親の話に耳を傾けている。

主人は”口角泡を飛ばし・・・・”の雰囲気であったが、あまりゆっくり出来る時間でもない。
私が声をかけると、息子はシャワーに行き支度を始める。
主人がパラグライダーに行く途中空港まで送っていくようだ。
10時過ぎ、主人もパラ道具を積み込み、息子と共に出かけていった。
私は息子に何も土産がないので、彼の一番気に入っている、お茶の葉を粉状に
摺ったものを小さな瓶に入れて持たせた。

息子も大学時代に西条で一人住まいしていた時これを飲ませたら、結構気に入って
飲んでいて、友達の間でもこのお茶は大人気となったらしい。

最近多分ブームだと思うが、これだと急須もいらないし、お茶の葉が全部粉として
飲めるので健康にも良いし、主人が何よりも気に入っている。

実はこのお茶、すごい健康パワーがあるようだ!
主人は昔から、手のひらに汗腺というものが無いので、汗ばんだ時には、汗の出て行く場所が無い。
だから手のひらの皮が剥ける事で発汗処理されるのだ。
だから主人の手のひらは、いつも”ざらざら”というか、ボロボロで可愛そうであった。
お医者さんに相談しても、こんな変な病気に効く薬もなく、諦めていた。
ところが1年半位まえに、このお茶摺り機を買って粉茶を飲みだして以来、
手のひらがだんだんつるっとしてきて、皮も剥ける事無くツルっとしている。ざらざらも無い!
主人はこの粉茶のお陰!だと信じている。


更に面白い事に、何と主人
と同じ病気を持った子がもう一人居た。ホアンである!
最初頃は手のひらがそんなとはわからなかったが、なにかのひょうしにホアンが
手を開いて見せて、ありゃー、ホアンもおとさんと一緒だ〜!!とびっくり。
何から何まで、主人に似た子だと思っていたが、ここに至って、この可笑しな病気まで一緒とは!!
ホアンも手のひらがざらざら、そして、ナーバスナーバスと言っては、指の腹の皮まで歯で
むしったりするので、ホアンの手のひらの皮はぼろぼろ!。
お風呂あがりのホアンの手のひらは皮が剥け、真っ白になって、見るも無残な状態だ。
おかさん、クリーム無い?というので、ハンドクリームを付けてやるが、良いのは付けた時だけで
乾けば、また手のひらはざらざら・・・してくるのだ。

そんなホアンを見て、「ホアン、お茶を飲んでみろ!おとさん粉茶でそれ治ったんだぞ!」
粉茶を飲む事を勧める。
ホアンは猫舌で熱いお茶は絶対飲まない。食事の時は、かならず冷たい飲み物が要る。
私はホアンの為に、紅茶を沸かして、お砂糖を入れ甘くしてそれを冷蔵庫に入れて置く。
またポカリスエットでも良い。兎に角冷たくて、甘い飲料がいいのだ。
主人の勧めで、お茶を飲む気になったホアン、熱いのが苦手なので、
お砂糖を入れ抹茶ジュースにして飲ませる事にした。

「兎に角それをだまされたと思って3ヶ月続けてみろ、絶対治るから」と主人。
私も協力して、食事の時、また弁当に持って行く水筒にもこのお茶ジュースを入れた。
ホアンがこのお茶を飲み始めたのは、先週の半ば頃だった。
そして、2日ほどたった朝の事である。ホアンがこれ見て!と手のひらを広げて見せる。
見るとホアンのざらざら手のひらはつるつる状態!
「どした?その手!!」と主人。「おとさん治った!!」とホアン。本当につるっつるなのだ。
本当にお茶のせい??それにしても、ちょっと即効過ぎるよー!私は半信半疑。
確証はないので、「良い事は続ければ良い。しばらくお茶を飲ませてみろ・・・」と主人。
ホアンも不思議で仕方無い様子だ。
自分の手のひらが治った事ですっかり粉茶のとりこになった主人は、以来、
毎日お湯飲みに10杯くらい、このお茶を飲んでいる。

お茶談義はこのくらいにして・・・
今日はクラスメートの由也君と越君が来る。
9時半頃、由也くんはお父さんに送ってもらって、我が家に到着。
由也君と主人は初めてなので、少しだけ話をして、息子の飛行機の時間が有るので、
急いで出かけて行った。
由也君は2階に上がりホアンを起してくれる。「かなりてこずるわよ!」と言っておいたが
起す人が違えば、こうも素直に起きてくれるものか・・・10分程で仲良く降りて来る。
いやいや、何かホアンを驚かして、起したらしい・・・・。
しばらくすると、越君から電話だ。後30分程で着くらしい。
時間を見計らって、バス停まで迎えに行く事にした。

そろそろ着く頃かな?由也君が歩いて迎えに行こうとするので、「ホアンと留守番してて頂戴」と
言い置き、私は車を出す。
1分から2分ほどでやって来たバスから越君降りて来る。
「いらっしゃい!」 

   ホアンはまだ夢の中 ZZzzz・・・・。El nino que duerme mucho se cria bien.    僕ら 悪がき3人組!!gran amigos

   僕が大将〜!! 越、なにそれー??    見よ! この団結心!

越君を伴い家に着くと、ホアンうれしそうに出迎える。
お昼は簡単にカツカレーを作った。ホアンはこのカレーも大好き!
お鍋の中でカレーがふつふつと温まってきたので、「由也君ご飯をよそおってくれる?
越君はカツをご飯の上に載せて、ホアン、カレールーを掛けてね」
「さあ!出来たよ!後はおかず無し!お漬物だけだよ!」
4人で食卓に向かい”頂きま〜す!”
ほんとにこの3人は仲が良い。ホアンにとっても本当に楽しい青春の1ページになる事だろう。
いや、ホアンはとっても友達を大事にする子なので、一生縁は切れない事だろう・・・。

ホアンはシャワーを浴び、パラグライダーに出かける支度を始める。
後片付けをして、私も出かける支度をする。
越君と由也君は外でくつろいでいる。

主人はボンゴ車を置いてくれているので、3人を乗せ神の倉に向う。
途中でCDラジカセから車内で音楽が聞けるものが有るというので、
(そんな便利な物があるなんて、知らなかった私)途中、日曜大工センターに寄り
由也君と越君が買って来てくれる。皆でワイワイ歌を歌いながら、楽しいドライブだ。

30分程走り、神の倉にだいぶ近づいて来た。
上空を見渡しても、パラグライダーは一機も浮かんでいない。
今は少し風もきつそうなので、あまり条件良くないのかもしれない。
主人はテイクオフにあがっているようなので、私たちもあがってみる事にした。
テイクオフでは、沢山のアスリート達が待機、風待ちをしている。
主人の姿が無い。どうやら選手の一人がテイクオフした瞬間に風にたたかれ、
キャノピーが回転してツリーランしたので、回収に行っているようだ。
北斜面ず〜と下の方で、ブッシュが揺れている。
テイクオフでは、皆さん心配そうに下方を覗きこんでいる。
30分位して、回収も終り、ツリーランした選手を先頭に、でかバッグにキャノピーを
つっこんで、皆さん、ぞろぞろと上がって来た。幸い怪我もない様だ。
立ち上げると、ビューンと上の方へキャノピーごと持ち上げられる程、今は風が強い。
大会ももう少しでクローズになるので、選手はこのようなコンディションでも、とにかく
テイクオフして出て行く。
これではホアンも今日はとても飛ぶ事は出来ないだろう。
何人かのフライヤーは飛び出し、残ったメンバーは3時から成績発表と閉会式が
あるので、降りて下さい」とのアナウンスに諦めて、キャノピーを片付けて降りて行く。
由也と越君ホアンの3人は仲良くビデオと遊んでいる。

みんな引き揚げて行く中、どうしても飛ばないと気がすまない主人、やおらキャノピーを
広げ、テイクオフの準備を始める。


   あのキャノピー ゆらゆら がさがさ 怖そうだね〜・・・。    誰が一番ハンサムだ??勿論 越・・・俺だよ〜!

   違うよ、 俺!ホアンだ・・ いや 由也だべ〜!!    いや! 絶対ホアンだってば〜・・・・。 わかった、わかった!

強い風にもかかわらず、主人は一時間位は浮遊していた。
テイクオフ場は皆んな降りて行ってしまい、私たちだけになった。
主人があれでも、トップランするかな?と思い、しばらく、私はず〜と見ていた。
ホアン達は寒いので、車の中に入り、ガンガンに音楽をかけ、歌ったり、叫んだり、おばさんは近づけない
異常ムードが漂っていた。
それでも、「おかさん!寒いでしょう!!!入りなさい!!」と声をかけてくれていた。
主人もそろそろ寒くなったか、たった一人で飛んでいるのも、つまらなくなったのだろう
ランディング場に向っているので、私も下に降りる事にした。
「ホアンもここへ着いた時から、今日は飛べないや〜!」と諦めていたようだった。
でも、こうして友達とワイワイいうのもまた楽しいのだ。

ランディング場では、大会の成績発表や、表彰式等が行われていた。
私はあまり遅くなると、お家にも心配されるので、2人を送って行く為、一足先に
ランディング場を後にする。
越君を広島駅まで、由也君を自宅まで送り届け、ホアンと家に帰る。
主人も程なく帰って来るだろう。
またホアンの飛べる時に皆さんいらっしゃいね・・・!

1126日(月曜日)『自転車壊れる』
夕方6時半頃仕事を終えて家に帰り、夕食の支度をしていると、ホアンから電話。
やれやれ又遅くなると言う電話か?と出てみると、「おかさん、今何してる?」とホアン。
「一人でホアンの帰りを待ってるのよ!」と言う私。
「おかさん、ぼくの自転車、ちょとおかしい・・・」と言っている。
どうやら、自転車が壊れたみたいだ。
あたりはもう真っ暗、ホアンに待っているように言い、とりあえずホアンの居るところまで
行ってみる事にする。
高校への道中の見えるところで待ってて!と言っておいた。
薄暗い道すがら、見逃しては・・・と近眼の私は目を皿のようにして、両脇の道にホアンの
姿がないか、みながらゆっくり走る。
半分以上上がったあたりで、向こうの方で手を振っているホアンに気付く。
「おかさんこれ!」と自転車を浮かして、タイヤを廻して見せる。
見ると、後輪を回転させると、グニャグニャと回転している。
これではホアンが乗って、急な道を下ると、蛇行して危険だ。
乗用車にうまく詰め込めたので、家まで持って帰る事にした。
今晩、主人に見てもらい、ダメならバイクショップで直してもらおう。ホアンと家に急ぐ。
主人が既に帰っており、みて貰う。どうやら、主人の手にもおえそうにない。
「別なのと交換してもらった方がいいだろう」と言う。
明日高校に電話して、別なのを手配してもらおうという事になった。

「今日学校の先生から、スピーチで優勝した時の”盾”を学校へ持って来て見せて下さいと言われた」と
報告するホアン。
「へー!!良かったわね〜・・・」そして校長先生がもっと話しをしたいので、自宅に遊びにいらっしゃいと
おっしゃられたそうで、ホアンはびっくりしまた喜んでいた。
すこしづつじわじわと喜びをかみしているホアンである。
私たちもテレビの上に飾った優勝の盾を見る度にうれしくなってくる。

1128日(水曜日)『ホアン誕生日を祝ってくれる』
夕方買い物を終えて家に急いで帰る。
今日もホアンは遅いんだろうな〜・・・何時頃帰るんだろうな??
今日は私のリズム体操のお稽古日ってきっと知ってるから、インターネットカフェにでも
行ってまた遅い事だろう・・・・等と
いろいろ頭の中で思いを巡らせながら、真っ暗な中、両手が荷物でふさがっているので
とりあえず、キッチンの方へ荷物を運ぶ。
コタツの横を通った時だ、「ウォッ!!」と突然コタツから起きだした者!ホアンだ。
私は真っ暗だし、誰も居ないと思って居たので、腰が抜けんばかりにびっくりする。
「あ〜ぁ、ホアン、帰ってたの!」と気持ちを落ちつかせ、ホアンと向かい合う。
「どうした?何か有ったの??」と矢継ぎ早に聞いてみる。

今日学校でインターネットでメールチェックしたら、友達からのメールで
一級下の女子友達が病気で亡くなったとメールもらったらしい。
彼女は長い間、糖尿病をわずらっていて、その事はホアンも知っていたらしいが
亡くなったというメールにショックですぐに学校から帰って来たらしい。
人の生き死にに関して異常なまでの反応をするホアンなので、私は少し心配した。
少し前にコロンビアからお母様が電話された時、何も言われなかったので、僕は信じない!
と言っている。
そんな話をした後、「おかさん、今日誕生日?」と聞く。
「う・ぅん・・・そうだけど・・・どうして??」と言うと、「さっき、誰か知らないけど電話有った。
おかさんに誕生日おめでとうと言って下さい」って。「ふ〜ん 誰だろうね・・・」
予想外にホアンが早く帰っていたので、「じゃー、おかさんリズムのお稽古休んじゃおう!!」
「レストラン、行きましょうか?」 「うん!そうしよう!!」 話はすぐまとまった。
会社に居る主人と時間を待ち合わせて、出かける事にした。

主人の仕事が少し手間取ったので、会社に9時過ぎに行く。
主人と3人で連れ立って、駅近くのインド料理専門のレストランに行く事にした。
久しぶりにインド料理が食べたくなった。ホアンも辛い料理は大好き。
ナンの香ばしい香りとカリカリとした歯ざわりが美味しい。
誕生日!という事でホアンと私はワインをオーダー。
主人はアルコールはまったくダメなのでコーラで乾杯。
激辛、少し辛め、とカレーのルーを付けてナンを頂く。
一枚のナンは私には丁度良い大きさ。少し物足りないホアンと主人はもう一枚注文追加。
一枚半づつをたいらげた。
「あ〜ぁ 美味しかった・・・」
さっとレシートを持ってレジの所へ行くホアン。「まあ、うれしい!!」
「今日はホアンがご馳走してくれるんだ!」
レシートを見れば、6千円近く払っている。「あなた、半分出してやりなさい・・」と
そ〜と、耳打ちする私。「いや!ここはホアンの男をたててやらんと・・・」と主人。
先日のスピーチコンテストで多額の賞金をもらって、少し気が大きくなっているホアンだ。
主人と2人でレストランの外に出てホアンが来るのを待つ。
出て来たホアンに心から”ありがとう”と言った。

1130日(金曜日)『パラグライダー忘年会』
ホアンの自転車が壊れたので、安芸府中高校の石原事務長さんに連絡して
別の自転車を手配して頂いている。
留学生会館に聞いて頂いたら、もう自転車の予備は無かったそうで、
「安芸府中高校の卒業生が置いていった自転車があるので、それを捜してあげましょう」と
言って下さり、昨日、すでに別な自転車の手配をして頂いて、さっそく主人が自転車を
取りに学校に伺った。
ホアンのスピーチコンテストの折りのビデオを差し上げたら、大変喜んで頂いた。

今日ホアンはLPのN村さんと駅エールエール館で会う約束だ。
今度の日曜日にホアンは漢字テストが有る。
最後の追い込みなので、(と言っても、全然勉強していないホアン・・・)
LPの方の注意や出題ポイントのチェックである。
今日ホアンは学校を休み、自宅勉強をしているはずなのだが(多分寝ているかも・・・・)
いつも時間にルーズはホアン、寝過ごしていなければいいが・・・・。

今日は夕方からパラグライダーの忘年会がある予定だ。
ホアンもLPの方との勉強が終わって駅で落ち合う予定にしている。

6時半ごろホアンの携帯に電話する。夕方車が多かったので、自転車で駅まで
来ているという。それでは・・・と私たちはボンゴ車で駅に向う。
忘年会は7時からなので、時間が迫っている。
今日は金曜日だからか、市内は車が多くなかなか駅まで行くのに時間がかかる。
ホアンもエールエール館から自転車で駅に向っているようだ。
携帯電話はこんな時にまったく便利が良い。
ホアンもこの多い人ごみの中で迷う事なく、私達を見つけ出せる。

ホアンと会って、自転車を積み込み忘年会の場所へ急ぐ。
富士見町のイタリアンレストランだ。15分ばかり遅れたので、既に皆さん席に付いて
待っておられた。
山本さんの一年を振り帰っての挨拶の後皆さんで乾杯、思い思いに時を過ごす。
宴たけなわの頃、みなさんそれぞれが持ち寄った、500円のプレゼント交換をする。
ホアンはクリスマスツリーのデコレーショングッズをもらった。
最近は100円ショップに行くと、これが100円で出来るの〜???と思う程、立派な
物も有る。結構100円ショップで買ったプレゼントが重宝する。

このレストランは2時間限定、飲み放題という事で、7時に開始された忘年会は
9時にお開きとなった。
皆さんそれぞれに仕事があったり、予定があるので、一次会で解散する。
私達もホアンを連れ、途中帰りが一緒の麦田さんととりあえず会社まで帰り
乗用車に乗り換え帰宅する。
ホアンと一緒に途中ビデオショップによったので、少しワインを飲んだ私を主人は
心配して、一旦帰った主人再び私を捜しに家を出る所で、「何処をうろついているんだ!」
と、怒られてしまった。

明日はホアンも学校があるので、早く休ませなくては・・・・。